仲町六絵のレビュー一覧
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ネタバレ半分脳筋公卿だの、のろけ大明神だの、晴明様がお付けになるニックネームが逐一容赦なくて笑った。
前者は篁さん、後者はまさかの登場、天竺ムスルに対してのもの。
そう言えば、二人ともヒロイン命組だった。
相変わらずのはっちゃけぶりが楽しいご先祖様(ムスル)の登場、本当に嬉しかったです。
篁さんも相変わらずの変人ぶりで……桃花ちゃんに「時子さんへの愛が溢れすぎて(以下略)」と言われるほど。
そこに安心してしまう自分も何ですが。
今回は秋のお話。
文化祭にハロウィンと現代の話があったかと思えば、龍田姫や月の女神など大御所のお話など盛り沢山。
短いお話でしたが、偽晴明様が出てくるお話も印象深かったです。
個人的には、霊山歴史館が出てきたり、土方さん(土方歳三)や彼の刀が出てきたり、不意打ちで大好きな幕末や新選組話が出てきて、驚いたのと嬉しいのとで、大分挙動不審になりました。
まさか仲町さんの作品で、彼の名前を聞けるとは、嬉しすぎる。
流石、秋の京都が舞台ということもあって、いつも以上に情景描写が美しく、文字を読んでいるだけなのに、晴明様たちと一緒に秋の京都を巡れた気になりました。
そんな晴明様に関しては、今回少々不穏な伏線が張られた気がします。
武器を持って欲しくなかったという桃花ちゃんの心の揺れと併せて、少し不安も覚えた4作目でした。
どうか二人にとって、よき変化に繋がるものでありますように。 -
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時は戦国時代。
典医の妻、狭霧には、この世のものとは思えない力がある。
病者についた物の怪が見え、それを調伏する方法がわかるのだ。
それは的確で、夫の仕事の助けになっている。
そんな彼女の元に怪しげな修験者がやってくる。
災いはそれだけではなく、次から次へ彼女を苦しめる出来事が起きるのだ。
彼女はなぜこの力を持ったのか。
修験者の狙いは何か。
第一章から章を重ねるにつれ、狭霧の力は次第に強くなっていき、戦いに巻き込まれていく。
彼女は美しく、強く、そして夫と子を愛した一人の女性だった。
愛する人を守るため、彼女は自らの手を血で染め上げた。
愛しているから話せないことも、助けを求められないことも、その大きさは異なるにせよ、誰しもが経験しているはずだ。
穿った見方をすれば、夫である義伯は愚か者かもしれない。
妻が自分のために苦しみ、悩み、傷ついていることに気づかない。
彼が気付いてさえいれば、狭霧は追い込まれず、幸せをもっと享受できたかもしれない。
しかし、その義伯の愚かさとも見える部分こそが狭霧が安心できる場所であったのかもしれないし、家族と主君、そして自分を守る強さの源であったのかもしれない。
ただ、私にとっては、子の鷲王が不憫でならない。
母は出奔したものと思い、その面影の薄いままであったから。
これが戦国の世なのだ、といえば似たような、いや、それよりはるかに不幸なことは多かったに違いない。
だが、物語の中とはいえ、こう願わずにはいられないのだ、この青年に、春日山の恩寵あらんことを、と。 -
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京都の夏は暑い。
そして、祭りのために人がたくさん訪れ、人々も熱くなる。
本文中に、夏は生きる力がみなぎり、道なしと呼ばれるこの世のものではないものを見る人も増えるとある。
最近は暑すぎて、生きる力も削がれてしまうこともあるかもしれないが、それでも移ろう季節の中で人は生きている。
今回の物語は京都の祭りが舞台になっている。
からくり人形の仕掛けがどうなっていたのか、修繕とはどういうことなのか。
感心したのは修繕とは何か、ということについて述べた部分。
元の通りにすることが修繕ではない。
その、物自体が過ごしてきた時をも大事にすることが修繕であって、決して時を巻き戻すものではないのだ。
美術品などで、当時の姿が蘇る!なんて宣伝されているけれど、そこだけが修繕の意味ではないのだ。
時を重ねることは悪ではない。
ついつい、日々の中でアンチエイジング(最近はこの言葉が魅力的に聞こえるのだ)だなんだという言葉に触れているせいか、出来立てホヤホヤこそ至上のものと思いがちだが、それは思い込みだということに気づかされる。
さて、もう一つ気になったのが、茜が私はいい母親ではなかったかもしれない、と呟くシーンだ。
高みから見下ろして、誰かの子を、夫を死地へ向かわせたことを悔いているのだ。
人の在り方はその時々で変わる。
今正しいと思っていても、そうではないと気づく日が来るかもしれない。
それが苦しみなのか、喜びなのかは今は、わからないが。
日差しの強さもまたすぐに秋の風に吹かれゆっくり消えていくように、そしてそれが決して寂しいばかりではなく、実りをもたらすように。
日々は巡る。
人の心も巡る。
変化は恐れるものではない。
明日は明日の風が吹く。 -
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いつか大陸に渡ることを夢見る、青年妖術師・天竺ムスルと仕え女として働くことになった少女・葉月と個性的な周囲の人々、そして、ムスルが関わるあやかし達の物語。
面白かった。ムスルも葉月も、実在の人物。混沌とする室町時代を背景に、たくましく生きていく人々の様子があちらこちらに見られて。時代の空気を肌で感じられた。
当時の政治や寺の話など、小ネタがいい具合に盛り込まれています。
化け物退治という方向ではなく、あやかし達と会話し、彼らの前に道を作ってやるという感じ。成仏するか、誰かについていくか、新たな道を生きるか。面倒くさいなどと言いながら消してあやかしをないがしろにしないムスルはただのツンデレ(笑)
刀の付喪神?っぽいあやかしもいて、一瞬某オンラインゲームを思い浮かべてしまいました・・・女だったけど。
話が進むにつれて、ムスルが君は甘いと言いながら葉月に心を開いていく様子にもにやにや。
彼らの側にいるタラサもなかなか良いキャラで、有能な突っ込み役ですね!多分にこの中ではタラサが一番強いような気がする。この鳥・・・。
続きがあれば、ムスル激動の生涯、になるのかな?切なくも、ゆるゆると進むのもありだと思うけどれも。