北野勇作のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
大災害後、遺体安置所で知り合った女性に連れられ、やってきた人面町。
彼女を妻とし、暮らし始めた作家“わたし”の奇妙な日常生活。
ホラー文庫の連作短編集で、それぞれに「鱗を剥ぐ」だの
「耳を買う」といった、いかにもな副題がついてるけどホラーの味わいはそんなに強くはない。
そこはかとない恐怖はちりばめられてるものの可笑しみのある文章と
昭和の匂いがするどこか懐かしい人面町のイメージが穏やかな読後感を残す。
人面町はどこかズレた不思議な町で毎度“わたし”は
怪しげな人物、奇妙な生き物、怪現象に遭遇するのだが
とまどいながらも妻に丸め込まれたりしながら日常として受け入れてゆく。