大庭忠男のレビュー一覧
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コリン・デクスター作品初見ですが、う~~ん自分にはあんまり合わず。
物的パズル系ではなく心理的パズル系作品のため、たしかに辻褄は合っていると思うものの、例えば美しい密室トリックを読んだ時のように「なるほど!」とはならないというか、何かもっと別の解法もありそう、と思ってしまう。まあもちろんないんでしょうけども笑
モース警部の仮説を一緒に追っていく、という感じで、どういうことだろうと自分で考えながら読む、というより、単純に物語の進行を読んでいく作品、という印象。
「こいつが怪しい!でもそれだとこの部分の辻褄が合わない・・・どういうことだ?」みたいな感じではないため、良く言えば読んでいて全く疲れない。悪く言えば考える楽しみがあまりない。
ストーリーの運びや文体自体、人間関係や心理重視系が好きかどうか、あるいはモース警部が好きになれるかどうか、あたりが好みを分ける大きい要素になっていそう。
性的描写が多いのも苦手だなと思った要因の1つ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ掘り出し物ミステリー探しの一環で読んだ作品。
私にとって、コリン・デクスターは初モノ。
本書には、各章の頭に様々な本から引用された寸言が配置されている。
そして、第32章には、コナン・ドイル『四つの署名』の「ありえないことを除去してあとに残ったものは、どんなにありそうにないことでも、真実に違いない」、実はこの作品の骨子となる言葉でもある。
主人公のモース主任警部は、同僚刑事の死によって、2年前に失踪した娘の事件を引き継ぐ。それは、つい最近両親に無事を知らせる手紙が届いたからだが、モースは直感的に「彼女は死んでいる」と推理する。
では、その手紙は誰が何のために書いたのかという疑問を軸に、関係者をあたるモースと相棒のルイス。そして、関係者の中から新たな殺人事件が発生。
モースの無尽蔵に湧き出てくる仮説は、次々と明らかになる事実によってことごとく砕け散る。実はその過程で、本当の真実に近づいていたのだが…
帰納法的推理を重ねながら、モースが最後に到達した真実とは?
新機軸の本格推理小説です。
本書の最後の一文。
「家出娘たちの中のあるものは、決して帰ってこなかった…永久に」
さて、娘は殺されたのか、それとも… -
Posted by ブクログ
20世紀中ごろのイギリスのミステリー小説。
あまり時代背景を描くことには力入れておらず、最新の機器が無く、タイプライターや手紙が登場することを除けば、いつの時代でも解釈は可能。
モース警部の想像力は逞しく観察眼は鋭いが、怒鳴るし会話は成り立たないし、「勤務中だから」って部下にはアルコールを与えずにじぶんだけ飲んだり、聞き込みを理由に好きな女性のところへ行ったりと、結構自分勝手で嫌なやつ。
その上、推理は間違ってたり、偶然ヒントを手に入れたり、キャラクターとしてはなかなか興味深い人。
この人あってのミステリーと言える。
まさに、テレビドラマの主役ですね。
(「主任警部モース」「刑事モース(モースの若い時)」が、実際にシリーズ化された) -
Posted by ブクログ
テレビドラマにもなったモース警部シリーズ2作目。同僚の死によって引き継いだ行方不明の若い女性探しが思わぬ複雑な事件になっていて…というストーリー。ただ、モース警部がわりと気分屋っぽいところがあるのと、彼の捜査はミスを積み重ねて可能性を消去していって、最終的に残ったものが正解というパターンで進行する。これが通常みられる小さい正解を積み重ねていって結論に到達するというパターンとは全く異なっている。そのため、モースの行動を味わい深いとみるか、「いやモース、そうじゃないよ。もうちょい考えなよ」と思うか、要は読者の嗜好で評価が大きく分かれるシリーズだ。なお、本作は導入から容疑者が絞られていくところまでは面白いのだが、そのあとモースが延々とハズレを引き続ける様子がちょっと厳しい。
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ネタバレ
面白かった!
いままで読んだエラリー・クイーンの本の中で一番真実にびっくりしたし分かりやすかったし納得したような気がする。
途中でカザリス博士犯人説が持ち上がった時は残りのページ数こんなにあるのにもう犯人分かるって…それほんまに犯人?何かこの後まだ展開ありそうやし真犯人は別にいるのでは?と思ったら案の定やった。
産婦人科医が自分がお産でとりあげた人をひとりずつ選んで…っていうのはなるほど、というか、よく考えたなあとしみじみ思った。
しかも何故男性は既婚者もいるけど女性は未婚ばつかりなのか?ていう伏線もちゃんと「電話帳で探したから。名字がかわってる女性は見つけられなかった」ということでちゃんと回収されてる。
相変わらずエラリー・クイーンは私からすると役立たずで(笑)、どんどん被害者増えてくやん。て感じやった。真犯人にたどり着くのは事件がすっかり落ち着いた9人の犠牲者が出た後やったし!
コナンにしろ金田一少年にしろ、私が知ってる推理ものはもっと早くスマートに真相にたどり着いて罪を暴くイメージがあるからエラリー・クイーンはその点遅すぎる感は否めないし名探偵ってかんじには思えん。
けどいつも不思議と続き気になって読んでしまう。
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Posted by ブクログ
ネタバレ読後の今になってこの題名の示唆する意味が仄かに立ち上って来て、カーもなかなかやるな、とちょっと心地良い余韻に浸っている。前回読んだ『疑惑の影』のようにこちらも毒殺物だが、それに加え、密室の中で重い石の棺が独りでに開くというクイズみたいな謎があり、カーの味付があちらよりも濃い。
事件は小粒だが、今回はヒステリー症という病例を上手くトリックに盛り込み、物語に二面性を持たせているところを高く買う。
こういう一見、何の変哲もなさそうな事件なのに何かがおかしいというテイストがセイヤーズを髣髴とさせており、カーの中でもちょっと珍しい部類に入る。しかもこれが冒頭述べたようにこの謎めいた題名の意味を徐々に腑に落ちさせる所もカーらしくなく、手際が良い。
二番目の石の棺が自然に持ち上がるトリックは大方予想がついた。昨今の推理マンガによく取り上げられる類いのもので、ある意味、このマンガの原作者のルーツかもしれない。
途切れがちな読書であったが、それなりに愉しめた。
云いなおせば、通常であれば星4ツ物であったかもしれない。読んでいる最中は結構キツイ所もあったが。
じわじわ来るこの読書の悦楽が僕にそう思わせる。