伊藤元重のレビュー一覧
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タイトル通り、経済学を始めて学ぶために書かれた本である。
文庫本サイズであるものの、分かりやすさと内容の難しさのバランスが絶妙で、経済学ってこんなに分かりやすくて楽しいんだ!と思える本である。
上巻では、経済学とは何かということから歴史・応用に簡単に触れている。続いて、GDPを考える・日本経済の分岐点(?石油ショック?レーガノミクスからプラザ合意?バブル形成と崩壊)を考察することでマクロ経済を学べる。そして、民営化というスタートから市場メカニズムを考察し、最後にゲーム理論を簡単に学ぶことでミクロ経済学を勉強できる。
さっきも書いたが、現実に起こったことに基づいて経済学を学ぶ上で重要 -
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(上)とあるので、(下)も読んでからと言う感じもしますが、章立ては連続ですが、実際の本は独立的な内容なので、感想も独立して書いてみます。
先日、「初心者のためのやさしい経済学」を読みましたが、この本は経済学の基礎中の基礎(実は何が基礎かもわからないけど)だと思われることを、見開きという限られたスペースで説明した本でしたが、こちらは同じ経済学を扱っていても、実際の日本経済の歴史を見たりゲーム理論で、経済学が何を学ぶ学問かと言うイントロダクションとなっている感じです。難しい数式などは出てきませんが、過去に起きた出来事がどういうつながりになっているのかと言うことを知る上で大変勉強になる本です。
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Posted by ブクログ
国際経済学において、国際経営論が重要な関連分野に位置付けられる
例えば…
70年代に第二次オイルショックでアメリカのガソリン価格が高騰して、燃費の悪いアメリカ車が売れなくなったとき、需要が日本車にシフトしたため、アメリカの企業は日本企業をアンチ•ダンピングで提訴した。
=日本の自動車会社は不当に安い価格でアメリカに輸出していて、アメリカの企業は被害を受けてると政府に訴えた
結果、日本企業はアメリカでの現地生産にシフト
関税同盟は、加盟国の域内の関税がてっぱいされるだけでなく、域外の国への関税率も共通にしなければならないという縛りがある
FTA(自由貿易協定)と
EPA(経済連携協定)には違 -
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「ビジネス・エコノミクス」というタイトルの本書においては、ビジネスー企業の活動、競争、戦略、ビジネスシステム、産業などーの現場で起こっている様々な現象を体系的にまとめ、その見方を提供することを目的としているとのこと。
第2版の刊行は2021年、日々身近に目にしている企業活動が具体的な素材として取り上げられているので、内容を興味深く読み進めることができる。例えば、吉野家の牛丼の価格を例にして、需要の価格弾力性と価格の設定付けの考え方について学ぶことができる。流通問題を取り上げたChapter2では、ユニクロやニトリのようなSPAと呼ばれる小売業者が、商品の開発から生産の委託・流通まで自らが -
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ネタバレ伊藤元重氏によるマネジメントテキスト
経済とビジネスを結びつけて語られており、読みやすく興味深い良著
経済の構造から過去から現在への流れを語っており、大局観に。
メモ
・価格にはじまり、価格に終わる
・需要の価格弾力性 高い場合は薄利多売を。一方でブランディングやストーリーか、ターゲット分けなどでこれを下げることも重要。
・安売り、価格設定の類型
略奪的ダンピング 競争相手を倒す
ロスリーダー 目玉商品 顧客を店に惹きつける
フォワードプライシング 将来の費用低下を織り込んだ価格設定
スイッチングコストのもとでの顧客取り込み
・流通の歴史
流通網が不十分な時代 まちの -
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上巻と同じく200ページ弱のボリュームの新書。
その中で「公共部門の経済学」「金融システムを理解する」「人と組織の経済学」「国際経済学を見る目」の4テーマが扱われている。上巻では「マクロ経済学」「ミクロ経済学」「経済学史」「戦後日本経済の流れ」「ゲーム理論」を扱っており、どちらかと言えば全体の理屈的なものだったのに対して、下巻では現実の経済の各論を扱っている。
上巻・下巻ともに、それぞれのテーマのエッセンスがコンパクトに分かりやすく書かれていた。本当に基本的な経済学の概説なので、別に目新しいことが書かれているわけではないが、経済学の全体をもう一度整理して理解しておこうという人にとっては、良い本