上田秀人のレビュー一覧
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シリーズ第十六弾。
“本多劇場”はまだ続きます。
本多家に遺恨を持つ老中・大久保加賀守が、あの手この手で本多政長を陥れようと仕掛けてきますが、政長翁に上手い事あしらわれている状態です。
ただ、必然的に政長の側にいる数馬も目をつけられてしまう訳で・・。
その数馬の妻で、本多翁の娘・琴を正室に迎えたいと“今更”言ってきた紀州家の動きも気になります。
一方、金沢では本多息子・主殿が、獅子中の虫のあぶり出しと一掃に立ち上がります。
とにかく敵の多い本多家と、それに巻き込まれている数馬ですが、今後どう撃退していくのか、次巻を楽しみに待ちたいと思います。 -
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ネタバレ田沼革命を手伝う両替商・分銅屋仁左衛門
9代将軍徳川家重は言葉が不自由なため大岡出雲守の通訳がないと意思が伝わらない
もう一人の寵臣にして御側御用取次の田沼意次は、家重の父8代将軍吉宗の遺命である金本位制(?)を実行するために両替商と手を結び取り組むのだが、執政である老中が将軍への取次(側用人の業務)を面倒・軽んじてくる始末に憤る
なのに主人公は両替商の用心棒諌山左馬介(鉄扇格闘術家)を草と疑う(あれ?どこのお家だったかな)公儀お庭番の村垣伊勢(おお、名門)は芸者で加壽美と名乗り近づき、違うという結論に至らないため周囲をうろつき、死んだ父親から聞いていなかった会津藩放逐の素性だったと判明するが -
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シリーズ第十三弾にして、完結巻。
将軍家の血を絶やそうとする者たちの存在が明らかになり、その理由を探る為過去の記録を辿っていた良衛は、三代将軍・家光の出生に関わる驚きの真相に辿り着きます。
それは触れてはならない徳川家の闇といえることで、知りすぎた良衛を消すために、漂泊者たちと彼らを束ねる中根新三郎が襲撃してきますが、真野さん達の助力を得ながら撃退します。
さんざん権力争いの渦に巻き込まれて大変だった良衛ですが、その後将軍から寄合医師への出世を命じられ、“矢切に手出しを止めよ”と側近の柳沢さんを通して良衛を狙う政敵に釘を刺してもらったので、ようやく一息つけそうです。お疲れ様でした。 -
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シリーズ第十二弾。
将軍の食事の異常な味付け(塩気が強すぎる)から、将軍家への悪意を察し探索を続ける良衛は、将軍・綱吉だけではなく、その兄の家系である甲府藩にもその悪意が及んでいることを嗅ぎ付けます。
ただ、良衛が探索の為“見舞い医師”として甲府藩の屋敷に赴いた事により、事情を知ると思われる甲府藩お抱え医師が消されてしまいます。
良衛も自分が留守の時に、妻子を狙われて家を襲撃されてしまいますが、真野さん配下の方々の助けで何とか無事でした。
どうも、“漂泊者”を束ねる“中根新三郎”という者が鍵を握っているようで、3代将軍・家光の頃からの根の深さがあるようです。彼らの目的はいったい何なのか、続き -
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シリーズ第十一弾。
大奥で将軍に出される料理に携わる仲居が起こした腹痛に疑問を持った良衛。
将軍・綱吉に目通りし、綱吉の脈などに異常を感じた良衛は、お伝の方に頼み込んで実際に将軍に供される食事を試食したところ、塩気が強すぎる味付けに疑問を持ちます。
この味付けが誰の申し送りだったのか、将軍の体調を視る奥医師たちが何故見逃していたのか(わざとか?)、疑問が募ります。
毎度のことながら、良衛が探索させられ、お約束のように妨害するべく襲撃されてしまうのですが、凄腕の浪人・真野さんが味方になってくれたので心強いですね。
私の中では真野さんはイケメンなのですが、どうなんでしょう。 -
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シリーズ第十弾。
良衛が持ち帰ったとされる和蘭陀の秘術を奪おうと、ついに良衛が思いを寄せる美絵さんが人質として攫われてしまいます。
以前良衛が貸しをつくっておいた浪人の真野さんの助けもあり、何とか無事に美絵さんを取り戻しますが、この騒動の黒幕として、将軍側室・お露の方の実家である房総屋と、義父・今大路兵部大輔の政敵・半井出雲守の存在が浮かび上がります。
房総屋は捕縛されましたが、半井出雲守と争う今大路兵部大輔は、お露の方に代わる側室選定の身体検査を良衛にさせるよう計画します。
そうすると、“良衛が側室を選ぶ”かのように噂が広がり、自分の娘を何とか側室にしたいと目論む旗本たちが良衛の元に殺到し -
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シリーズ第八弾。
良衛に抜け荷の薬草を見られたと勝手に勘違いしている南蛮屋と、良衛が和蘭陀流産科の秘術を習得していると勝手に思い込んでいる房総屋が、しつこく良衛を狙います。
(確かに薬草は見たけど、それが抜け荷のものだとは良衛は全然思っていない)
ついに出島で、オランダ人刺客にも襲われる始末。長崎奉行さんも良衛のトラブルメーカー(?)っぷりにうんざりしている様子です。
そうこうしている内に、将軍の命で急ぎ良衛を江戸に戻すようにとの通知が届きます。
せっかく長崎にきたのに、ろくに勉強できないまま帰らなけらばならないとは、何とも気の毒な良衛です。