飛浩隆のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
飛浩隆の長篇SF。自我を持つAI達が取り残された残酷の楽園の終末を描く。
美しい描写とうまくフォーカスされた人物の心理表現が際立つ。やや描写の詳細さの度合いがブレる頻度が高く、長期間にわたる執筆期間の影響があるのかな、と感じた。ヴァーチャルな世界を読者に視覚化させるために必要な過程として詳細な描写がなされる部分もあり、読中感は常に官能的とまではいかない。
SFといいつつ、SF的要素は飽くまでガジェットで、その中で展開される風変わりなエピソードが読者の欲望をうまく捉えているように感じる。人によっては、自分の中に眠る破滅願望なり、加虐・被虐願望が映し出されるように感じるかもしれない。
ガジェットや -
Posted by ブクログ
よくよく考えてみると、SFって実はあんまり読んだことないなー。ついていけるかなー、大丈夫かなー。と思っていたのですが、なにやらエレクトロニクス的な難しい単語が飛び交ったりだとかそんなことはなく、どちらからというとファンタジー要素の強い作品だったので読みやすく、そしてなんだか懐かしい気持ちになりました。
小学生の頃、土曜日の昼下がり、ドラクエ3で友達の名前のキャラクターを作って世界を冒険していた時のことを思い出してしまうような、そんな感じ。ちょっと違うかもしれないけどまあ、大体そう。いつだって僕らは何かを懐かしんでいる。というか主にドラクエを懐かしんでいる。
「デュオ」という、結合双生児が天才 -
Posted by ブクログ
前作、グラン・ヴァカンスの続編。
表題作はアンソロジーで先に読んでいたがいまいちピンとこなかった部分があった。だが前作のグラン・ヴァカンスを読んだあとではすっきりした。
グラン・ヴァカンスの続き、別視点からの話なんだなと。あのVR世界の開発者や大途絶の原因の事件を描いている。
いつもどおりの残酷な世界。思うにこのようなVR世界だと世界破滅ものが不自然ではない。んまあ現実世界以上に魅力的なものをもってこないと説得力がないが。
箱庭世界で神として世界をコントロールしたい、徹底的に破壊したいのは人間としての業なのかと読後に考えた。
VR技術として「似姿」という方法をもってくるのは非常にリアルだ。