北野勇作のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
100文字で描き出されるSFの世界。不思議で、奇怪で、怖くて優しい。そんな世界があなた達を待ち構えています。 この船に乗り込めば、楽しい時間を過ごせることは間違いなしです!
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100文字シリーズ(正確には別もの)のSFにポイントが絞られているこちら。100文字という短い中で語られる精緻な物語。笑える話、ギョッとする話などSFと一口にいっても様々でいろいろな体験ができるので大変お得。 SFが苦手な人でも気負わず読めるのもいい感じである。
特にお気に入りの話は、廃棄されたブロック塀に立てかけられている黒板の話。その黒板には何かの数字の推移が書かれているのだが、何を現しているのかは不明。分 -
Posted by ブクログ
著者のTwitterで毎日更新している「ほぼ百字小説」のなかから200篇を抜粋した掌編小説集。
15字×7行の正方形に近いフォーマットに、1ページに1篇ずつのレイアウト。元は1ツイート140字以内に収めるための制限が、紙に印刷されることで詩情を放ちだす。
北野さんの作品を読むのは初めて(Twitterでほぼ百字小説はたまに読んでいる)だが、この人は亀をトーテムにでもしているのだろうか。亀の登場回数がやたらと多い。それと学校や子どものでてくる(一見)ノスタルジックな話、特撮関係のモチーフもよくでてきて、ほぼ100字という形式もあるためか笹公人の〈念力〉短歌シリーズを連想せずにはいられない。制 -
Posted by ブクログ
・一篇100文字のSF小説がいっぱい。ファンタジーとしてもいいかもね。夜見た夢の話を聞かされているようでもある。それらしく、おもしろくもありタイクツでもある。
・まあ、発想集のようなものか。人気作家がやるから喜んでもらえるといった類いの本。
・だんだんアフォリズムっぽくなっていくようで、そこはマイナス。
・気に入ったのは、花瓶の中で死んだ妖精の話。坂道の商店街の話。ダムの底の村の話。シャボン玉の中で暮らす話。好きだったあの坂の町の話。いい空き地の話。落ちた宇宙ステーションの話。不完全な神の卵の話。未使用テイク集の話。地獄の観測の話。地下に広がる砂漠の話。妻の形の空白。渦を飼っている話。 -
Posted by ブクログ
twitterの様に限られた文字数で満足のいく表現をするのは極めて困難なのに、SF的な内容で纏め上げるのはかなりの高等技術が必要。俳句・短歌では無理だし、これが約2,000の作品からの抜粋であることも驚き。重複するアイディアもあるかもしれないが、それらを書ききることにもある意味凄さを感じる。短編のネタ帳とすれば、かなりのアイディアをお持ちなので、その方面での執筆もお願いしたい。もしかしたら、結果的に他の作家さんにもアイディアを提供してしまったことになったかもしれないが、それはそれで業界にある意味での影響を与えた考え方・作品になったと信じたい。