施川ユウキのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ読書家あるあるから、読書系グループ青春物へとステップアップを果たしているシリーズの四作目である
女同士の友情や恋愛の一幕、あるいは若いがゆえにやりがちな悪癖(落としてから褒める読書好きはやりそうな類のアレ)などにも触れながら、彼らの青春模様が描かれた巻だった。
特に面白かったのは、うっかり終点まで乗り過ごしてしまった神林が、冬の砂浜を過ごしながらバナ嬢とメッセージのやり取りをする一幕。良い一話だったなあ。
物語は成熟していて、それでいて現状はマンネリでもない。きちんと読書好きあるあるネタも欠かしていない。
総じて成熟した一冊だった。星五つで評価したい。 -
Posted by ブクログ
作者が本好きであることがこれだけ、嫌みなく、マニアックなことをマニアックではなく表現できているところが凄いと思う。
同じ作者の「鬱ごはん」を読んだときは、着想は面白いけど、少し理屈っぽく、細かいこと気にしているし、湿っぽいなと思った。それは、ブラックな笑いが狙いだったのだとは思うが、読み続けいていると少し辛い部分があった。
今回は主人公があっけらかんとしている、実際小説を読んでいないにに、薀蓄を語るという設定が功を奏して、マニアックな話題をしていても一般的な立場(大部分がそんなに小説を読んでいない)から、客観的にマニアを眺める。それでいて、そのマニアックな世界に共感できる。という世界を作り -
Posted by ブクログ
サイモン・シンの「フェルマーの最終定理」のレビューに、「学生時代に読んでいれば、もっと数学を勉強したのに…」と、書いたアホな大人は、私である。
ジャレド・ダイヤモンドの「銃・病原菌・鉄」を何となくで買ってしまったのも(ちゃんと読んだけど。)、最近ではユヴァル・ノアハラリの「サピエンス全史」を買って、間違いなく、文庫された暁には「あっこれ文庫化されたんだ。」とか言って得意げになっちゃうのも私。
「世界の中心で愛を叫んだけもの」や「たったひとつの冴えたやり方」が「いつか読むリスト」に加えられ「読まなくてもいいかもリスト」に移行した挙句、既に読んだ気になっているのも。
中心がSFの話題だから微妙にず