大庭忠男のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
アートというものが投機の対象でしかないならば
戦争もやはりハプニング・アートの一例にほかならない
くだらないことである
表現の自由は存在せず、ただ暴力を煽り正当化するなにか
…たとえば、ありきたりな「物語」
そんなものがでっち上げられているばかりなのだから
クイーン親子は、20世紀最大の武器商人「ボディジェン社」から
強引な「招待」を受ける
「帝王」キング・ベンディゴに殺害予告が届いたからだ
ベンディゴの一族は、社の創業以来
世界中のほとんどあらゆる戦争を、裏からコントロールしている
しかし、事件を追及するにつれ
すべてでっち上げで作り出された「帝国」の真実が
エラリーには見えてくるのだった
-
Posted by ブクログ
ネタバレ【あらすじ】
ニューヨークで組紐による無差別連続絞殺事件が発生。警察やエラリーの必死の捜査にも関わらず止まらない殺人に、メディアはネコを模した犯人像を書きたて、市民は恐怖を募らせる。やがてエラリーは、被害者の出生にある共通点を見つけ出す。
【感想】
既に何名か殺人が起こった状態で始まり、そこにエラリーが投入されるという展開で始まる。犯人の顔も被害者の関連性もなかなか見えてこず、先の展開を期待しながら読める。
被害者の共通点が判明してから犯人を追い詰める過程は緊迫感があり良い。あっさり終わったと思わせて捻りも用意されているので、読み応えがあった。
あとがきによると、フレデリック・ダネイのベス -
Posted by ブクログ
自信満々に誤った推理を展開する、尊大だがどこか憎めないモース主任警部と、お人好しで翻弄されてばかりな反面、モースの推理をたったひとことで崩してしまう意外な鋭さももつルイス部長刑事。そんなふたりの凸凹コンビぶりが相変らず楽しいシリーズ第5作(前回読んだ『ウッドストック行き最終バス』が第1作とのこと)。
イギリスの郊外が舞台だけに登場人物も限られ事件の内容も地味とはいえ、そういうことだったのか!!と唸らせる仕掛けはなかなか。
作者も訳者も『ウッドストック行き〜』と同じなのに、文章のリズムが異なり読みやすかった反面、モースのとぼけた笑いが薄まっていたのはすこし残念。ルイス部長刑事の登場も後半から -
Posted by ブクログ
クイーンファンを自認しながら、本書はその梗概すらすっかり忘れていた・・・・・・。もうほとんど初読のような感じで読んだのだが・・・。
いやもう、完成度高い。
パズラーとしてはちょっと薄いけれど、サスペンスとしては超一級。ぐいぐい読ませる。
もちろん、中盤で「なぜこの順番で殺されていたか」を説明するシーンは冷徹なまでにロジカルで、読者はクイーンの真骨頂である論理の快感を味わうことができる。
ラストもちょっと泣けるなあ。ほんと、そのまま法月綸太郎みたいだった。
中盤から後半にかけて、少々間延びしている感はあるが、その瑕疵は本書全体の完成度からして、わずかなかすり傷でしかない。 -
Posted by ブクログ
「死」について、「病気」についてモース警部が実に感慨深くなるシーンが多くなった本書、もはや…とも思わせる。
と、そう記するとやけにシリアス調な内容と思わせられるがやっぱり、モース警部シリーズはこうでなくちゃ!コント満載です。
思わず吹き出してしまいそうになる会話も多く、彼、彼らが(モースからの突っ込みが入りそう)真面目に語っているだけ余計におかしさが募ります。
解説の西澤保彦氏の「いちびり」という言葉の説明を受けて分りました。
モース警部の体の中に流れているのはそれだ!
長編をあと一つ征服すると私にかけられたモース警部の呪いは解けますが、そこで彼と彼たちとの接点も無くなってしまうというのも -
Posted by ブクログ
「わたしを見つけて、スウェーデンの娘を
わたしを蔽う凍った外被をとかして
青空を映す水を乾かし
わたしの永遠のテントを広げて」
A・オースチン(1853-87)
この詩がキドリントンのテムズ・バレイ警察に届き、1年前のスウェーデン人女子学生事件の再捜査が始まる。
事件担当のジョンソン主任警部にストレンジ警視が言う。
「人はときとして間違った理由から正しいことをすることがある。
しかしモースはどうか?
彼はむしろ正しい理由から間違ったことをすることが多い。
正しい理由とは・・・わかるな?
だから彼がときどき飲みすぎるとしても・・・」
「モース -
Posted by ブクログ
「夕闇の迫るオックスフォード。
なかなか来ないウッドストック行きのバスに痺れを切らして、二人の娘がヒッチハイクを始めた。
その晩、娘の一人が死体となって発見された。
もう一人の娘はどこに消えたのか、なぜ名乗り出ないのか?」
ミステリー好きのイギリスの読者は、この変人モース警部とルイス巡査部長の登場をどう迎えたのでしょうか。
本格推理小説としては思いがけない展開、こんなことでいいんだろうか、あと二三作様子をみないとなんとも・・・
しかしおもしろい!
コリン・デクスターの長編ミステリーの第一作目、周到に準備されたプロットは読者に決して犯人がわからない。
モースの愛車はランチヤ、 -
Posted by ブクログ
本格というよりは警察小説の色合いが濃い作品。ミッシング・リンクものなのだが、同時に社会的テーマも扱っていて、既読のクイーン作品とはまるで雰囲気が違う。
チームで捜査したり、また気の遠くなるような広範囲から犯人を絞り込んでいく様は正に警察小説の展開。でも推理のプロセスはばりばりの本格。エラリイが見つけた小さな手掛かり。読者でも容易に気付くそのヒントをどのように発展させるのかと思いきや──いや、参った。これだけきれいに繋がるとぐうの音も出ないわ。作家自身がベスト作品と評するのもわかる。
異色の作品なだけに、生粋のファンから見ればそこが違和感だったりするのかもしれないが、クイーンの別の面を堪能で -
Posted by ブクログ
夕闇の迫るオックスフォード。
なかなか来ないウッドストック行きのバスにしびれを切らして、
二人の娘がヒッチハイクを始めた。
その晩、娘の一人が死体となって発見された。
もう一人の娘はどこに消えたのか、なぜ名乗り出てこないのか?
テムズ・バレイ警察のモース主任警部は、
ルイス部長刑事とともに捜査にあたる。
多くの仮説が覆されたあと、最終的に浮かび上がった解答とは……。
現代本格の代表作家、デクスターのデビュー作。
原題「Last Bus to Woodstock」。
デクスターの名前は以前から知っていたが、手に取るのは初めて。
作風についても噂は聞いていたが、確かに噂ど -
Posted by ブクログ
祝!初、エラリイ・クイーン!
とうとうあたしもエラリイ・クイーン・デビューであります。
特になんの先入観も持ってなかったのですが、
でも、こう思いました。
思っていたより、ずっとエンタメだった。
テリー・リングが毎回登場するキャラクターなのかとか、
そんなことは分からないのですが、
このテリーとエヴァの物語は、あたしを熱狂させました笑。
こういうの、大好き!
その二人にあまり顔色の良さそうじゃないエラリイ・クイーンが
寄り添っているところなんかは、かなり良いツボだと思います。
ミステリーとしては、いまいち満たされませんでした。
そうだったのか!なんと!
という驚きもない、けど、それはこの人