冨山和彦のレビュー一覧
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ネタバレ○デジタル革命がバーチャルの世界からリアルな世界へ移ってきており、「シリアス」(人の命に関わる)(自動車、機械、重電、サービス業、農業)へ。
○インダーストリー4.0は生産管理をIoTによって個別の工場や企業の枠組みを超えて最適化し、資産の活用効率や回転効率を飛躍的に高めようとしている話にすぎない(在庫などの流動資産についてはトヨタのカンバン方式と同様であり、固定資産であればシェアリングエコノミーのようなもの)。
○デジタル革命ではビジネスサイクルの短命化、製品・サービス・機能のモジュラー化、スマイルカーブ現象、小さいこと・若いことの優位性の向上、トップの経営力の時代はほぼ確実に起こる。
○日本は人手不足であるためAIによる労働代替を進めるチャンス。ロボット好き文化(宗教的タブーなし)も逆に無駄につながる可能性はある。
○多くの先端技術領域で、開発競争は既存の企業単位での競争要因ではなくなっている。世界中の多様な投資機会をポートフォリオ的にとらえて投資管理する能力を競う世界へと変質している。
○ハードウェア技術に関してはクローズド型組織のほうが有利であり、比較的同質な集団が長期間にわたって連続的に働く日本企業が有利。
○ローカル型産業、中小企業こそがAIによる労働生産性工場の恩恵を受けられる。
○伝統的なターゲティング政策は通用しない。他方でレッセフェールであっても市場は失敗し、企業単位の最適化が国民経済的な全体最適につながるとは限らない。国の役割は、それぞれの事業者が唯一無二の独自路線をいくことを歓迎すること、すなわち、余計な指針やターゲットを設定しないこと。次に規律が経営に働くような制度整備すなわち企業統治の強化が必要。破壊的イノベーションを無理に押さえつけても世界の別のところでそれを達成したプレイヤーに国内の既存プレイヤーは滅ぼされることを歴史が証明している。イノベーターがいち早く社会実装に挑めるように規制改革などの制度整備を行うことや、産学連携・産学協働を含めたイノベーション
・エコスシステムの整備が(攻撃は最大の防御の観点から)重要。
○企業は、超優秀な人材が楽しんで働ける環境を用意するべき。そうした人材は一つの企業に固執しない。
○一握りのグローバルエリート以外はローカルに居場所を見つけられるようにすべき。国の7、8割の経済はローカルな産業が占める。Gの世界とLの世界はますます分断されていく。
○歴史的に見れば、人間にとって快適なことが仕事になっていく。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ地方消滅を読み、それに対する施策も気になったため。
「まとめ」
・地方はミニチュアの東京ではなく、あくまで地方独自の優位性を目指すべきである。
・対して東京は世界の先進各国に負けないグローバルな都市を目指していくべき
・上記二つの住み分けがあるため、その輩出機関としての大学も、その役割を見直す時期にきているのでは?
「感想」
・結局地方のイノベーションは地方の人材にしか起こせなく、仮にコンサルなど外部から起こしても本質的に意味がないと考えている。そのあたりも踏まえて、短期長期それぞれの具体的な人材戦略をもっと深掘りして欲しかった。
「学び」
結局戦略を実行できるのは、ヒトモノカネ情報が必要分揃った時なのではないかと感じ、こと地方に関しては今後物事をかんがえるときそこまで説明することで説得力を持たせることができると感じた。 -
Posted by ブクログ
業績改善のためのノウハウや、陥りがちな失敗例をふんだんに盛り込んだ企業の事業再生と成長のための本です。
経営には素人なので(あたりまえ・笑)特に前半は難しかったし、私の仕事に直接役立つものではないけれど、「分ける化」「見える化」の考え方を知ったこと、PDCAの大切さを再認識したことは私にとって有益でした。
また、「ダメになる地域企業の死に至る病」の章には
・いつも腹が据わらない病
・引き続き検討しましょうが口癖病
・俺はジャイアン病
・裸の王様病
・派手好き・見栄っ張り病
・独裁経営の死に至る病
・沈黙は金なり?病
・幹部と若手で断層が生まれている病
などが具体例としてあげられており(想像つくでしょ)、笑えたけど笑えませんでした・・
また、銀行との付き合い方の章は、そういう場面をまじかで見てるので、とても興味深く読むことが出来ました。
経営者の苦労もね、いろいろあるなあ、と少し視野が広くなった、かな。 -
Posted by ブクログ
全体的には、地域経済活性化、地方創生を考える上で、新しい視点を提供しており、書籍的価値は大きいと思いました。特に、市場をG(Global)の経済圏とL(Local)の経済圏に分け、やるべきことは違う点を指摘しているところは秀逸だと思いました。
タイトルは、「なぜローカル経済から日本は甦るのか」となっており、主題はローカル経済についてであったが、氏の述べる部分に少し賛同できないところもある。それは、企業の集約化による寡占的独占を目指す部分である。
氏の主張の基本的な部分は、企業の「集約化」にある。なぜかというと、日本は人口減少局面に位置しており、需要が減るとともに生産年齢人口は減っていくことによる労働力不足を解消しなければならないからである。しかし、現在のローカル経済圏では第3次産業のサービス業が大部分を占めているが、労働生産性がとても低いため、労働力不足を解決するために、労働生産性を上げるべきだと述べている。そのためにも、企業の穏やかな退出をはかり、企業の集約化を進めていくことで、全体的な労働生産性を上げていくことがポイントであると述べている。
これは一面的な発想ではないだろうか。たしかに、「地域経済」を数字のみで見ていけばそのような発想になるだろうが、大事なのは「実生活も含めた経済のあり方」だと考える。なので、逆に自営業をどれだけ増やせるかどうかがポイントだと考えている。働くこと=従業員というのは、都市部で働くことと何ら変わらない。地方の戦いは、氏の言うように、「県大会上位を目指す」ことであり、グローバルで戦うことは「オリンピッックチャンピオンを目指す」となると、どうしてもビジネスマンには都市部に行ってしまう。これから地方が魅力的な場所になりえるには、生活も豊かにその地域で価値をだせるひとを呼び込めるかどうかにかかっていると思うのである。 -
Posted by ブクログ
前作が話題作であったため、その続編ということで遅ればせながら読んでみました。前作の著者である増田寛也氏と企業再生の分野で著名な冨山和彦氏の対談という形式です。
少し物足りないというか、前作がデータを基にした予測と処方箋という内容であったし、創生戦略と銘打っていますので、もう少し具体的な内容が書かれているのか思いましたが、そういう面では若干期待していた内容とは違ったかな、という印象です。
前作は賛否ありましたが、人口動態はある程度決まった将来像が見えてきます。そのため、これを前提とした対策・政策の必要性は大いに感じます。
引き続き、注目していきたいと思っています。
・(増田)地域の企業や住民に日としてく対応しなければならない行政にとって、「選択と集中」は難しい課題
→民間の力を積極的に考えていくべき
・(増田)まず「しごと」をつくり、「ひと」を集め、「まち」を整えるというのが順序
そのためには雇用の「量」だけではなく、「質」も考慮することが必要
・(冨山)幸せの状態の核にあるのは、その地域に産業があって、仕事があって、活躍できる場があること
人間はいくつになっても「人に必要とされている」感が大事
都会の大企業の病理というのは、人員が量的にも質的にも偏在しているので、能力の高い人が「必要とされていない」感にさいなまれること
・(冨山)地方創生の本質は、結局、地域それぞれが持っている比較優位にどこまで集中できるかということ
東京は東京らしさを追求すべきだし、盛岡は盛岡らしさを追求したほうが、日本のトータルの経済も大きくなって、生産性も上がる
・(冨山)アベノミクスが目指す持続的成長のカギは、ローカル経済圏の生産性をどれだけ伸ばせるか
<目次>
第1章 消滅危機の実態とチャンス
第2章 L型大学から地方政治まで―地域のために何ができるか?
第3章 地方発イノベーションの時代 -
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株式会社ニッポンの栄光と挫折。
低迷の原因は3つ
・グローバル化に立ち遅れた。人間は成功からは学べない。
・デジタル革命の波に乗り遅れた
・ムラ型メンタリティが改革を阻んだ。
80年代大成功した日本はその成功体験があるがゆえ、ゲームのルールが変わり時代の変化についていくことができなかったということか。
この20年でぐるっと1周回って日本企業のもつ強みが活かせるモードに戻ってきた。
まずは厳しい「あれかこれか」できるようになることが、新しい「すり合わせ」時代の競争で覇権を取り戻すための必須の条件である。
あとビジネススクールで学んだことで一番約に立ったのが簿記だとは意外だった。 -
Posted by ブクログ
GとLの異なる実情を分けて検討することの有用性。
GとLの分断は実情としてそのとおりであるが、それを促進させることに未来があるか。
G
・規制緩和、ガバナンス強化とセットで法人税引き下げ
・現場力を活かす本社力の強化
→思い切り手を抜くところ 例 本社システムの作り込み
→意思決定の多様化(内部人材と外部人材の得手不得手)
・グローバルルールの適用
☆ 率先か後追いか
・公的けんきゅうきかん、大学の役割の増大
・国内産業への波及を考えた国際化 例 和食普及と日本食材、酒類の輸出の連関
L
・雇用の実態を正確に把握する
→経済センサス活動調査
非製造業割合 企業数88.9%、従業員数80.6%
社会福祉サービス(医療、介護、保育)、教育、公共交通
・地方の労働力不足
☆エビデンス?
・規制緩和ではなくスマートレギュレーション
例 主体規制からこういし規制
・デッドガバナンスの変更
・限界集落はいつ頃できたか?
・集約後?
→ライブ・エンターテインメント
→インバウンド
グローバルからローカルに移行すべきと主張しているように記載されている藻谷氏著書に対する分析は、ローカル経済をグローバル経済のサブシステムとして提案していることを無視している。 -
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経営共創基盤の代表として、カネボウやJALなどの企業再生をリードし、日本のターンアラウンドコンサルティングのトップに位置する富山氏による、実践的な経営分析のノウハウをまとめた一冊。
経営分析というと、所謂3C分析のようなオーソドックスな定性分析を踏まえて、財務指標分析などの定量分析を絡めるやり方と思われがちであるが、重要なのは定性・定量分析の両面において「エコノミクス」という概念を含めるか、という点が本書での重要なテーマと感じた。
ここで扱うべきエコノミクスとは、
・コストサイドに影響する事業に関するエコノミクス
・売上サイドに影響する顧客に関するエコノミクス
の2つに分類される。
前者であれば具体的な概念として、規模/密度/範囲の経済分析、産業全体のインダストリー・バリューチェーン(自社のVCを超えて、最終製品を業界全体で構築するにあたってのVC)分析など、後者ではスイッチングコスト、ネットワーク外部性などが示される。
特に規模/密度/範囲の経済は全てが一緒くたに「規模の経済」というビッグワードで語られがちであるため、それぞれの特徴やその経済性が有効に働く事業モデルなどの具体例は非常に有用に感じる。
本当の経営分析は、「経済学(財務分析等の定量的側面)と社会学(その企業に関与する人の生態分析)の両面が伴って初めて成立する」という言葉は、シンプルながら非常に本質を突いた言葉だと思う。 -
Posted by ブクログ
本書は著者の体験談から挫折力という一風風変わりな考え方を示す一冊である。
著者は、IGPI代表の冨山氏であり、3度目の挑戦で司法試験をパスしたが、コンサルという道として、BCGに入った後に、再建案件を手がける。途中でスタンフォード大学にてMBAを取得するという、風変わりでありながら、とてつもなく超エリートなコースであり、次元が違うと思ってしまう。しかし、著者は挫折を経験することでそれが力になるという。華やかな経歴の持ち主でありながら、裏ではものすごく努力もしているし、ものすごく危機的な状況を経験しているのである。
リーダになる人間は、挫折をバネに、失敗をバネに伸ばしている。メンタル的にも強くならなければならないと教えてくれる内容である。恐れ入った。