穂積のレビュー一覧
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穂積先生でこの表紙で即買いです。海辺の小さな町で孤独を感じながら一人チェロを練習していた小学生の鉄雄は海難事故で流れ着いた同い年の少年郁未と出会う。チェロの練習を通して急速に強い友愛で絆を深める二人。帯に神様って残酷だとありますが本当に……一人の魔女の登場で幸せな二人の日常がこれから壊されていくのだろうな……ってとこで続く。
黒髪短髪見た目わんぱく少年鉄雄と父親アメリカ人で金髪碧眼天涯孤独影のある美少年郁未の組み合わせもたまりません。
鉄雄のお兄さんも昔チェロやってたのに弾けなくなったという、何か訳ありの様子で次がすごく気になります!早く! -
Posted by ブクログ
ネタバレ前作品の『式の前日』からすっかりファンになってしまった穂積さんの作品。
19世紀末のフランス、パリ‥
「グーピル商会」のテオドルス・ファン・ゴッホ
後に天才画家と評されることになるフィンセント・ファン・ゴッホ
そう!あの炎の画家ゴッホの物語。
ゴッホの作品にはとても熱いパワーを感じます。
それはゴッホの人生を先入観を持ていたから。
感情の起伏が激しく自分の耳を切り落としてみたり
弟にはお金の無心の手紙を送ったり
最後は自死…だったり。
正直あまり良い印象は持ってはおらず
“芸術家だから普通の人とは何かが違うのかな?”
とありきたりのイメージでしかありませんでした。
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生涯支え続けたテオ。
“新しい芸術”で世界を変えようとする熱い気持ち
兄への兄弟愛、憧れの気持ち。
そして…嫉妬。
ある事件によって
兄への気持ちを暴露してしまう。
だけど
街中の人々から周囲の人々にはかけることができた魔法は
愛する兄にはかからなかった。
逆に
ずっとかけられていた魔法が解けてしまう。
君はひとつ大きな勘違いをしている
僕のその宿命受けて立とう
世界を幸せにする絵を描こうじゃないか
でもな
僕だけじゃなく君にも宿命があるんだ
僕の絵を君が世に出す
君がその手で世に広めるんだ
それが君の僕たち兄弟の宿命なんだ
彼らはそれぞれ
コンプレックスという名の魔法にかかっていたんだ。
二人とも魔法使いではない、生身の人間だったんだ。
二人はライバルでも敵でもない。家族なんだ。
いつまでも
何百年も永遠に。
泣けました。
穂積さんの家族愛にはいつも胸が熱くなります。
このお話が本当かどうかはわかりません。
でも、このような家族愛や作品に対する愛は本物だと信じています。
切ないような
さみしいような
優しくほんわかしているこの気持ち
きっと
私もテオの魔法にかかっちゃったかな? -
Posted by ブクログ
文句なしの殿堂入りです
これほど、感動で胸が掻き毟られる恋愛漫画、そうそう、世に現れる物じゃないでしょうね
掲載誌の系統的に少女漫画に加わるべきなのだろうが、『ハチミツとクローバー』に迫りかねないほど、ストーリーの厚みや、キャラの発する雰囲気の凄まじさが少女漫画のそれではないので、私はこの『うせもの宿』完結巻のタグを青年漫画に変えさせてもらいました
既刊の縦軸となっていた、女将さんとマツウラの関係の真実が、この完結巻で一気に明らかにされています。中にはちょっと駆け足なんじゃ、と感じた人もいるのでしょうけど、私は一巻にギュッと纏めたのは正解だ、と思いました。言い方は悪いかも知れませんが、この穂積先生の放ってくるパンチを受け止められなきゃ、きっと、この作品すら超える次回作では振り落とされてしまうでしょうね
この「ドバーッ」みたいな勢いのあるストーリーこそ、穂積先生の真骨頂。ある意味、漫画読みとして、今、自分の足腰がどれくらい強くなっているかを計るにはピッタリでしょう
百人が百人、この『うせもの宿』はこんな感じで終わって欲しいな、と予測していたハッピーエンドでは決してないでしょう。だが、これこそ、『うせもの宿』らしい終わり方だ、と感じたのは私だけじゃないはずです
人は誰も彼も、自分にとって何が最も大切なのか、なんて判っていません。ならば、限りある人生の意味とは、それを無自覚の内に探し続ける事であり、人生最大の幸せとは、それが見つかる事なのでしょうね
たった一つの約束に縛り続けられ、お互いに傷つきながら保ち続けたそれを破棄する事でしか、新たな道を歩み出せなかった男と女。悲しい、けれど、私は二人が苦しんだ末に出した、この結論を美しい、人間らしい、と感じました
改めて『うせもの宿』全巻を読み返し、じっくりと感動に浸り、導き出せた総合的な感想を一言に纏めるなら、陳腐じゃない、でした
ハッキリ言って、私的には、「このマンガがすごい!」(オンナ編)で第一位を獲得した『さよならソルシェ』を超えてます、『うせもの宿』は。巻数が多い、なんて理由なんかじゃなく、穂積先生が自作に籠めた漫画の本質そのものがパワーアップしています。確実に、この作品も、次回のランキングで上位、いえ、再び、一位を獲得する可能性だって大でしょう
ただ一つ心配なのは、穂積先生の健康面。こうも立て続けに、読み手の心臓に悪い名作を生み出しているのですから、自分の寿命を削りかねないほど、執筆に精魂を傾けている筈です。勝手な事は言えませんが、穂積先生は命を燃やして漫画を描くタイプのような気がします・・・それこそ、『忘却の首と姫』の惣司ろう先生のような
次回作を一日でも早く読みたいってのが、欲深な漫画読みとしての本音なんだけど、しばらく、体をゆっくりと休めて欲しい、ってのも本音です、間違いなく
ホント、イイ漫画を読むと、幸せな気分になれます
しっかし、やっぱり、この巻でも番頭さんの正体は解からずじまい。むしろ、ますます、その姿は謎に覆われていました。でも、こんな大きな秘密を、たった一つだけ残し、作品に幕を引き、読み手を良い意味でモヤモヤさせるのも、漫画家に必要なテクニックじゃないでしょうか
この台詞を引用に選んだのは、ブワッと来たので。言葉そのものもイイんですが、本人が何となく差し伸べた手が絶望している一人の手を掴んで暗闇の中から引っ張り上げ、その人が自分が困ってる、不幸に飲まれそうな時に這い上がる力を貸してくれる。人間は弱い、一人じゃいつかは壁にぶつかる。助け合って、自分の人生を生き、人間の歴史を重ねてきたんでしょうね。一人でいる事が不幸だ、とは断言できませんが、少なくとも、手を繋ぐ、抱き締め合う、言葉を重ねる、その時に自分達の間に愛を生み出せる相手がいる人は、自分にとって大切なモノを見つけるキッカケを得ているんでしょう。もし、私がここを訪れる事があったとしたら、一体、私は何を見つけるんでしょう -
Posted by ブクログ
肝心の本編の感想を書く前に、こんな事を言うのも、自分自身、アレだなぁ、とは思うのだが、ブチ撒けておかないと、拙いなりに穂積先生へのエールも兼ねてる感想をしっかり書けない気がするので、ご容赦ください
何て言うのか、読み終わった後、感動と一緒に、同じ量の不安に駆られたんですよね
「穂積先生、大丈夫かな」と思っちゃったんですよ。いや、先生の精神状態を疑っている訳じゃなくて、肉体の健康の方に対する不安、心配なんです
『忘却の首と姫』の惣司ろう先生の一件があってからか、どうにも、好きになった少女漫画を読み度、不安が湧き上がってきちゃうんですよ
ホント、私の勝手な想像なんですけど、穂積先生も、自分の命、寿命を燃やすような勢いで、自分の不具合を訴える体の声を無視してまで、描き切れた後なら死んでも後悔がないくらい大好きな漫画を描けちゃう、描いてしまうタイプの漫画家のような気がするんです
それだけの熱意で描いた作品は、そりゃ、名作になります。でも、実際に全力を出し尽されて、満足気に逝かれちゃ、ファンとしては、どんな反応をしていいのか、分からないんですよね
穂積先生が描きたいモノを描いて欲しい、でも、その為に命の火が灯る蝋燭が溶けていくスピードを速めないでほしい、けど、実力をセーブして描いた、ほどほどの作品なんて絶対に読みたくない・・・・・・我儘でしかない、ってのは頭で理解しちゃいるんですがね、心は理屈じゃ割り切れませんね、情けない事に
いつまでも杞憂を語っていても、仕方ありません。穂積先生の生き方は穂積先生が決めるしかない、と割り切って、本編の感想を書きます
ハッキリ言いまして、一巻をじっくりと読みこんでいる私でも、KOされました、この二巻に。とんでもない威力のパンチを、単に当てるんじゃなく、読み手の急所をピンポイントで狙って繰り出してきています、穂積先生
この巻の大半は、宿を訪れ、女将の助力もあって失せ物を見つけて去っていく「客」でなく、自分が何を探しているのか、が判らないままでいる「元・客」で、今は宿の従業員に就いている者に光が当てられています
[客人7]玉箒は客の話で、[客人8]夏泥棒から従業員の話になるのだが、焦点がスッと移るんですよ。その移り方が、実に自然で、話に引き込まれている読み手の、少し危険すぎる集中力をまるで妨げません。いつだったか、気まぐれに読んだ、漫画の描き方を指南した漫画で、とある漫画家が、喋っているキャラが変わる時のコマやシーンで違和感を読者になるべく感じさせないのが、面白い漫画の条件、と語っていたのを不意に思い出し、「確かにそうだな」と、この『うせもの宿』で納得できました
上で感想をしっかり書きたい、と言いながらも、未読の方にネタバレをし、興味を削ぎたくないので、あまり、内容には深く触れられないのですが、忍耐力もちょっと限界なので、一つだけポロリさせてください
この二巻では、自分の探し物を見つけてしまう対象が、今まで尽してきた従業員になった事で、女将の決して小さくない秘密が明らかになります
生と死の境界線となっている、この不思議な宿に結果的に縛り付けられてしまっている従業員らは、自分達が死者である事を理解した上で、やる気に差があるにしろ、自分達がここを去るために必要なモノを探そう、と必死になっています。けど、この女将だけは、自分の失せ物を探そうとする素振りがないのを、従業員だけでなく、読み手の皆さんも疑問に思っていたでしょう。この巻を読めば、その疑惑が少しだけ晴れます
自分を自分だ、と自覚するには、やはり、過去が必要なんでしょうね
もっとも、何故、彼女はこの宿の女将になったのか、女将と客を連れてくるマツウラとの関係は、この『うせもの宿』の中で、最も腹の中が読めず、存在感はある意味、女将より大きな番頭によって隠されていますので、モヤモヤは強まってしまいます
真実に辿り着くためのピースが、目の前に多く用意されると却って、推理力はダミーよりも自分の想像力に邪魔をされ、結末が見えなくなってしまうようです
どの話も穂積先生の、読み手にぶつけたい本気のキモチを感じましたが、特に胸を掻き毟られたのは、どれでもなく、[客人10]憂桜、ですね。確かに、この世の中には少なからず、意味がない事があるかもしれないけど、それは、自分がすべきことをやらなくてもいい理由にはならない、しちゃいけない、次のステージに行くのなら、自分の気持ちにだけは偽りなき清算をすべきなんだ、と思い知らされました
この台詞を引用に選んだのは、マツウラの本音、本当の顔を、ほんの少しだけ見たような気がしたからです。元から感情表現が不器用なのか、それとも、何かがあって、女将に対し、こんな不器用な接し方しか出来なくなったのか。帯にも書いてありますが、マツウラの女将に対するキモチは一体、どんな風に呼ばれるべき感情なんでしょうね。執着、それが確かに相応しい気もするが、その理由を知らないと、自分の中で『うせもの宿』が作っているパズルの穴は、ちゃんと埋まりそうもない。最終巻、楽しみなような、怖いような、自分でも説明できない気持ちで、今からイッパイになってしまっています -
Posted by ブクログ
短編集、「式の前日」で話題になっさ作者の、これまた話題になった作品。(このマンガがすごい!2014オンナ編1位)最初はどんなもんかな、くらいだったのに、読み終わるころにはもうぐいぐい引き込まれてしまっていた。
「炎の画家」と呼ばれ、晩年は狂気に狂ったっいうヴィンセント・ヴァン・ゴッホ。その弟であり画商のテオドルスを主人公にした創作ストーリー。2人が仲の良い兄弟で、弟は画壇に内側から嘲笑うように切り込み、飄々としているように見えて実は努力家で、兄の才能に嫉妬しつつも、兄の才能を開花させ、その絵を世に広めるために兄の人生を凡庸なものから劇的なものに創り上げた…私達の知るゴッホ像は弟が兄のために創り上げたものだという発想が面白い!
とても引き込まれた。