上野誠のレビュー一覧

  • 日本人にとって聖なるものとは何か 神と自然の古代学

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    「万葉集」に詠まれた和歌や「古事記」などの記述から、日本人の自然崇拝や万物に宿るとされた神々に対する宗教観を紐解く。古代から培われた我が国独特の情緒、そして天皇家が神を祀り、政を司る重要な存在として崇められてきたことに思いが及ぶ。

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    2015年07月11日
  • 日本人にとって聖なるものとは何か 神と自然の古代学

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    万葉集の研究者である筆者が、表題について論じた本。
    西行の歌にもあるように、「何の神様かわからないけどありがたいなぁ」と思える。思想化されていないのが日本人の宗教観らしい。豊かな自然のなかで、心身で感じるものを大切にして生きるのが、古代的な日本人の在り方なのかも。
    社を再建しようとしていた場所に木が生えてきて切るに忍びなく、それを祀ることにしたとある神社の話が好き。

    ほどなく上野さんがNHK『こころの時代』で、「万葉集を聖典として読む」というテーマでお話されてるのを見ました。聖典とはそこに出てくる人の生き方を見習いたいと思うもの、という言葉に目から鱗。

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    2015年07月02日
  • 日本人にとって聖なるものとは何か 神と自然の古代学

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    ネタバレ

    20150603~0613 日本神話の国つくりの出だしでイザナミが死んじゃうのは、ほっておくとどんどん国土がつくられちゃうからだって。そういえば納得ww「小さき神々」がたくさんいて、時・場所・シチュエーションによってどの神様が優位かが決まる(天皇が「神」にたとえられる時もあれば、他の神々に非礼を詫びたり打ち負かされたり)、ということか。

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    2015年06月13日
  • 天平グレート・ジャーニー 遣唐使・平群広成の数奇な冒険

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    読み始めは堅苦しい歴史考証物かと思ったが、すぐに物語としての作品に引き込まれた。残っている資料をもとにエピソードを並べているのだろうが、どこからどこまでが事実かは重要ではない。奈良時代に唐まで渡ることの困難さ、そこに身を投じ荒波と他国に翻弄される者たちの思いに触れることがこの作品の作品としての価値。

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    2015年02月16日
  • 遣唐使 阿倍仲麻呂の夢

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    さいきん、近代以前の日本と外国との関係に対する興味がふくらみ、関連する本を読んでいます。
    この本は、西暦700年頃に生まれた阿倍仲麻呂の生涯を、万葉集の研究者が検証した一冊。
    中級貴族の家に生まれ、その学識により遣唐使に選ばれた仲麻呂。
    717年頃、唐に渡った仲麻呂は、その目的である学問をさらに重ね、科挙に及第したと言われています。
    唐の宮廷社会の中で人脈を作り、出世していく仲麻呂。
    皇帝の信頼も得た彼が、長い在唐期間を経て選択したのが「日本に帰る」ということ。
    しかしその彼に待ち受けていた運命は・・・。
    当時の「先進国」である唐に入り、李白、杜甫、王維といった一流の知識人たちと交流し仲間とな

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    2015年01月13日
  • 遣唐使 阿倍仲麻呂の夢

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    遣唐使を経て、科挙に及第、皇帝から寵愛を受けるまでの高級官僚になった阿倍仲麻呂。遠い昔にこんな日本人がいたことにまず驚くが、そんな遠い昔を史実を調査し続ける研究者(著者含む)たちの情熱に感嘆する。

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    2014年08月10日
  • はじめて楽しむ万葉集

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    万葉集なんて真面目に読んだのは(読まされたのは)高校の授業の頃であったか。

    「万葉集に集められた歌は、当時の人の生活様式、文化的背景、ものの考えを知る唯一の歴史資料である」
    なるほど。こんな読み方は教わらなかったし、知っていたらもう少し古典の授業が楽しかったかもしれない。

    上野さんは、一つ一つの歌の歴史的背景、当時の文化から一首の内に秘められた人々のドラマを紡ぎだす。学問的に正しいかではなく、思うままに想像の翼を広げた解説(エッセイ)は、圧倒的に面白い。時にあやうい男女の関係まで、万葉の世界がいきいきと広がる。

      白たへの 君が下紐 我さへに
      今日結びてな 逢はむ日のため

    恋中の

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    2014年08月02日
  • 遣唐使 阿倍仲麻呂の夢

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    最近読んだ本のどこかで、
    阿倍仲麻呂と李白等の交流について
    ちらりと触れられていたので、
    改めてその生涯を知りたくなって読んでみた。

    阿倍仲麻呂と言えば、
    遣唐使として唐に渡り、帰国が叶わなかった人、
    ぐらいにしか覚えていなかったので、
    唐での活躍ぶりを知り、驚いた。

    そういえば、唐で重用されたと
    日本史の教科書にも書いてあった気がするが、
    これほどまでとは思っていなかった。

    そして、東の最果てから来た留学生が、
    皇帝の近くにまで出世することができるとは、
    唐帝国の国際性にも驚いた。

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    2014年01月30日
  • 遣唐使 阿倍仲麻呂の夢

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    中国の科挙で登用された文人官僚たちは、四書五経を初めとする基本書の暗誦をベースとする共通知のいわばパターン・ランゲージに支えられて、国政や文芸のコミュニケーションを行う共同体であった、という分析が面白かった。

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    2018年10月14日
  • 大和三山の古代

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    [ 内容 ]
    香具山、畝傍山、耳成山からなる大和三山。
    奈良県橿原市に位置し、いにしえより心の原郷として日本人に愛されてきたこの山々には、人々のどんな思いが込められているのだろうか。
    特定の場所に、神話・伝説・物語・歌は堆積する。
    本書は、それらをとおして、この地に重層した歴史の記憶やイメージを鮮やかに読み解いてゆく。
    清新な切り口で挑む国文学の冒険―そして、古代は新たな姿を我々の前に現す。

    [ 目次 ]
    プロローグ
    第1章 壷の中の銅銭と水晶
    第2章 三山鎮護の思想
    第3章 中大兄の三山の歌
    第4章 香具山西麓の森と泉の物語
    第5章 香具山と時間の発見
    エピローグ

    [ POP ]


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    2010年12月18日
  • 日本人にとって聖なるものとは何か 神と自然の古代学

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    森や川、山の稜線――古代の人々にとってそこは神が宿る場だった。神は遠く天にいるのではなく風の匂いや水のきらめきとして身近に息づく。『万葉集』には山を仰ぎ川を詠む歌が多く残る。自然は背景ではなく神と人を結ぶ対話の相手だった。祭りや祈りは恵みへの感謝と畏れを交わす行為でありその感性は和歌の中で磨かれた。森や海へ足を運びたい。古の歌心が神の気配を再び呼び覚ます。

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    2025年08月14日
  • 感じる万葉集 雨はシクシクと降っていた 角川選書ビギナーズ

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    今、使っている言葉の源流を垣間見ることができました。私の万葉集の知識は、表面的なもので、言葉に着目すると、万葉びとの心に近づけることが分かりました。(蛙の声を聞いて恋人を思い起こすなんて面白い!)

    再び万葉集を読み直したあとで、この本を読んでみたいと思います。

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    2025年03月09日
  • 短歌を楽しむ基礎知識

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    歴史に興味が薄いので、現代短歌についての考察の方がおもしろかった。
    新聞、ネットへの投稿短歌とか。
    あと、月岡道晴「短歌は正しいことを言わなくてよい」というチャプターはドキッとした。
    文学ってそういうもの。

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    2025年01月30日
  • 万葉学者、墓をしまい母を送る

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    介護とは距離(ポーズだけ、本人談)を置いていた万葉学者の上野さん(次男坊)が、お兄さんの逝去(ご病気で)に伴い、否応なく巻き込まれる、年老いたお母さんとの介護の日々。所謂、30日ルールに戸惑うところ、介護は情報戦というあたり、経験者ならではの記述多々あり。40代から50代への、老親との向き合い方マニュアル、ともいえる本かな。また墓仕舞い、お葬式という課題に向き合い、学者として考えたことあれこれも、書かれております。★三つであります。

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    2023年01月15日
  • 万葉集で親しむ大和ごころ

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    万葉びとの歌で喜怒哀楽を表現する業、慣習を易しい言葉で紡がれていた

    現代の日本人の在り方との対比、共通点も踏まえてて、歌垣であぶれた男が自分を抜かれた稗に例えるのを駐禁で切符切られた現代人と並べた学生の回答が面白かった

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    2022年05月03日
  • 万葉集から古代を読みとく

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    ネタバレ

    元号が「令和」となって、書店に「万葉集」本の紹介コーナーのようなのが増えている。改元はちょっとした「万葉集」ブームを引き起こしているようだ。

    しかし、本書はそのブームの前に出された本で、著者は「本書は、普通の『万葉集』の入門書ではない」と述べており、本書は「古代社会において歌とは何か、『万葉集』とは何であったか」を考えるヒント集、提案集としている。

    まず最初に面白いなっと思ったのは、歌の流通チェーンの話。そもそも、今から1300年前の歌が現在もこうして読まれ、語られていること自体不思議な感じがするが、それが著者のいう、この流通チェーンによるものと考えられる。

    古代の歌は、「歌を作る」人だ

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    2019年05月19日
  • 天平グレート・ジャーニー 遣唐使・平群広成の数奇な冒険

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    著者は万葉文化の研究者で遣唐使の物語。史実に近いのではないかな。
    大変な冒険。当時の長安、見てみたい。

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    2018年01月09日
  • さりげなく思いやりが伝わる大和言葉 常識として知っておきたい美しい日本語

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    外資系に勤めている関係上、オフィス内でのメールのやりとりは英語が多くなり、日本語を書くことが少なくなっています。それと並行して、昔は気にかけていなかった「大和言葉」が気になるようになってきました。これも加齢のせいなのでしょうか。

    それは兎も角、この本には、日本人として、常識として知っておきたい美しい日本語が紹介されています。同じように伝えるにしても、日本古来から多くの人に使われてきた、大和言葉には「温かみ」があるように思います。

    ここに出てくる言葉は全部、さりげなく自然に使えるようになりたいですね。

    以下は気になったポイントです。

    ・喜びも「一入(ひとしお)」大きいことだろう。回数を表

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    2017年09月17日
  • さりげなく思いやりが伝わる大和言葉 常識として知っておきたい美しい日本語

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    言葉は時代とともに変化する
    使われなくなってしまった言葉 意味が変わってしまった言葉
    変わるものと
    なくしてはならないものは日本人のこころであると感じた
    相手を思う気持ちがつたわることは大切である必要だ

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    2016年03月10日