施川ユウキのレビュー一覧
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購入済み
大笑いできて、心も満たされる
酢めし疑獄から続くナンセンスギャグになんとも切ない情景が意外なほどベストマッチ
思いもよらないラストになんだかほっこりします -
購入済み
ほのぼの感動ミステリーコメディ
タイトルでも示したように、この作品はとにかく色々な側面があり、その重層感が見ている方をわくわくさせてくれてとてもよかった。作中の様々な言葉遊びも単なる遊びではなく、その言葉またはそれの指すものの本質に光をあててくれているようで、どんどん引き込まれて行くと同時に作者自身の知性の高さも感じられた。他の作品も読んでみたい。
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Posted by ブクログ
人も犬も消えた奇妙な街で、たった一人残された少女ミヤコと「オンノジ」が繰り広げる、奇妙でユニークで切ない愛の物語。というと語弊があるようで、間違っていないはず。
読み終わったあと、私を取り巻いている世界が、私の側にいてくれる人が愛おしくなる。
いや、世界は私を取り巻いているのではなくて、世界の中に私がいるのではなくて、私の中に世界があるのだと気づく。心のかたちが世界のかたちで、その心のかたちは、寄り添ってくれる人によって変わっていく。ミヤコにとってのオンノジみたいに。
楽しくなったり、不安になったり、嬉しくなったり、恥ずかしくなったり、悲しくなったり、どうしようもなく愛しくなったり。そこがどん -
Posted by ブクログ
最近にわか流行りのオシャレぶってるグルメ漫画とは明らかに一線を画している。というより元からそれらの仲間になろうとはしていない。だって鬱だもの。
ごはんを食べるというだけなのに無闇矢鱈と理屈をこねてヨブ記とかダンテとかゲシュタルト崩壊とか七つの大罪とかまで出してくる、これはもうただの「一人ごはん漫画」ではなくて、人間の三大欲求の一つである「食欲」の根源に迫る哲学書なのだ。
グルメ漫画なのに、描かれている料理にはシズル感がないし、キャラクターにリアクションもない。しかしこの漫画に描かれている料理には、他にはない渋みと深みがあるのだ。これに比べたら最近にわか流行りのグルメ漫画なんてただテンションが高 -
Posted by ブクログ
ついに完結! もう表紙イラストからしてすでに(読者との)別れの気配を感じさせてせつねえ。
最終回をこんなにも寂しく感じるほど親近感のあるマンガだったっけ? と考えると、個人的に派毎回すごく楽しみにしてたしキャラも好きだったけど、そういう意味での夢中さはなかったように思う。
たぶんいつもの『サナギさん』が「別れをこれといって意識しない世界」を描いていたのに、この表紙イラストや最終回で突然「この世界における別れ」を突きつけられてハッとしているのが今の僕なのだろう。まあこれ全部あとがきで施川先生が言っておられたことの焼き直しみたいなもんですが。
とにかくこの最終回でただでさえ名作だった『サナギさん』