北野勇作のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
武漢ウイルス蔓延により、はからずも数多の余剰時間が出来まして。
ひさぶりに本でも読もうかなぁ?と。
でも?いきなり中長編はなぁ?と。
ぢゃあ!星新一先生!てのも短絡。
アンソロジーやショート集を読みたいな?と本著に出会い、田丸雅智さんをはじめショートショートの旗手の方々にも出会いました。
ワンルーマー
Dogcom
工場散歩
山へ帰る日
鞍の上で
天文学者の受難
ラプラスの兄妹
砂漠の機械工
ドルフィンスーツ
つなげる思い
田丸雅智先生もですが、特に松崎有理先生の書に好感を覚えました。
峠も越えた感有る武漢ウイルス。
あと少しの?のんびり期間?
数多の書籍を楽しみたく思います(=´∀`) -
Posted by ブクログ
ネタバレどの物語も趣向が凝らしてあり面白かったです。
竹取ではおじいちゃーん!と心の中で叫び通し。
ロミジュリでは、ロザラインって何処にいたっけ?と原作捲ってベンヴォーリオとの会話シーンに会話の中にのみ出てくる令嬢と確認。青年が誰を待っているのかはすぐにピンときてしまったけど、良い締めでした。
羅生門。羅生門ってなんだっけ!?と読み終えてもパニック状態(笑) 面白い。
人魚姫、まさかの……うん、魚類なら仕方ないよね。
シンデレラは、オンノベでもよく題材にされているし、1番アクのない展開でした。
寿限無をどう持ってくるのかと思ったら、冒頭で「!」 そうくるか!
オチでまた「!」 やられた!
名付けって細 -
Posted by ブクログ
「もうどうにもならんだろう」という世界で、都合の悪い絶望的状況は見えないふりをして、可愛い娘の送り迎えに精を出す話。
本当はそれどころじゃないはずなのに、娘を保育園に入れられるかに気を揉んでいるのは、暗喩的で自分の生活の中でも似たようなことが実はたくさんあるのではないか。
これまでに読んだ『カメリ』などと比べると、家族愛というテーマが分かりやすい。
また、『カメリ』はもう人間の社会が行きつくところまで到達している感があったが、こちらは外の世界は普通に機能しているような描写も見られ、より主人公の暮らす世界が不安定な印象を受けた。
そういうの、僕は好きです -
Posted by ブクログ
ネタバレカメリは模造亀(レプリカメ)の女の子。螺旋街の西の外れのアパルトマンで、一人暮らし。石頭のマスターが経営するオタマ運河沿いのカフェで、ヌートリアンのアンと一緒に働いている。カフェの常連は、近所の工事現場で働くヒトデナシたち。毎朝わいわいとやってきて、TVを観ながらカメリが作った泥饅頭と泥コーヒーをうまいうまいと食べてくれる。彼らからもらった赤いリボンが、カメリの宝物。メトロに乗ってマントルの丘にケーキを買いに行ったり、くじ引きに当たってハワイに旅行したり、ノミの市にカヌレの型を探しに行ったり。カメリの日常は、気の良い仲間たちに囲まれて、平凡に過ぎていく。
こうしてあらすじを淡々とまとめると、 -
Posted by ブクログ
会社というか組織、をテーマあるいは舞台にした短編SF連作集。といっても、全体に確たるつながりはあるようでないようで。冒頭と巻末の一篇でくくられて入るものの、果たして登場する「会社」は同一のものなのか。そして社員たちは。繋ぎ止めるのは「クラゲ怪獣クゲラ」。北野SFではおなじみの生物兵器のひとつである。
北野さんの会社SF(サラリーマンSFと呼び変えてもいい)は、一度は会社勤めを経験しておかなければ伝わらない何かがある。ありていに言えば、会社という組織の一部になる、という感覚だ。それが、たとえば松本零士風に言えば「ネジ」や「ボルト」や「ナット」といったピカピカツルツルした硬質なものであるのに対し