感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2015年09月24日
やわらかい文章、キャラクターの中にとこらどころにゴリゴリしたものが隠れてる。キャラクターはみんな優しいのに隠れてる世界は優しくなさそう。でも優しくなさそうな部分は隠れていてよく見えない。気になるけど霞の向こう。
Posted by ブクログ 2013年07月13日
大阪で暮らすロボット「かめくん」の目を通して、ちょっと不思議な世界を描く。
『日常系SF』と呼んでもいいだろう。
いや、ライトノベルのレーベルから発売された作品が日本SF大賞を受賞したのだから、『日常系ラノベSF』と言うべきか。
切ないラストが涙を誘うが、何度も読み返したくなる。
Posted by ブクログ 2013年04月07日
SFだと言われても最初ピンとこなかった。
ただ、物語全体にわたって、諦念と不安感がつきまとい続けていて、それが、少しほのぼのして見える「かめくん」の語り口とミックスされて、読み進めずにはいられない原動力になって、夢中で読んでしまった。
カメの哲学と世界観は難しくて直感的で面白い。
不思議な物語だった...続きを読む。
SFなんだろう。
せつなくて、面白かった。
Posted by ブクログ 2012年09月27日
ああ、10年前に読めていたら良かったな。こんな面白い小説があったなんて。復刊で出会えてほんとうに良かった。
微笑ましいんだけどなんだかかなしくて、いつのまにかかめくんの目線で世界を見ている。少しだけ泣く。この小説世界に浸っていたい。
Posted by ブクログ 2012年08月10日
北野SFの原点にして、一つの到達点であり、後の北野勇作のすべてが集約された傑作物語。
また、2000年代の日本SF復活の幕開けとなる長編の一つ。
10年ぶりの再刊で読み返したけど、10年間に北野勇作の作品をいろいろ読んだので、10年前より作品がより理解できるようになったと思う・
背景レイヤにかな...続きを読むりハードなSF設定があるのに、その前景レイヤに日常とノスタルジーを感じさせる風景、どこかずれているけどほのぼのとした優しい世界。
それを描き出す作者の文章が考え抜かれ、でもなんか読みやすく、擬音の巧みさもあり、淡々と進むけど奥が深い小説。
この風景がカメモリのどこかにひっそりと冬眠して、いつかかめくんが少しの懐かしさとともに夢でもいいから思い出してくれることを思いながら、ラストでまた少しく泣いた。
とにかく読んで欲しい、かめくんのお話です。
Posted by ブクログ 2012年08月09日
優しくて、温かくて、どこか懐かしくて、
そこはかとなく不安さを感じるおぼろげな世界。
SFだしファンタジーなんだけど、相手はかめなんだけど、
かめくんが感じている「不確かさ」には、共感を覚えてしまいます。
ちょっと哀しいけれど、ゆったり浸っていたい
ほんのりとあったかい世界ですw。
Posted by ブクログ 2017年10月14日
不思議な世界観。
いえ、SFの設定としては決して珍しいものではないのですが。
かめくんは「レプリカメ」です。
亀に似せて作られました。
人に混じって生活していますが仕事や生活面で弱い立場です。
作られた存在ですがりんごやパンの耳を買って食べます。
口がきけなくてワープロを使って会話します。
そうい...続きを読むったことから、
どちらかというと受身で周囲の人たちを観察している感じ。
でも内面でいろいろな事を不思議に思い、常に考えています。
そんなかめくん視点で語られる世界は静かで優しく、でも切なくて。
そしてよく考えると怖い。
淡々とかめくんの生活が語られていく中で、
底知れない不安と悲劇の予感がじわじわと効いてきます。
表紙の男の子(?)はかめくんだと思われます。
そのイメージで読みました。
でもよく考えると見た目は亀のようで甲羅もあるんですから、
まったくの内面的イメージということですね。
イヤリングのりんごも、
りんごが好きで食事として食べる場面が何回かあったりして。
象徴的。
Posted by ブクログ 2024年02月08日
カメはなぜか好まれている。
助けたカメは竜宮城へ連れて行ってくれるし。
ガメラは子どもの味方だし。
ウサギにだってかけっこで勝つし。
「亀は意外と速く泳ぐ」って題名の映画まであるし(意外って言われるのも心外)。
「この宇宙のすべては、たったふたつの要素に分けることができる。すなわち、甲羅の内と外...続きを読む」
分かるような分からないような……ま、いいか。
かめくんはかめくんであって、カメではないのだから……,
Posted by ブクログ 2019年05月25日
かめくんです。それ以上でもそれ以下でもない。宮沢賢治を彷彿とさせるオノマトペが多く、全体的な雰囲気としてはかなり柔らかく読みやすい。ただ、その印象は読み手の心境の投影でしかなかったことが最後まで読めば伝わるだろう。終始一貫して安易なセンチメンタリズムや叙情性に流されることなく、かめくんはかめくんとし...続きを読むて有り続けたのには好感が持てる。非日常的な存在の日常は昨今のアニメでも見かける話ではあるが、これはその流行の一端なのかもしれない。
Posted by ブクログ 2015年11月29日
「かめくんはかめくんである。かめくんはかめくんでしかない。」現実離れした設定ではあるが、そこにかめくんが存在していることが普通である空気感。自分の思考はどこからくるものなのか、自己はどこにあるのかなどについて推論しながら日常を生きるかめくんの姿に切なさを感じる。SF小説ではあるものの、科学の進歩や...続きを読むレプリカの精度の高さによって現実と虚構の境界線が曖昧になっていく世界にはリアリティーがあった。その怖さを一見のほほんとした世界観で、独特な擬音等を用いながら描ききる北野さんの、他の作品も読みたくなった。
Posted by ブクログ 2015年04月30日
シュールでほんわりした世界観。
語り口が童話的なのも、最後まで読めばなるほどなあと。
どうしてそうなった、と云う事は具体的には描かれません。
こちらの想像力で補う作業が楽しいと思えましたが、
かっちりした、又はゴリゴリSFを求める方には不向きかも知れません。
解説にもありましたが、SFと云うカテゴリ...続きを読むでありながら、
一編の小説としても非常によく出来ていると思いました。泣けます。
個人的には猫の肉球の描写がグッときました。
表紙のミワコさん(だよね?)のふんわり感も素晴らしいです。
Posted by ブクログ 2012年09月15日
カメ型アンドロイド的な“レプリカメ”のかめくんの日常。
日常と言っても理由がよくわからないけど木星で戦争が起きていて、かめくんは仕事の合間に機械亀を操縦してザリガニと戦ったり、阪堺電車(らしき路面電車)が木星につながってたりする世界。
ノスタルジックでゆるーい雰囲気なのに、どことなしに不気味さを覚え...続きを読むたりした。かめくんたちの意思や記憶は、人が勝手に書き換えたりして良いものなのだろうか、とか。そういう意味で三章が一番興味深かった。
難しいことを考えずに、ゆるっと読むのが正しい気もした。
Posted by ブクログ 2012年09月08日
なんとも言えないノスタルジックな雰囲気をもった作品。一見日常っぽいお話の背後に隠れ見えるSF的な要素。物語中における現実と虚構の境界が曖昧になっていくような不思議な感覚。
読むのには少々手こずりました。この作品の本当の意味でのおもしろさ、奥深さを読み取るためには、少々のSF者の素養が必要なようです。...続きを読む私では少し足りなかったみたいです。
Posted by ブクログ 2022年08月19日
のほほんとしたストーリーながら、変な生物との戦い、メカであるかめくんの特殊さなど想像の余地の大きい、SFのようなファンタジーのような物語でした。
Posted by ブクログ 2012年12月04日
2001年度日本SF大賞。つまり、こんなかわいいタイトルでSFなのだ。目次で和む。めかめ。かめもりー。かめーる。レプリかめのかめくん。淡々として透明感のある、しかしうっすら哀しい話。謎は謎のまま。
個人的にはやや物足りなかった。これはこれで大変味わい深いが、個人の好みとして、異形の物語にはもう少し濃...続きを読むい味付けを希望。
Posted by ブクログ 2012年10月10日
登場人物は皆どこかしらとぼけた
発言をしているけれども、
実際にかめくんの周りで起きていることは
「となり町戦争」のような
恐ろしいことなのかも。
そもそもかめくんの思考上の世界かもしれないが。
メカメがザリガニイを捕食するシーンは
エヴァンゲリオンを思い出した。
かめくんとチンチラの同居生活は...続きを読む
視覚的に想像すると和んだ。
このお話をアニメーション化したら
独特な雰囲気出るだろうな。
かめくんの推論を逐次
視覚化していくと面白そう。
Posted by ブクログ 2012年09月27日
2012.9.25
【経緯】
ぺりこさん推薦
【内容メモ】
かめくん
レプリカメ
SF 木星戦争
世界は甲羅の内と外で構成されている
かめに似てるね
【感想】
戦争のために作られたレプリカメ。
戦争が終わり、目的を無くしたアンドロイドはこころを持ち、じぶんの考えを持ち、生きていけるのか。
その...続きを読む思考も生き方も作られたものなのか。
哲学的なテーマなのに、それを押し出さないという珍しいSF。
でもただの無意味なゆるふわ日常というわけでは決してない。
音がいい。
にくきゅうううう
Posted by ブクログ 2012年08月22日
日本のSF小説の中で連綿と受け継がれるナンセンスの世界と
現代の感性がいいあんばいで混ざり合った、
派手さはないけどしっとり読める良作SF小説。
なんだか判然としない目的のために作られた
ロボット的な何かであるはずのかめくんに
自分を投影してしまうのが不思議。
からっぽなかめくんだからこそ
誰に...続きを読むでも共感できる構造になっているのかもしれない。
かめくんが自分自身のこうらの内側を見るように
読者も自分の内面に目を向けることになる。とか。
最後にかめくんが人と同等に暮らしていくことを
困難にしていたひとつの要因がはっきりするのだけど
なんというのか、哀しい愛しい感じにぎゅっとなります。
かめくん。君は・・・。
Posted by ブクログ 2012年08月17日
文と表現が平易ですいすい読める。
木星に気軽に?行けて、エビとカメが宇宙戦争しているりんごのような世界。
一読して、カメを書きたかったんだなー、と分かる。あとがきもそんな感じのことが書いてある。
意識だとか、記憶だとか、アイデンティティとかは色々書いてあるけど、正直おまけでしょう。
擬音?という...続きを読むか、叫び声に特徴がある。
かああああああああああああああああああめええええええええええええええええええええ、とか
2001(2010)年宇宙の旅、アンドロイドは電気羊の夢を見るか、が出てくる。
2001年は木星、アンドロイドはレプリカント関係。