北野勇作のレビュー一覧

  • 未来製作所

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    武漢ウイルス蔓延により、はからずも数多の余剰時間が出来まして。
    ひさぶりに本でも読もうかなぁ?と。
    でも?いきなり中長編はなぁ?と。
    ぢゃあ!星新一先生!てのも短絡。
    アンソロジーやショート集を読みたいな?と本著に出会い、田丸雅智さんをはじめショートショートの旗手の方々にも出会いました。

    ワンルーマー
    Dogcom
    工場散歩
    山へ帰る日
    鞍の上で
    天文学者の受難
    ラプラスの兄妹
    砂漠の機械工
    ドルフィンスーツ
    つなげる思い

    田丸雅智先生もですが、特に松崎有理先生の書に好感を覚えました。
    峠も越えた感有る武漢ウイルス。
    あと少しの?のんびり期間?

    数多の書籍を楽しみたく思います(=´∀`)

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    2020年05月18日
  • かめくん

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    かめくんです。それ以上でもそれ以下でもない。宮沢賢治を彷彿とさせるオノマトペが多く、全体的な雰囲気としてはかなり柔らかく読みやすい。ただ、その印象は読み手の心境の投影でしかなかったことが最後まで読めば伝わるだろう。終始一貫して安易なセンチメンタリズムや叙情性に流されることなく、かめくんはかめくんとして有り続けたのには好感が持てる。非日常的な存在の日常は昨今のアニメでも見かける話ではあるが、これはその流行の一端なのかもしれない。

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    2019年05月25日
  • 脇役ロマンス

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    ネタバレ

    どの物語も趣向が凝らしてあり面白かったです。
    竹取ではおじいちゃーん!と心の中で叫び通し。
    ロミジュリでは、ロザラインって何処にいたっけ?と原作捲ってベンヴォーリオとの会話シーンに会話の中にのみ出てくる令嬢と確認。青年が誰を待っているのかはすぐにピンときてしまったけど、良い締めでした。
    羅生門。羅生門ってなんだっけ!?と読み終えてもパニック状態(笑) 面白い。
    人魚姫、まさかの……うん、魚類なら仕方ないよね。
    シンデレラは、オンノベでもよく題材にされているし、1番アクのない展開でした。
    寿限無をどう持ってくるのかと思ったら、冒頭で「!」 そうくるか!
    オチでまた「!」 やられた!
    名付けって細

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    2018年11月08日
  • 未来製作所

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    5人のショートショート作家たちが想像する未来についてのショートショート集。

    ショートショートは、星新一ぐらいしか読んだことがなかったのですが(星新一の本は、100冊以上読みましたが)、いろいろな形がありますね。
    そのことを知ることができただけでも、この本を読んだ意味がありました。

    多くの作品が、ハッピーエンドで終わっているのもよかったと思います。
    もちろん、ショートショートらしいひねりが効いていたことも、その背景にありますけど。

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    2018年10月25日
  • きつねのつき

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    「もうどうにもならんだろう」という世界で、都合の悪い絶望的状況は見えないふりをして、可愛い娘の送り迎えに精を出す話。
    本当はそれどころじゃないはずなのに、娘を保育園に入れられるかに気を揉んでいるのは、暗喩的で自分の生活の中でも似たようなことが実はたくさんあるのではないか。

    これまでに読んだ『カメリ』などと比べると、家族愛というテーマが分かりやすい。
    また、『カメリ』はもう人間の社会が行きつくところまで到達している感があったが、こちらは外の世界は普通に機能しているような描写も見られ、より主人公の暮らす世界が不安定な印象を受けた。
    そういうの、僕は好きです

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    2018年08月18日
  • 未来製作所

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    タイトルに惹かれて読んだ本。
    物づくりと移動がテーマのショートショート。
    ブラックユーモアはあまりないですが、未来はどうなるかなぁと思って読むとピッタリだと思います。
    未来の方向性が感じられる本です。

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    2018年08月06日
  • きつねのつき

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    出だしは「もっと早く読むべきやったか、もうこんなかわいらしい喋り忘れそうや、いや、忘れそうで忘れてへん今やからこそええのか」とか思ったのに、ほのぼの育児話で終わる訳がない、そら北野勇作やもんな。やけどさ、かめくんとかカメリに比べても映像的に(勝手に想像してるだけやけど)キツいものがあるな。

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    2018年08月01日
  • カメリ

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    解説の森見の文章にひかれて購入。

    人がいないディストピア的な世界で人工物たちが人を真似て生活している、という設定。
    世界が常に大きく変わっているのに対して、主人公たちの暮らしは基本的には同じことの繰り返し、というギャップや、倫理観に縛られていないために行動として表れる残酷さが面白い。

    またこの作家の作品を読んでみたい

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    2018年05月03日
  • 脇役ロマンス

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    パロディかと思って読んだら、違いました
    まさに「転生」がぴったり
    話も短いので朝読にも最適!
    ただ、これって、元ネタをしらないでもわかるのかな…?

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    2017年07月02日
  • カメリ

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    SF。ファンタジー。連作短編集。
    ヒトがいなくなった世界で暮らすレプリカのカメの物語。
    『空獏』『どーなつ』と読んで、独特の緩さがイマイチ合わなかった作家さん。今作で遂にヒット!あまりに不思議な世界観にハマリました。
    やわらかSF、一種のディストピアもの、とは言えるものの、なんとも表現しにくい絶妙な読後感。

    自分の言葉では表現できないので、『SFが読みたい!2017年版』64ページより、冬樹蛉さんの言葉をお借りします。
    「"なにかがそこにないこと"のSF性を書かせたら、北野勇作は魔法使いだ。」

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    2017年06月12日
  • カメリ

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    相変わらずの不思議な独特なSF。
    乙女な亀ロボのお話。
    脱力して流れに任せて読まないと、世界観についていけなくなるので注意。

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    2017年05月07日
  • カメリ

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    カメリがカヌレを作っちゃうのとか、オタマに爪を突き刺してしがみつくとか、ヒトデナシが実は主役なんじゃないかとか、カメは夜更け過ぎに雪へと変わるとか、ファンタジーでけっこう心に残ります。

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    2017年03月02日
  • カメリ

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    ふんわりした、優しい文章の裏にキツい世界をチラ見せ、っていう北野勇作ワールド。人間ではなくヒトデナシだけに「さすがに人間でこれやられたら優しい文章言うてられへん」ってこともシレッと。

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    2016年07月21日
  • カメリ

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    ネタバレ

    カメリは模造亀(レプリカメ)の女の子。螺旋街の西の外れのアパルトマンで、一人暮らし。石頭のマスターが経営するオタマ運河沿いのカフェで、ヌートリアンのアンと一緒に働いている。カフェの常連は、近所の工事現場で働くヒトデナシたち。毎朝わいわいとやってきて、TVを観ながらカメリが作った泥饅頭と泥コーヒーをうまいうまいと食べてくれる。彼らからもらった赤いリボンが、カメリの宝物。メトロに乗ってマントルの丘にケーキを買いに行ったり、くじ引きに当たってハワイに旅行したり、ノミの市にカヌレの型を探しに行ったり。カメリの日常は、気の良い仲間たちに囲まれて、平凡に過ぎていく。

    こうしてあらすじを淡々とまとめると、

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    2016年07月17日
  • カメリ

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    本屋で見つけて買った。
    この題名、買っちゃいます。
    しばらく思考がカメリになっちゃいましたが、そんなにはまらないと思う。

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    2016年06月17日
  • かめくん

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     「かめくんはかめくんである。かめくんはかめくんでしかない。」現実離れした設定ではあるが、そこにかめくんが存在していることが普通である空気感。自分の思考はどこからくるものなのか、自己はどこにあるのかなどについて推論しながら日常を生きるかめくんの姿に切なさを感じる。SF小説ではあるものの、科学の進歩やレプリカの精度の高さによって現実と虚構の境界線が曖昧になっていく世界にはリアリティーがあった。その怖さを一見のほほんとした世界観で、独特な擬音等を用いながら描ききる北野さんの、他の作品も読みたくなった。

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    2015年11月29日
  • かめくん

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    シュールでほんわりした世界観。
    語り口が童話的なのも、最後まで読めばなるほどなあと。
    どうしてそうなった、と云う事は具体的には描かれません。
    こちらの想像力で補う作業が楽しいと思えましたが、
    かっちりした、又はゴリゴリSFを求める方には不向きかも知れません。
    解説にもありましたが、SFと云うカテゴリでありながら、
    一編の小説としても非常によく出来ていると思いました。泣けます。

    個人的には猫の肉球の描写がグッときました。
    表紙のミワコさん(だよね?)のふんわり感も素晴らしいです。

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    2015年04月30日
  • 社員たち

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    会社というか組織、をテーマあるいは舞台にした短編SF連作集。といっても、全体に確たるつながりはあるようでないようで。冒頭と巻末の一篇でくくられて入るものの、果たして登場する「会社」は同一のものなのか。そして社員たちは。繋ぎ止めるのは「クラゲ怪獣クゲラ」。北野SFではおなじみの生物兵器のひとつである。

    北野さんの会社SF(サラリーマンSFと呼び変えてもいい)は、一度は会社勤めを経験しておかなければ伝わらない何かがある。ありていに言えば、会社という組織の一部になる、という感覚だ。それが、たとえば松本零士風に言えば「ネジ」や「ボルト」や「ナット」といったピカピカツルツルした硬質なものであるのに対し

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    2014年01月09日
  • 社員たち

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    地中深くに沈んだ会社。社長の愛した怪獣クゲラ。卵になった妻。あっぱれ! 大卒ポンプ。不景気なのか戦時下なのか、今日を生き抜く社員たち。北野ワールド全開! 超日常の愛しい奇想短編集。

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    2013年12月27日
  • 社員たち

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    何か起こってるはずなのに普通。
    普通なのに何かがおかしいような気がする。
    怪獣が出る。
    いつの間にかえらいことが進行している。
    足元が、背後が、何となく揺らぐような感じ。
    当たり前だと感じていたことが、そうではなくなってる。

    可笑しくて、何となく切なくて、夕焼けっぽくて、
    『ウルトラQ』な感じの詰まった短編集でした(^^)。

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    2013年11月10日