松原秀行のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
パスワードシリーズ第17作。
ビネガー6から、レイさんを誘拐したという挑戦状が届き、電子探偵団がビネガー6とパズルを解きながら対決する、いわばリアルRPGの話と、レイさんの学生時代の冒険&謎解きストーリーの2本柱。
レイさんが誘拐されたと言いつつ、ビネガー6との対決のパズルは、パズル自体が楽しくて、危機感はあまりなく、結末もにっこりほんわかな感じです。
レイさんの学生時代の話は、現代俳句が印象的でした。この辺は大人も楽しめるかも。レイさんの話の謎をマコトが解いてしまうのが、なかなか良かったです。先入観に縛られない立場のほうが、視野が広がるのかもしれませんが…(^^)。
細かい伏線が最後にまとま -
Posted by ブクログ
“その瞬間。
クラリと。
めまいにも似た感覚がレイをおそった。あらっ、どうしたのかな、わたし?そのとき、伊藤晶子のアルト声のつぶやきが耳にとどいた。
「龍は怖いですわね、野沢レイさん」
えっ?なにをいわれたのか、レイはとっさに理解できなかった。
「あの……いま、なんと?」
「ほほほ、なんでもありませんわ。では、きょうはこれで」
伊藤晶子は教室の引き戸に向かっていく。あっと、そうだわ。ひとついいわすれたことがあったのを、レイは思いだした。
「山頭火ウォーズ!」
うしろから言葉をなげかける。伊藤晶子の足がとまった。ふり返ろうとはせず、背中ごしに問いかけてくる。
「山頭火ウォーズですって?なんですの -
Posted by ブクログ
パスワードシリーズ第10弾。
前作の『パスワード龍伝説』の続編ですが、別の話としてもちゃんと楽しめます。
前作の事件の続きを解決するためににロンドンに向かったレイと電子探偵団のメンバー。ロンドンで出迎えてくれるはずのアイザック・ホームズは何者かに誘拐され、アイザックは監禁されている場所で彼なりに事件を推理、レイは『パスワード龍伝説』で関係した“伯爵”に呼び出され単独行動しながら推理、そして電子探偵団のメンバーはホームズ家の執事カトーと一緒に赤いドラゴンの謎解きや、誘拐されたアイザックの居場所などを推理。彼らの推理が、最終的にウェールズのリデル城で合流し、過去の作品で出てきた田中一茶青年も登場し -
Posted by ブクログ
“「いっしょにやらない?」
お菊はすごくびっくりしてた。及び腰で、いまにも逃げ出しそうに見えた。こいつはこういうときに遠慮するから友だちができないんだ。あたしはそう思って言った。
「自分から勇気を出して入っていかなきゃ、いつまでたっても自分の居場所は手に入らないよ。居場所は自分で作るもんなんだよ」
ボールを差し出すと、お菊はこわごわといった感じで受け取った。それがお菊が野球の輪に加わるきっかけだった。”
あさのあつこ「ヨキナマ、ヨキナマ」
椎名誠「働く子どもたち」
関口尚「代打の女神様」
宗田理「ネコになった少年」
はやみねかおる「幽霊屋敷にて人喰い鏡を見る」
松原秀行「キャベツ畑のトリケラ