施川ユウキのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ町田さわ子、ずいぶん本を読むようになりましたねえ。第1巻では、誰かに見られているときだけ本を開き、「読書家と思われたい」と名言集をめくっていたのに、今や『羆嵐』を徹夜で読み、興奮のまま語り倒す。それを聞いた長谷川さんも読みたくなり、最後には遠藤くんまで図書室で『羆嵐』を探す。ビブリオバトルの練習では5分にまとめきれませんが、いやあ、育ちました。相変わらずタイトルは間違えるし、本の帯を折って「人」の字を作るくらい集中力もないけれど(笑)。今回の既読は『羅生門』『1Q84』『火花』『四つの署名』『火の鳥』『シン・ゴジラ』。未読では、神林のオススメ通り、『高慢と偏見』を読んでから『高慢と偏見とゾンビ』も読んでみたい。読書会もやってみたいし、古本屋へ行けば私も100円棚をつい見てしまう。定価なら迷う本でも、100円ならちょっと買ってみようかなと思えるんですよね。さて、『熊嵐』を探しましょうか。できれば100円棚で。
-
Posted by ブクログ
『バーナード嬢曰く。』第2巻。今回も「どんな本が飛び出してくるんだろう」という期待をきっちり満たしてくれる。もはや強い信頼感すらある。最初は本を読んでいるふりしかしていなかった町田さわ子が、気がつけば、もうしっかり小説を読む側に回っているのが実にいい。あのキャラのまま読書の世界に足を踏み入れているのが微笑ましい。今回はメルヴィル『白鯨』とヘミングウェイ『老人と海』の話が印象に残った。どちらも未読なのに、題名を聞くとなぜか内容がごっちゃになるのが不思議で面白い。今回登場した本の中では既読作品もそれなりに多く、読んできた本を思い返す楽しさもあった。その一方で、未読の本を見るたびに「これも読みたい」が増えていく。読んだ本が出てきても楽しいし、読んでいない本が出てきても読書欲を刺激される。やはりこの作品は、本好きにも積ん読家にも刺さる「読みたい気持ち」を呼び覚ますマンガだ。
-
Posted by ブクログ
読書好きなら思わず「わかる……」とうめいてしまうマンガだ。主人公の町田さわ子は、図書室の端で本を読んでいる、一見かなりの読書家。しかし実際には「読書家と思われたい」だけで、読んでいる本が『使ってみたい世界の名言集』だったりする。その見栄っ張りぶりはかなりひどいのに、なぜか妙に共感してしまう。さらに、面倒くさいシャーロッキアンの長谷川スミカ、生粋のSFマニア神林しおりらが加わることで、閉じた図書室は一気に豊かな読書空間へ変わっていく。名作への言及やうんちくも楽しく、ギャグマンガの軽やかさの中に、読書家の見栄、偏愛、積読、そして本への愛情がぎっしり詰まっている。読んだことのある本が出てくると妙にうれしいし、登場人物の誰かしらに自分を見つけてしまう。読書好きの面倒くささを、これほど愛おしく描いた作品はなかなかない。
-
Posted by ブクログ
ド嬢たちの仲良しぶりも本について話すことの深度も深まってきた8巻。
名作「夢十夜」をパラ見してすぐ本を閉じ、「夏目漱石って、夢とか見るんだね」と斜めな感想を放つド嬢と、「糞つまんなそうじゃない?他人の夢の話だよ」と遠藤くん。漱石泣いちゃう。
でもそんなことを言いながら、素敵な考察つきでレビューを書いちゃう遠藤くんの今回は覚醒期のようで、フランク・ハーバード「DUNE」神皇帝のサンドワームの話から、カフカの「変身」の虫が神皇帝になる世界線へと発展し、「神皇帝ザムザ」誕生・笑。冒頭「もし私が虫でなかったら、銀河など望んだだろうか」はパロディを越えて本気で読みたい。気弱なザムザの野望、暗黒そうで鬱展開になる予感しかしないけれど、読みたし。
硬軟のバランスも良く、今回も再読したい本、積読から崩したい本、新たには死体だらけの無人の村で彷徨う日本兵を描く、大岡昇平「野火」は一気に惹き込まれて即購入。
今回驚いたのは、ド嬢の名前が思い出せなくてWikiで調べたらアニメ化されていた!あの図書室で時間が過ごせる!早速見てみよう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「悪評も、逆に肯定的なデータも、探せば好きなだけ見つけられるし生成することすら可能だ。
現実は変えられないが不安も安心も選ぶことはできる。
自分が世界をどう見たいのか、問われているのはそこだけだ」
上記は作中の「自販機のミルクセーキを飲んだ後の感想」である
二時間映画を観た感想ではない
読書量の多い人間は人生の解像度が上がりそうだが、直接的に生活の、特に経済的な意味での豊かさには繋がりづらい
怠惰に接続された利便寄りの食の消費行動は、それが1人でされる前提も含むが鬱の隣にあって実際に関連していると思う
ここまでは単純に今までの鬱ごはんで感じられるものだったが、怪談篇と最終話と作者後書きで完全に到達してしまった
一巻からずっとネットを見ながら食事していた鬱野がネット投稿の創作怪談で自己肯定に向かう、
とは言え、自身を主人公としたフィクションに「あり得たかもしれない自分」との対面を余儀なくされる地獄。
そんな中配達の仕事で嫌なことが重なり自問する。
そして漫画家の自分と相対して自己肯定に帰る
自分と重ねて読み続けていたが、特に嫌なことが重なり自問する描写は刺さった
自分は結婚式の帰りの人たちをみると最も孤独感を感じる。
その人たちが鬱野の横を帰りながら「コンビニのおにぎりでも」と話していくのもすごい。
鬱野にとっての日常であり同時に選ばされたものでもある利便寄りの食事をキラキラした彼らが選んでいく。
自問の形もネット質問の形を借りたSOSでとてもわかる。自分も同じくらいの年齢で「あり得る未来」の妄想より「あり得た過去」の妄想しかしなくなった。
そんな落ちきった鬱野を選んで肯定に向かわせる話の流れに救いを感じた。
ネット投稿の読み切り漫画のようだが、作者後書きを読めばこの話に至るまで怪談篇も編まれたことがわかり脱帽。
どうもありがとう -
購入済み
怪談にならないトイレの花子さん。基本的に一話一話が別のトイレの話になっています。
花子さんの謎については今巻ではそれほど描写されませんが、次巻できちんと明かされます。