施川ユウキのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
漫画における絵は文法だ。
作者の絵は確かに上手くはない。しかし漫画における絵の上手さとはデッサンが完璧かではなくいかに世界観に馴染んでいるかだ。
この絵でしか表現できない世界観が、視覚的に伝えられないメッセージがある。それらの要素と唯一無二の文法が噛み合った結果、素晴らしい作品が生まれるのではないか。
妙ちきりんなラップが好きなπと冷静沈着な学者肌のマッキ、子どもたちを優しく見守る謎多き母。
そんな三人が暮らす地球に産まれ落ちた人間の少女、ミラ。
童話的なタッチで語られる内容は、哲学や死生観への問い直しすらも孕み、何万年単位が一瞬で経過する壮大なスケールの時間軸が不思議な読み心地へ誘ってくれ -
Posted by ブクログ
ネタバレ読書家あるあるから、読書系グループ青春物へとステップアップを果たしているシリーズの四作目である
女同士の友情や恋愛の一幕、あるいは若いがゆえにやりがちな悪癖(落としてから褒める読書好きはやりそうな類のアレ)などにも触れながら、彼らの青春模様が描かれた巻だった。
特に面白かったのは、うっかり終点まで乗り過ごしてしまった神林が、冬の砂浜を過ごしながらバナ嬢とメッセージのやり取りをする一幕。良い一話だったなあ。
物語は成熟していて、それでいて現状はマンネリでもない。きちんと読書好きあるあるネタも欠かしていない。
総じて成熟した一冊だった。星五つで評価したい。 -
Posted by ブクログ
作者が本好きであることがこれだけ、嫌みなく、マニアックなことをマニアックではなく表現できているところが凄いと思う。
同じ作者の「鬱ごはん」を読んだときは、着想は面白いけど、少し理屈っぽく、細かいこと気にしているし、湿っぽいなと思った。それは、ブラックな笑いが狙いだったのだとは思うが、読み続けいていると少し辛い部分があった。
今回は主人公があっけらかんとしている、実際小説を読んでいないにに、薀蓄を語るという設定が功を奏して、マニアックな話題をしていても一般的な立場(大部分がそんなに小説を読んでいない)から、客観的にマニアを眺める。それでいて、そのマニアックな世界に共感できる。という世界を作り