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地球にとつじょ悪魔が現れ、不浄な世界は白く覆われんとしたとき、女、鮫を踏みてこの地に渡りきたりき……SF界の巨匠がおくる、新たなる国創りの物語。五年ぶり、待望の最新作品集。
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Posted by ブクログ
かなり久々の飛浩隆は日常不条理SFというか作中人物の脳内妄想世界というかあり得る生活のちょっとしたバグみたいな感じでおもしろかった 現実にずっと居ると思ってたら実は信用できない世界で、他者理解なんてこんなものかもしれないな
最初の未の木のみ読んだ。これは「君の名は」だな、と感じた。映画よりもっとなまなましいけど。 面白い。評価はその作品のみですが一応。
物語を俯瞰してみることができるのは読者にあらかじめ用意された特権だから当たり前体操なんだけど、やっぱり並行世界がある瞬間に交差したり、それを示唆するシーンってグッときちゃう。おもしろかった!
『自生の夢』以来の短編集。 その間に長編では『零號琴』や、初期作品と評論を収めた『ポリフォニック・イリュージョン』なども出ている。寡作な作家ということもあって久々に作品に触れた気がした。 本作には5つの短編と1つの中編が収められているが、どれも高水準というか、とてつもない作品たちで、一気に読むのが...続きを読む勿体なく感じるほどだった。 プロットの奇抜さ、面白さは勿論だが、その世界を表現する文章の精度というか純度の高さからか読後クラクラと目眩がするような感覚に陥る。 本当にどれも高いクオリティで、印象的な作品たちなのだが、表題作の『鹽津城』が個人的には物語の深さも射程も、より広くて好き。 次作は『廃園の天使』シリーズの続編ということで、めちゃくちゃ楽しみ。
お初の作家さんでした。中短編集。この作家さん、今までなんで知らなかったんだろう。どのお話も、この後どうなっちゃうの〜!と気になって仕方がない。壮大なザ・SFではなくて、日常にいつの間にか入り込んでた非日常みたいな。その入り込み方がちょっぴり生々しいというか、ぬるり、とした薄気味悪さを伴う雰囲気がある...続きを読むのだけど、それがかえってクセになる感じ。別の作品も読みます!
飛浩隆は初読なのだけれど、世界観にやられた。お気に入りは、大災害と40年間政権を握る男の「流下の日」 。1番気になった「ジュヴナイル」は前作『自生の夢』と関係があるらしいのでそっちも読まなきゃ。
SFだと思って読んだら、いい意味で裏切られます。SFではありますが、文章の与える印象が純文学だと思いました。表現が簡潔なのに緻密で美しい、情景がありありと想像できる文章です。
少し不思議な話系のSFでサクサク読めた! 100年後はこんな風になってたりするのかな〜みたいな思いを馳せて読むのが楽しくて、ゆっくり場面を想像しながら少しずつ読み進めていくのが贅沢な時間の使い方ができて良かった! 個人的には中庭の話と最後のシオツキの話が好きだったな〜。シオツキは、現実なのかお話の中...続きを読むのものなのか、それともすごい未来の話なのか、最後にゆっくり溶け合うのが海水は塩と水で別れたけど話はひとつになる感じで上手く言えないけど良かったな〜
表題作の「鹽津城(しおつき)」を含む6編の短編集だが、各作品の長さはまちまち。 作品ごとに描いている世界や設定は違うのだけれど、いずれも読んでいるとなんだかフワフワするような浮遊感を感じる文章であった。ストーリーがあるようなないような作品が多く、理解するというよりは感じるための文章なのかなと。 その...続きを読む中でも「流下の日」はしっかりストーリーラインがあったため、個人的には一番面白いと感じた。
短編集。飛先生の書かれるゾワっとするような妙に嫌な感じがやはり好きだと思う。艶かしかったりグロテスクだったりするのに嫌らしくなく品がある文章にとてもあこがれる。突飛で不思議な展開や設定がまばたきする間にやってくる感じが、軽やかだ。 「未の木」「ジュヴナイル」「鎭子」が好きでした。 けど、表題作「鹽津...続きを読む城」は、いくつもの世界線?が入り混じりすぎて、読むのがわたしにとってすこし大変でした。
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