Posted by ブクログ
2014年08月02日
万葉集なんて真面目に読んだのは(読まされたのは)高校の授業の頃であったか。
「万葉集に集められた歌は、当時の人の生活様式、文化的背景、ものの考えを知る唯一の歴史資料である」
なるほど。こんな読み方は教わらなかったし、知っていたらもう少し古典の授業が楽しかったかもしれない。
上野さんは、一つ一つの...続きを読む歌の歴史的背景、当時の文化から一首の内に秘められた人々のドラマを紡ぎだす。学問的に正しいかではなく、思うままに想像の翼を広げた解説(エッセイ)は、圧倒的に面白い。時にあやうい男女の関係まで、万葉の世界がいきいきと広がる。
白たへの 君が下紐 我さへに
今日結びてな 逢はむ日のため
恋中の二人にちょっとどっきり。共に夜を過ごした二人、また会うために互いの下着を整えるのは万葉人の習慣とか。
験(しるし)なき 物を思はずは 一杯の
濁れる酒を 飲むべくあるらし
(地方の単身赴任はつらいよ)あれこれなやんでもしょうがない。酒の一杯でものんで憂さ晴らしでもするか!サラリーマンは何時も同じ!
あっ!岩波の「万葉秀歌」は積読状態。