北野勇作のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
設定は微妙に『進撃の巨人』。
グロさも然り。
「とお」と呼ばれる私、娘の春子、「かあ」と呼ばれる肉の塊。
変わり果てた町に住む異形のモノたちが願う、ふつうのひび。
たった一人、春子だけがすくすくと成長しているように見える、哀しくて美しい物語。
訳は分からないけど、やたらぞわぞわ恐ろしいけど、どうか春子がしあわせでいますようにと願わずにはいられない。
臭いものにフタをされた、その中の世界。
でも、その世界にはまだ「生?」があった。
西島大介のイラストがぴったり。
初めて西島大介を読んだときの感覚に通ずるものが潜んでいるようにも思った。
こういう不安定な小説は、途中で諦めてしまうことが -
Posted by ブクログ
日本のSF小説の中で連綿と受け継がれるナンセンスの世界と
現代の感性がいいあんばいで混ざり合った、
派手さはないけどしっとり読める良作SF小説。
なんだか判然としない目的のために作られた
ロボット的な何かであるはずのかめくんに
自分を投影してしまうのが不思議。
からっぽなかめくんだからこそ
誰にでも共感できる構造になっているのかもしれない。
かめくんが自分自身のこうらの内側を見るように
読者も自分の内面に目を向けることになる。とか。
最後にかめくんが人と同等に暮らしていくことを
困難にしていたひとつの要因がはっきりするのだけど
なんというのか、哀しい愛しい感じにぎゅっとなります。
かめ