飛浩隆のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
知らない本を買う時は、ほとんど表紙裏の粗筋しか読まない。著者の経歴や刊行年も見ない。だからSFなのだな、ということしか分からない。
中盤まで読んで、こんなはずじゃなかった、と考え始めた。タイトルから、読み始めた時から受けた印象が大きく覆されてきたからだ。だってヴァカンスだ。海岸沿いのリゾートの長い夏休みなのだ。なのに、痛苦に満ちている。
こんなはずじゃなかった。
でもその考えは、私が読書に期待する喜びそのものである。新しい本を読む時、常に望んでいるのは、これまで読んだことがないものを読みたいということだから。
著者のあとがきには「ただ、清新であること、残酷であること、美しくあることだけは心 -
Posted by ブクログ
イマジネーションの奔流、理性ではなく肌で理解する物語。
鴨が飛浩隆氏の作品を初めて読んだのは、2年前に読んだ「日本SF短編50 V」に収録されていた「自生の夢」。正直言って、まったく訳が判りませんでした。でも不思議と気になって、海外での評価が高いというハロー効果もあってか、この短編集を手に取ってみました。
で、読んでみた感想ですが、正直なところ、やはりよく判らない、と思います。例えばSFを読み慣れていない友人にこの作品を判りやすく紹介せよ、と言われたら、鴨にはできないと思います。ポイントを押さえて巧いこと言語化して要約することが難しい作品だと思います。
元々言語で記述されている小説なのだか -
Posted by ブクログ
おしゃれで品位ある文体で書かれていて、SFファンタジーが
盛り上がっていた頃の元気ある雰囲気を強く感じる短編作品集です。
しかし、古臭いかというとそうでもなく、
特に、表題の「象られた力」が短編ながら、面白いアイデアの作品です。
もっと状況設定を入り組ませて、長編でじっくり読んでみたいと
物足りなく思いました。
とにかく、作品のアイデアにデザインが持つ力や音がもつ力など、
身近にあるものに対して、もしかしたらある特異な力があるのではないか…
という空想科学領域の漠然とした妄想思考の種を
誰もが抱えていて、それをうまくキャッチして作品
にしているなあ、と感じました。
ある一定の共感力で読者