伊藤元重のレビュー一覧
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日経ビジネスアソシエ2月号の特集「今、知るべき教養」で紹介されていた一冊。
平易に経済学の基本が記載されているので、本当に経済学をはじめて学ぶ人にはうってつけの本だと思います。
【サマリー】
1-1 経済学は身近な学問
・1973年の石油ショックと変動為替制による物価上昇(インフレ)
・1990年代のデフレ・スパイラル
・為替レートの(円安、円高)影響。トヨタ・Panasonicなどは1ドルあたり1円の上昇で数十億~100億円に近い利益が吹っ飛ぶ
1-2 経済学の活用
・IMF:
国際通貨システムや各国のマクロ経済の安定を目的として設立された。
経済危機に陥った発展途上国への融資機関の役 -
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伊藤元重著「時代の先を読む経済学」PHPビジネス新書(2011)
*経済学の考え方には3つの潮流がある。1つは市場主義あるいは自由主義という考え方ですべてのことは市場にゆだねておくというのがベストであるという考え方。この立場は市場に対してきわめて楽観的であり、政府による介入を嫌い、市場の調整能力に高い評価をおいている。リーマンショック前まではこの考え方が有力であった。しかし最近では安易な市場万能主義には批判もおおい。2つ目はケインズ主義である。市場は不完全なものであるため、政府による介入や公的規制が重要であるという立場である。第二次世界大戦後から30年間近くは先進国でこの考え方が有力であった。 -
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伊藤元重著「日本と世界の流れを読む経済学」PHPビジネス新書(2012)
*第一に強い関心をもっているのは日本がいつデフレ経済から脱却するのかという事である。アナリストによれば当分国債の金利上昇は起きないだろうとの見方が強い。理由として当分デフレが続くためだ。それならば、家計や企業から貯蓄資金が金融市場にながれこんでくるだろうし、それで国債も消化できる。また金利も低金利のままである。景気も回復しないので物価も下がり続けるという理論である。ただ本当にそうなのか?せかいてきな資源価格高騰も気になる。何よりも震災と電力危機が日本経済に環境を大きく買え、復興需要と電力不足による供給制約が需要に大きな影 -
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豊富な実例を通して、経済学を身近なものにしてくれています。
悩むことなく、すいすい読めました。
あー、そういうことだったのか、と何度も腑に落ちました。
インフレ、デフレと失業の関係、
GDPの分解(消費、投資、政府支出、輸出入)、
実質GDPに果たす供給サイドと需要サイドの影響、
乗数効果、
財政金融政策の役割、
経済事象である石油ショック、変動為替の導入からプラザ合意、円高、グローバル化、バブルとその崩壊などの歴史的、社会的な意味、
為替レートと日本農業の競争力、
民営化、規制緩和の意義、
需要曲線と供給曲線の見方、考え方、
計画経済の破綻の原因、
市場の失敗
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下巻は上巻に比べると若干、抽象的かな?と思いますが、私のような経済学初学者にとっては得るところ大です。
例えば
・トレード・オフの概念(あちら立てれば、こちら立たず)
・クラウンディング・アウト(政府がよかれとやった財政政策の効果が半減してしまう現象)
・プライマリー・バランスの考え方(財政再建の示唆を与えてくれます)
・貨幣の機能(価値尺度、貯蔵手段、取引媒介)
・貨幣の保有動機(取引、予備的、資産保有)
・年功賃金制と「人質」(20代の方がいい仕事していたりするので、これすごくよく分かる)
・失業対策の多様性(単に景気を良くすればいいわけではない)
・為替リスクに備える -
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ネタバレ[ 内容 ]
本書は、経済学のこれだけは知っておきたいエッセンスを、雇用、地球環境問題、出店戦略などの事例を交えてやさしく記述。
上巻では、ミクロ経済学、マクロ経済学、ゲーム理論など経済学の基本を解説する。
経済学の考え方を現実に即して学ぶために、石油ショック、円高など現在の日本経済を方向付けた事件についても解説した。
[ 目次 ]
1 経済学とは何か(経済学は身近な学問 経済学は実際の世界でどのように利用されているのか ほか)
2 経済を大づかみに捉えると―マクロ経済学の基本(GDPを中心にマクロ経済を考える GDPを分解してみよう ほか)
3 日本経済を変えた三つの分岐点―マクロの視点で -
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ネタバレ[ 内容 ]
IT技術の導入、外資系企業の参入、顧客ニーズの多様化、大手小売店の破綻…大再編が進む流通業界。
成功し続ける企業は何が違うのか。
森ビル、イトーヨーカ堂、イオン、しまむら、伊勢丹、丸井、ヤオコー、吉野家、赤福、菱食―本書では、デベロッパー、百貨店から伝統産業、問屋まで、日本の流通業を盛り上げる10の企業の経営者を取材。
「効率化の徹底」と「付加価値の形成」を実現する各戦略を鋭く分析する。
流通業の動きをみれば経済の流れがわかる!最先端の現場が示す、日本経済・未来の図式。
[ 目次 ]
第1章 デベロッパー―森ビルの戦略モノを売るからモノが売れない
第2章 GMS(大型総合スーパ -
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先週読んだ本の続き。読み終えたのは5日ほど前で、既に別の本を読み始めているので、一応1週間に1冊以上の目標はまだ達成できていることを併せてご報告。
下巻では「公共部門の経済学」「金融システム」「人と組織の経済学」「国際経済」について各章で述べられていて、一応上巻とは独立した形になっている。でもまぁ、初学者は素直に上巻から読みましょう。
上下巻ともに高校までの社会の授業で聞いたことのある話から始まって、時折経済学の(おそらくは)基本用語が登場し、それを解説していくスタイル。その際には身近な具体例や過去の出来事を引っ張ってきて読者の理解を手助けしてる。ただ、「本書のような入門書ではこれ -
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大学の授業では時間割の都合上、経済学を履修できないため本でちょっとだけかじる。
この本はその初めの一冊であり、大学生になってから読んだ記念すべき第一冊目。
タイトル通り、初めて経済学を学ぶ人にピッタリの本で、需要・供給曲線など高校の時に習った「現代社会」で聞いたことのある話がいくつもでてきた。大学生・高校生はもちろん、中学生でも読めそうな程わかりやすく経済学について教えてくれる。経済学への導入本として相応しいかどうかは本格的に経済学をやってからでないとわからないが、とにかく気軽に読めるので少しでも興味がある初学者におすすめ。…逆に、少しでも経済学に触れている人にとっては退屈かも知れない