鈴木おさむのレビュー一覧
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テンポのある往復書簡形式。交換日記ということと、お笑い芸人ということで、かなりハイスピードで読める。
長年売れない苦労とかそれゆえの生活苦とか、劣等感とか焦りとか、この形式だから表現できたものがあると思う。
両方ともアメリカンドリーム的に成功するでもなく、一向に芽が出ないでもなく、だからこそ夢を追う美しさと諦める才能とが際立つ。
自分の才能が足りないと自覚してからの悲しさは秀逸で、ここまでなら星五つで年間ベストだったけど、病気になったり天国での漫才があったりしたのは個人的には蛇足。病気になったから田中の告白もあったと思うけど、それがなくて、甲本の視点だけで終わっても味わえると思った。
CV -
Posted by ブクログ
ネタバレ私は著者よりは10歳近く年下なので同世代とは言わないものの、それなりに同じ時代を体感している。それだからこそなのか、淡白な文章だけど胸に刺さるものがある小説だった。
放送作家である主人公と、一緒に仕事をしているアイドルグループがメインで描かれた小説なんだけど、何かしらに真摯に取り組んでいる人ってかっこいいよねと素直に思えます。
主人公は権力やら空気に放送作家として終わらされたと書かれているがそれほど怒ってるようにも見えないのは色々と事情があるんだろうななどと思ったりする。
個人的には端々に歌詞が入り込んでくるのがちょっと邪魔に感じた。 -
Posted by ブクログ
“素敵な夢をかなえておくれ“という第1章のタイトルを目にしてから、早速脳内でSMAPのデビュー曲が流れ始め、文章と共に土砂降りの中でデビューを果たしたメンバーの姿が思い浮かぶ。
著者とSMAPの出会い、
モリクンの脱退、
SMAPxSMAP番組の始まり、
リーダーの初紅白司会、
タクヤの結婚発表、
マイケル・ジャクソンの出演、
5人旅の企画(USJや旅館)、
東日本大震災後の対応、
解散生放送
などなどの裏話。
懐かしいと共に彼らの人間らしさが感じられ、SMAPに対する印象がまた少し変わったが、読んでよかった。
特別攻撃的な話なんかは全くないのだが、もしジャニーさんがご存命の頃だったらマネ