大庭忠男のレビュー一覧

  • 九尾の猫

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    劇的な終幕を迎えた「十日間の不思議」(1948)に続く1949年発表作。単なる〝思考機械〟から苦悩する探偵へと様相を変え、円熟味を増したエラリイ・クイーン中期を締めくくる傑作だ。

    正体不明の連続殺人鬼にマンハッタンは震撼していた。何れも絞殺で、犯行には絹紬が使われていた。性別や人種、年齢や家庭環境に共通点はなく、動機も解明されない。新聞は過激な記事で恐怖を煽り、殺人鬼を〝猫〟に見立て、新たな犠牲者をその尻尾に付け加えた。すでに尾は五つ。市民らは自警団を作り、不甲斐ない警察と市政を批判。父・リチャードに懇願されて捜査の陣頭指揮を取ることになったエラリイは手掛かり皆無の連続殺人事件に着手するが、

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    2025年06月11日
  • ウッドストック行最終バス

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    ネタバレ

    競馬シリーズの後ろの広告で見て。

    まったくもって作者の思うつぼにはまっていたらしく、
    全然犯人がわからなかった。
    まだタイピストが全盛の時代で、
    しかも主人公のモース主任警部が熱を上げた女性が犯人なんて、誰が思う?

    ウッドストック行き最終バスを逃した二人の若い女性のうち、
    一人が殺された。
    ヒッチハイクを一緒にしたもう一人の女性は誰なのか。
    殺された女性と同じ職場の女性がその日の行動に嘘をつき、
    暗号が隠された手紙を受け取ったとしたら、
    その女性が同乗者だと思い込んで当然でしょう?

    途中で、モース主任警部が事件と全然関係ないところで足にけがをしたり、
    部長刑事相手に犯人の条件をあげて統計

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    2025年04月05日
  • キドリントンから消えた娘

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    モース主任警部の2作目。モースは鋭い直感が持ち味だが、今回は推理がことごとく空回りする。読んでいる私でさえ強引過ぎるなあ、と思っていたら、やはり失敗ばかりで、とうとうモースは事件を諦めようと追い詰められたりする。決して警察官として優秀ではないところが、このシリーズの面白さなのだろう。この話では、実はたくさん推理した中のひとつが”当たり”なのだが、ちょっと消化不良だったかな。

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    2025年03月20日
  • 九尾の猫

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    ネタバレ

    九人の連続殺人の犯人を追いかける。証拠も残さず動機も分からない殺人鬼、通称「猫」。
    無差別な殺人事件に最初はドキドキし、少し犯人が見えてきてハラハラし。最後の最後でまたどんでん返し。今回も悲しい結末でした。

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    2024年10月22日
  • キドリントンから消えた娘

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    2024.09.21
    気長に構えて苦笑いしながら読む一冊。
    モースさんがどうやって警部にまで昇任できたのか彼のひととなりが気になる。
    現実の捜査もこんなふうに行ったり来たりなのかも。

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    2024年09月21日
  • 日本庭園の秘密

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    クイーンパパと、エラリイが対峙している状況に終始ハラハラしてました。次々と明かされる事実にビックリするばかり。

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    2024年05月24日
  • スペイン岬の秘密

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    黒い帽子、黒のマント、ステッキのみを身につけた被害者の謎にエラリイ・クイーンが臨む国名シリーズ第9作目。今回、パパは出てきません。寂しい。テンポ良く色んな事が起きたからか、今まで読んだ国名シリーズの中で1番面白いと感じました。

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    2024年04月21日
  • キドリントンから消えた娘

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    ミステリ。モース主任警部。
    著者の本を読むのは4冊目。
    3冊読んで4冊目に挑戦している訳なので、何かしらの魅力を感じてはいたが、シリーズの面白さを明確に認識できた一冊。
    読んでいて連想した作家はアントニイ・バークリー。
    個人的に思う作品の魅力は、モース警部の想像力を活かした捜査スタイル。
    証拠からストーリーを考える論理的手法ではなく、ストーリーを考えてから証拠を集めるスタイルが特徴的。
    このスタイルのおかげで、一冊を通して推理がひっくり返され続ける。
    最後の最後まで、事件の輪郭が掴めず、何が起きているのかも分からない。ホワットダニットというやつか?
    独特のユーモアもあり。
    自分のなかではかなり

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    2023年12月11日
  • 九尾の猫

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    社会派ミステリ。
    連続殺人犯を追うエラリイ・クイーン。
    全く手掛かりがない状態から、一気に事件が繋がり、容疑者が見つかるシーンがとても印象的。
    大衆の混乱を描いた章も、価値がある名シーン。
    結末にも一捻りあり、最後まで楽しめた。

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    2023年01月28日
  • ウッドストック行最終バス

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    オックスフォードでヒッチハイクをしていた2人の娘。1人が死体で発見され、もう1人は行方不明に…全編パズルだらけ。謎また謎のパズルミステリの傑作。モース主任警部第一作目である。モース主任警部は個性も何もなく街ですれ違っても気が付かないレベルの、主人公としてはつまらない人物。但し頭の冴えはピカイチ。単なる思考機械にしか思えないところが、話が面白いのに賛否分かれる理由なのか。

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    2021年03月21日
  • ウッドストック行最終バス

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    モース主任警部シリーズ第一作。ドラマの印象が強く、ルイス警部ともいいコンビ。出会いの場面からして思わず笑ってしまうようないい味を出しています。仕事熱心なのかそうでないのか...事件そのものより、主人公の個性に惹かれて読み続けました。

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    2021年02月22日
  • ウッドストック行最終バス

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    クロスワード好きらしい作者の謎解きミステリ。

    バスが来ないというのでヒッチハイクをするつもりだったが、ちょうどやってきた赤い車に拾ってもらった。

    だが、そのうちのひとりが殺された。

    モース警部は聞き込みをして、パズルを解くように事件を構築し積み上げ組み直してみる。
    何度か振り出しに戻ってやり直さなくてはならない羽目になるが。
    何がどう繋がって犯罪が成立するのか悩みつつではあるが。
    そんなこんなでもても面白かった。

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    2020年02月05日
  • キドリントンから消えた娘

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    これがコリンデクスターの個性か。何度も何度も推理に失敗し、想像力を武器に新たな仮説を組み立てるモースがとてもいい。非常に印象深い作品。

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    2019年10月10日
  • ニコラス・クインの静かな世界

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    難聴のニコラスクインが殺された。海外学力検定試験委員会に選ばれた無害な彼はなぜ殺されたのか?
    モース主任警部のアクロバティックな推理?が炸裂する!!
    期待通りの仮説と推理の繰り返しで大満足。事件の肝が不正絡みか恋愛か動機は釈然とせず。被害者も含めた登場人物の行動の時刻がいまいちわからない。モースとやきもきしながら推理の妄想を楽しみました。
    ある程度構えてしまったため、前作ほどのカタルシスはなかったものの、モースが閃くたびに、私も目がキラキラしてしまいました。
    モースの天才と紙一重な探偵っぷりがほんとたまらない。

    「極度の難聴」この事実が見事に最後のピースになっていることが本当に憎い!!

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    2019年05月04日
  • ウッドストック行最終バス

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    英ミステリ作家、コリン・デクスター(1930-2017)による、モース主任警部シリーズの1作目。
    モースは、「英国で最も好きな探偵」第1位に選ばれたこともあり、イギリスではシャーロック・ホームズを凌ぐ人気があるとも言われるのだそうである。
    本シリーズは長編13作、短編集1冊が刊行され、モースの死によって完結している。
    本編もドラマ化されているが、近年、若き日のモースを主人公としたテレビシリーズが制作され、日本でも一部が放送された(『刑事モース〜オックスフォード事件簿〜』(原題は"Endeavour"。モースのファーストネームで、原作の壮年モースはこれを明かしたがらず、ネタの

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    2018年05月21日
  • 九尾の猫

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    ネタバレ

    マスコミによる民衆の扇動、容疑者との心理戦、最後のドンデン返しといろいろな要素が詰まって読み応えある。現代からするとちょっと雑な部分が残るけど、そこを割り引いても面白い。

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    2018年04月21日
  • ニコラス・クインの静かな世界

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    聴覚障害を持つニコラス・クインが殺された。
    彼の勤務先は海外学力検定試験委員会。
    英語を母国語としない国での英語の学力試験を行う機関(?)らしい。TOEICとかTOEFLみたいなモノかな?

    最後まで読んで面白かったんですが、よくよく思い返すと、捕まったの誰だったけ?みたいな。
    あの人結局関係あったの?なかったの?みたいな、少々モヤっとするとこもあり。

    そして、解説読んで、もうこのシリーズ読まなくていいやと思ってしまいました。評論家の瀬戸川と言う人、最悪の解説じゃないですかね。

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    2016年10月23日
  • ウッドストック行最終バス

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    全編、モース警部による推理の「構築→解体」の試行錯誤であり、ラストまでもったいぶってようやく推理を開陳する一般的なスタイルとは違うところが楽しかったです。解説にもありますが、現代が舞台なのにしれっと「科学捜査」を無視しちゃう手法も面白いです。潔いw

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    2016年03月06日
  • ウッドストック行最終バス

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    ミステリの金字塔とも言える作品のひとつ。登場人物がみんないい感じに堕落してるとことか、おちゃめなモースとマジメなルイスのコンビの噛み合わないやり取りとか、トリック以外にも楽しめる要素がたくさんあった。あと意外とエロい描写も多い笑

    読み終わったあとクロスワードって言われると、確かにしっくり来る。引き込まれました。

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    2016年02月26日
  • 日本庭園の秘密

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    国名シリーズ最終作。
    ここまで対立しているクイーン父子を見るのは初めてな気がする。
    解決はあっさりだが、ラストの数十ページには
    中期クイーンの片鱗が垣間見える。

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    2015年10月22日