北野勇作のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレおもしろかった。
途中まではどこかsfっぽいスケールの大きさを感じさせつつもかめくんの何気ない日常を描いていたが、終盤でのは少し背筋が寒くなるような展開になっていて思わず鳥肌がたった。
また、さいごにこの小説がかめくんが書いたものであると分かった時、一気にこの作品が切なさを帯びるのが印象に残った。
周りの人物はかめくんと一定の距離をとっていて、それゆえなのかお互いの関係が身軽なのが私にとっては心地よかった。そのなかで、時折彼らが見せるかめくんを気遣う描写が愛おしく見えた。
バットエンドのように捉えられるが多いと思うこの小説。
私も同意見だが、くらげ荘に移ってからは、少なくともかめくんは幸福に -
Posted by ブクログ
ネタバレ好きなポッドキャスト「謎解き!ハードボイルド読書探偵局」で一編ずつ精読する読書会が行われていて(あと3編は配信まだ)、正直そっちを愉しむために読んでみようか、という不埒な動機だった。
が、えらく面白くて、大好きになった!
北野勇作さんは「NOVA」などアンソロジーで数編読んだだけ。
朝宮運河・編「宿で死ぬー宿泊ホラー傑作選」の「螺旋階段」という映像化不可能な異形の短編が印象深かった。
本作のカバーでキュートなイラストが描かれているので、読みながらついつい漫画化するならスケラッコかな~とか、つばなかな~、いや諸星大二郎かも、とか想像していたが、おそらく本作も映像化不可能……というか、キャラクタ -
Posted by ブクログ
妄想癖のあるようなタイプの読書家にのみ(ここ大事)オススメできる変な本。
文字数が少ないということは表現できることに大きく制限がかかるということ。そのため、何を言っているのかよく分からないというような文章になりがちなのにも関わらず、しっかりまとめられていてビビる。SFというジャンルもあって、サラッと読んでしまうと「何のこっちゃ??」となるのも仕方ない。じっくり読むべし。
この本は、自分なりの解釈を、余白にどんどん書き込んでいくのが面白い。はじめからそうすることを想定されているかのように余白が配置されているのもいい。「正しい解釈なんかどうでも良い、自分なりに解釈しながら楽しむのが読書だ!」な -
Posted by ブクログ
さて困りました。これをどう紹介したらいいものか。そんなこと、言われたほうが困るとは思うのですが。内容が内容なので、説明がどうにも難儀である。でもとりあえず、何とかやってみようと思います。
というわけで、北野勇作著『100文字SF』。名は体を表す、読んで字のごとく、そのままずばりの内容で、著者がTwitterで綴ってきた(そして今もなお書き続けている)ほぼ100字の小説集です。
もとはといえば、キノブックスから『じわじわ気になる(ほぼ)100字の小説』という児童書のシリーズとして刊行されていましたが、担当編集者の退職を機に、方針の変更で打ち切りとなってしまったとのこと。
その後もT