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Posted by ブクログ
北野SFの原点にして、一つの到達点であり、後の北野勇作のすべてが集約された傑作物語。
また、2000年代の日本SF復活の幕開けとなる長編の一つ。
10年ぶりの再刊で読み返したけど、10年間に北野勇作の作品をいろいろ読んだので、10年前より作品がより理解できるようになったと思う・
背景レイヤにかなりハードなSF設定があるのに、その前景レイヤに日常とノスタルジーを感じさせる風景、どこかずれているけどほのぼのとした優しい世界。
それを描き出す作者の文章が考え抜かれ、でもなんか読みやすく、擬音の巧みさもあり、淡々と進むけど奥が深い小説。
この風景がカメモリのどこかにひっそりと冬眠して、いつかかめくんが少しの懐かしさとともに夢でもいいから思い出してくれることを思いながら、ラストでまた少しく泣いた。
とにかく読んで欲しい、かめくんのお話です。
Posted by ブクログ
不思議な世界観。
いえ、SFの設定としては決して珍しいものではないのですが。
かめくんは「レプリカメ」です。
亀に似せて作られました。
人に混じって生活していますが仕事や生活面で弱い立場です。
作られた存在ですがりんごやパンの耳を買って食べます。
口がきけなくてワープロを使って会話します。
そういったことから、
どちらかというと受身で周囲の人たちを観察している感じ。
でも内面でいろいろな事を不思議に思い、常に考えています。
そんなかめくん視点で語られる世界は静かで優しく、でも切なくて。
そしてよく考えると怖い。
淡々とかめくんの生活が語られていく中で、
底知れない不安と悲劇の予感がじわじわと効いてきます。
表紙の男の子(?)はかめくんだと思われます。
そのイメージで読みました。
でもよく考えると見た目は亀のようで甲羅もあるんですから、
まったくの内面的イメージということですね。
イヤリングのりんごも、
りんごが好きで食事として食べる場面が何回かあったりして。
象徴的。
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