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大災害に被災し、行き場を失った男が遺体安置所で出会った不思議な女――。いっしょに来る? その言葉に導かれ、女の故郷人面町で、いつしかともに暮らし始めた男が出会うこの世のものとは思えぬ異形のものたち。そして、曖昧な記憶の糸をたぐりよせ、男がたどりついた、哀しくも酷いあの日の事実とは!? 日常のすぐそばで、ひたひたと迫る恐怖を描く逸品。
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Posted by ブクログ
大災害後、遺体安置所で知り合った女性に連れられ、やってきた人面町。
彼女を妻とし、暮らし始めた作家“わたし”の奇妙な日常生活。
ホラー文庫の連作短編集で、それぞれに「鱗を剥ぐ」だの
「耳を買う」といった、いかにもな副題がついてるけどホラーの味わいはそんなに強くはない。
そこはかとない恐怖はちりばめられてるものの可笑しみのある文章と
昭和の匂いがするどこか懐かしい人面町のイメージが穏やかな読後感を残す。
人面町はどこかズレた不思議な町で毎度“わたし”は
怪しげな人物、奇妙な生き物、怪現象に遭遇するのだが
とまどいながらも妻に丸め込まれたりしながら日常として受け入れてゆく。
SFのティストが強い作品なんだけど不思議なものを不思議なままで
放り出した感覚はなんとも新鮮だった。
とりわけ“わたし”が喫茶店で原稿を書いていると
巨大な鶏が闖入してくるくだりはあまりのシュールさに大爆笑。
どの話もはっきりした落ちがなく全編読み通しても
人面町はぼわーんとした印象のままで心に引っ掛かる。
日常生活が不思議に満ちたこんな町で
気さくな奥さんと暮らすのはきっと楽しいだろうなあ。
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