【感想・ネタバレ】さよならソルシエ 2のレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2014年11月20日

19世紀末のパリ。
画壇界を席巻するパリ一の画商
グーピル商会のテオドルス・ファン・ゴッホ。

街に生きる普通の人々や
労働者たちのありのままの姿を描きたいと願うテオドルスの兄で、
のちの天才画家フィンセント・ファン・ゴッホ。

この漫画はそんな二人のゴッホの絆や確執を描いた
伝記ロマンです。


...続きを読む高い志を持った
日の目をみない芸術家たち(ボヘミアン)から
権威の犬や保守側の人間だと思われていたテオドルス・ファン・ゴッホが、
「体制は内側から壊すほうが面白い」と言った
まさかのセリフから
一気に引き込まれました。
(巨悪や権威に立ち向かう男たちほどカッコいいものはないもんね~笑)


貴族の肖像画や神話を元にした従来の権威主義の芸術とは違い
生活の中にある「ありのままの素晴らしさ」を描いた
テオドルスが企画したアンデパンダン展によって
美術革命を起こそうとする若き志士たち。

そしてその行動は
金持ちの美術蒐集家ではなく
一般の街の人たちから圧倒的な支持を受けるのです。

上流階級のためにあった「芸術」というものを
市井の人々のものにし、
貧しさに喘ぐ多くの人の人生を 
美術によって救おうとする若き志士たちの行動は
素直に胸を打つし、

美術は労働者たちにも解るものだと唱え、
人間のありのままの姿を包み隠さず描く革命は

危険であったハズのロックという音楽が1970年代に入り
テクニックを重視しどんどん高尚なものに鳴り果てていく中で現れた
「パンク」というロック界の「揺り戻し」現象とカブってきて
個人的にはかなり共感しました。


もし、誰もが知っているゴッホのストーリーが
実は作られたものだったとしたら…

そんな斬新な発想と視点から
新たに紡がれたストーリーは
二人のゴッホの絆と
兄の才能を嫉妬する弟の葛藤を
実にスリリングに
そしてミステリアスに描いていきます。


しかし、作者の穂積さんは
デビュー作の「式の前日」のときから思ったけど、
やっぱこの人は天才ですね~。

わずか2巻の中に
これだけ濃厚なドラマを凝縮できる才能は稀有だと思うし、
天性のストーリーテラーだなと思いました。


映画『アマデウス』のモーツァルトとサリエリ、
西川美和監督の傑作『ゆれる』の
オダギリジョー演じる写真家の弟と香川照之演じる冴えない兄、
『ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ』の凡人の姉ヒラリーと天才の妹ジャッキー、
『ソーシャル・ネットワーク』の
真面目な優等生だが仕事のセンスのないエドゥアルドと
友達のいない変人だがやることなすこと上手くいくセンス抜群のマークなどなど、
才能を持つ者と持たざる者の対比を描いた映画や小説は多い。

才能を持つ者は持たざる者の苦悩を理解できないし、
そもそも自分が才能を持つ者であることにすら気付かない。

反対に才能があるが故の
誰にも理解できない孤独感ってのもあるんですよね。

兄と弟の絆や確執がメインテーマではあるけど、
保守的な美術界を変えるために戦った
若き志士たちの記録として見ても
なかなか面白い作品です。

全2巻。

1
購入済み

よかった

2021年11月18日

ずっと書店でみて表紙で面白そうだなと思ってたけど、なかなか手に出せなかったものでした。
でも、読んでみて2人のゴッホ の物語が何処からが本当か何処からが作り物かわからなくなるようなゴッホの絵が見てみたくなるような素敵な作品でした。

0
購入済み

こんなお話がもっと読みたい

2021年04月29日

何の気無しに読んだのですが、読めて良かったと思いました。
ゴッホの、自画像や亡くなり方から受ける気難しいイメージがガラリと変わりました。
この話の主役、テオの行動や想いが切ない。描かれてる二人の関係が胸に来ます。
読んだ後ゴッホの絵を何度か観に行きましたが、このお話を思い出してちょっと泣きそう...続きを読むになります。

#切ない #感動する #深い

0

Posted by ブクログ 2017年10月17日

すべては兄のため。
フィンセント初めての怒りの果ては、
兄弟の絆と宿命への道。
兄の死に、テオがとった行動は驚愕!!
ものすごい想像力です!
こんなゴッホ兄弟、考えつきませんよ~。

0

Posted by ブクログ 2017年06月13日

これは良かったな~。2巻完結っていう潔さも素敵。長く続けようと思えば続けられたと思うけど、作者的に一番描きたかったのが、きっと2巻の後半、ゴッホの人生はでっち上げられたもの、っていう設定だったんでしょうね。個人的には正直、ゴッホの絵によって救われる人たちを描いた、1巻の展開の方が好きだったんですが。...続きを読むでもそれを続けたら今度はマンネリっていう問題が出てくるだろうし、作品全体のバランスで見ると、絶妙なのかなって思います。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2016年05月01日

前作品の『式の前日』からすっかりファンになってしまった穂積さんの作品。




19世紀末のフランス、パリ‥

「グーピル商会」のテオドルス・ファン・ゴッホ

後に天才画家と評されることになるフィンセント・ファン・ゴッホ




そう!あの炎の画家ゴッホの物語。




ゴッホの作品にはとても熱いパ...続きを読むワーを感じます。

それはゴッホの人生を先入観を持ていたから。




感情の起伏が激しく自分の耳を切り落としてみたり

弟にはお金の無心の手紙を送ったり

最後は自死…だったり。




正直あまり良い印象は持ってはおらず

“芸術家だから普通の人とは何かが違うのかな?”

とありきたりのイメージでしかありませんでした。




===========================




生涯支え続けたテオ。

“新しい芸術”で世界を変えようとする熱い気持ち

兄への兄弟愛、憧れの気持ち。

そして…嫉妬。




ある事件によって

兄への気持ちを暴露してしまう。




だけど

街中の人々から周囲の人々にはかけることができた魔法は

愛する兄にはかからなかった。

逆に

ずっとかけられていた魔法が解けてしまう。



君はひとつ大きな勘違いをしている

僕のその宿命受けて立とう

世界を幸せにする絵を描こうじゃないか

でもな

僕だけじゃなく君にも宿命があるんだ

僕の絵を君が世に出す

君がその手で世に広めるんだ

それが君の僕たち兄弟の宿命なんだ


彼らはそれぞれ

コンプレックスという名の魔法にかかっていたんだ。

二人とも魔法使いではない、生身の人間だったんだ。

二人はライバルでも敵でもない。家族なんだ。

いつまでも

何百年も永遠に。




泣けました。

穂積さんの家族愛にはいつも胸が熱くなります。

このお話が本当かどうかはわかりません。

でも、このような家族愛や作品に対する愛は本物だと信じています。




切ないような

さみしいような

優しくほんわかしているこの気持ち




きっと

私もテオの魔法にかかっちゃったかな?

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Posted by ブクログ 2014年05月18日

創作の醍醐味か。

歴史小説をはじめとして、実在の人物をモデルに創作することはよくある。しかし、通常はそれが創作だと分からないように、あたかも本当であったかのように描く。読者はすっと受け入れるのが通例だ。

この作品の漫画史を画する部分は、確信犯的に、読者にそうと分かるように、創作したことだ。正直す...続きを読むぎるといってもいい。たいていの読者は、すでにある意味、作られたゴッホ兄弟のイメージを持っているため、裏切られたと思う。評価もしないだろう。

しかし、本作で見逃してはならないのは、二人のゴッホの本質を捉える努力をしていることだ。わざとらしい構成を使いながらも、「いまの時代」につらなる美のあり方を伝えることに成功していると認めないわけにはいかない。

0

Posted by ブクログ 2014年05月01日

死んでから有名になった画家。と有名な絵くらいしか知識ないまま読みました。

当然、昔の人だから生い立ちはいろんな仮説があって、おもしろい。これ読んでつい調べてしまいました。

確かに絵だとかアートで評価されることの難しさを感じました。ただうまくだけでは注目されない。後半の生い立ちの捏造の件は引き込ま...続きを読むれました。

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Posted by ブクログ 2014年04月09日

テオとフィオの兄弟の絆のお話。
途中でゴッホのお話だって気付いたけど、ゴッホは亡くなってから有名になった事と自画像くらいしか知らなかったので先入観なしに読めた。


一巻では、一見完璧な男テオの、兄の才能に嫉妬してる様が垣間見れたあたりで切なくなってしまった。
二巻ではそんな2人の兄弟の絆に涙。

...続きを読むもう少しフィオがテオの元を離れてからのフィオが見たかったなー。
怒りの感情を知ったフィオが、絵を描きながら世界の美しさを改めて実感した三年間。
読んだ後の充実感が二巻で完結とは思えない!

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Posted by ブクログ 2021年05月22日

どちらが本来の、画家・ゴッホの人生だったのかは私はわからないけれど、どっちにしろ「炎の画家」の気質はしっかり持っていた人物なのだろうと思う。
才能がある人間のその才能を目の当たりにした時の絶望とか哀しみとか嫉妬とか、弟のその葛藤を昇華させるほどの才能だったのだろうな、兄の才能。
そして兄が憧れた弟の...続きを読む才能もまた、優れたものだったのだろう。

たまたま広告で見かけて買ってみた作品だけど、面白かった。

ラストがちょっとありきたりだったので(事実なのだろうからしかたないけど)★4つ

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2017年08月12日

ゴッホ兄弟の話。全然ゴッホっぽくないなー、いつ覚醒するんだろうと思いながら読み進めてたら最後にどんでん返しが。

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Posted by ブクログ 2017年03月11日

なるほどな〜〜。こうやってテオが作り上げた「フィンセント・ファン・ゴッホ」を見ているのが今の私達なのか。テオ最期まであっぱれだったよ。
上下2巻でとてもよくまとまった話だと思った。
このテオを良知真次さんで演じられる姿を見れるかと思うと、とても楽しみ。

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Posted by ブクログ 2017年01月19日

私は特段ゴッホのファンというわけではないのですがひきこまれてあっという間に読んじゃいました。
だから左耳をきってしまい精神を病んでしまった末自殺したこと、弟がいること、そしてひまわりと自画像くらいの印象しかありませんでした。
だからこれを弟のテオが作り上げた架空の人生にしてしまうことに驚きました。
...続きを読む
確かに壮絶な人生の中で描かれた絵のほうが見てみたいかも。

弟のテオは私もほとんど知りません。
全くと言っていいほど。
だからこのマンガで知りたくなりました。

よほど有能だったに違いない。

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Posted by ブクログ 2014年11月13日

連載で単行本何冊も出るのもいいけれど、私的にはこれくらいの長さのお話も読みやすくて好きです。

2巻はちょっと急加速して、ん?と思うこともあり-1☆。でも一応気持ちよく完結していて良かったです。
フィクション漫画としてなら、かなり面白かった漫画の部類でした!。

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Posted by ブクログ 2014年10月28日

弟と兄の間の複雑な心情という視点で描いたゴッホ伝。賢者は愚者(=世間がそう評しているだけで実はほんものの天才)に追いつけない、というが、結局は最後までその思いから抜け切れない主人公の弟の悲哀が伝わってくる。欲を言えば、同じく画家を志したという弟から見て、兄が「才能の無駄使い」を犯すその残酷なまでの天...続きを読む然さと、超越したその才能に対する激しい嫉妬の感情が揺れ動くところ、兄の絵に感動し喜びに打ち震え、激しく嫉妬し、憤り、自分の才のなさを見せつけられ絶望し、というその何度となく繰り返す様を紙幅をとって描いてほしかった。

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Posted by ブクログ 2014年10月25日

なかなか面白い解釈でした。そして説得力のある画力…ホント巧いね、穂積さんは。ただ巧すぎて隙がない…ので気が抜けないのです。でも巧い。

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Posted by ブクログ 2014年06月13日

最終巻。
見どころ満載で、ラストシーンも感動。
『世界はね きっといつだって
信じることからはじまるんだ』

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Posted by ブクログ 2014年06月07日

兄の絵に心を奪われた平凡な弟と、神様に愛された絵の才能を持つ弟の話だった。まさか2巻で完結とは思わなかった……。面白かったけれど、消化不良。もともとの期待値が高すぎたというのは認める。急ぎすぎて読者置いてきぼりな感じ。もっと商会との対立や民衆の心の動きとか、いろいろを深くつっこんで描いてほしかった。...続きを読む

兄の絵の才能が羨ましい...そうテオは言っていたけれど、フィンにとっては皆に愛される切れ者である兄のありかたそのものが才能に見えたんだろうな……。どちらかというとフィンのほうに共感してしまう。テオが憎まずにはいられないっていうのもわかるけど、二人で絵を広めるためにがんばっていくところも見たかった。

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Posted by ブクログ 2014年03月21日

ゴッホ兄弟のお話。全二巻。

弟テオの心情と、兄ゴッホの才能への確信が揺るぎなくて好き。
中身はしっかりしているのに、テンポがよいのであっという間に読み終わり。
欲を言えば、三話完結ぐらいでもう少しこの兄弟を見ていたかった。

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Posted by ブクログ 2014年03月09日

評判が高いというだけで買った漫画。
読んで初めてゴッホ兄弟の話だと知りました。
しかも、主人公はゴッホ弟。
つか、弟がいたのかー、ゴッホには。
ネットで写真見たらなかなかのイケメンでした。
ただ、漫画よりもかなり線の細そうなイメージですが。
漫画のテオはふてぶてしいですからね。
作者のキャラ造形への...続きを読む強い意気込みを感じます。

側にいるのは辛いが、失うのはもっとつらい。
テオの葛藤は、神様からのギフトを受け取った人の側にいる万人の葛藤を代弁しているようです。

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Posted by ブクログ 2014年02月17日

どう終わるのかと思ったらこう終わるのかーーーっと色々衝撃を受けました。いい漫画でした。終わり方も綺麗で、何度か見直したくなります。

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Posted by ブクログ 2014年05月12日

まさか2巻で終わるとは思っていなかったので、(1巻に書いてあったの気が付かなくて)随分飛ばすんだなあと思いながら読みましたが、そう来たか!と唸りました。鮮やかな終結。
ただやっぱりもう少し長い方がよかった?のかな。駆け足な部分も。

兄弟愛ものとしては、本当に、よかったです。

2014不忍一箱古本...続きを読む市にて売却

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年02月15日

フィンセント・ファン・ゴッホの話だよなー?
あれー?
って思いつつ読む。

自分の知ってる彼の歴史とは全然ちがう。
どーゆうこと?
って思ったら!!

なるほどっ!!そうなのか!!っておもった。


そしてやっぱ、最後に泣かされたー。

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Posted by ブクログ 2015年05月19日

20140301
なんとなくしばらく読んでなかった。
面白かった。
ははぁこうきたかぁ、みたいな。
逆に、こういうのもよかったかもしれない、幸せだったならそれもいいなぁなんて。

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Posted by ブクログ 2015年02月07日

普通にゴッホ周辺のエピソードを描いた歴史物だと思って電子書籍でまとめ買い、一気読みした。テオがどんな人だったかは全く知らないがゴッホ、これはないだろう…と思ったらこんなオチなのね。

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Posted by ブクログ 2014年10月13日

ゴッホが女の子にフられにフられまくって、ゴーギャンにもフられて、弟にもフられて自殺する話かな、と思っていましたが、全然、違いました。

このオチはこのオチでよかったですが、ゴッホ×ゴーギャン的な展開は一切ないので、お気を付けください。
つーか、ゴーギャン、登場しないし。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2014年04月23日

『式の前日』もそうだったけど、なんで毎回叙述トリックみたいな展開に頼ってしまうのか…1巻を読んだときにはテオのキャラクターが魅力的で、先を楽しみにしてたので、すごく残念。どんでん返しが来るなら史実を題材にしなくてもよかったのでは。
絵がきれいで、映画みたいな話の運びが素敵なので、そういうのをもっと活...続きを読むかしてくれたら嬉しかったな。

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Posted by ブクログ 2014年04月06日

お兄ちゃん死んじゃったぁ。・゜・(ノД`)・゜・。と、泣きたくなったけど。
兄弟の想いが純粋で、
「もしも」を感じて、
ほっこりした気持ちになりました。

#さよならソルシエ #褒め論 #漫画

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Posted by ブクログ 2014年04月02日

マジで!?そう来るか!ファン・ゴッホ兄弟に思い入れがある人でなければ、面白く読めるのでは。昨今日本で話題になった「作品/功績」とその裏の「ストーリー」という意味でも興味深い作品。

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Posted by ブクログ 2014年03月10日

二人のゴッホの物語。画家の兄フィンセントと、画商の弟テオドルス。天才画家を兄に持つテオは、絵を売ることに興味を持たない兄を世に出すため、奇抜な策略を仕掛けたー。
思いがけない二転三転があり、テンポが早いのでさくっと読めます。
キャラクターデザインは女性向け。弟の兄に対する愛憎と、弟の兄に対する信頼が...続きを読む、若干BLっぽいですが…それも込みで楽しめると思います。

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Posted by ブクログ 2014年02月19日

後半思い切った展開だっただけに、ちょっと駆け足な感じ。
あと1巻ぐらいあったほうがよかったかも。
良くも悪くも少女漫画なので、史実がどうのとか細かいところが気になるかたにはおすすめできません。
表情などとても魅力的なので、お好きなかたは是非。

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Posted by ブクログ 2014年02月07日

一巻を読んで疑問に思っていた二人の性格の理由に納得。
兄の人生を作り上げるという行動は、兄への嫉妬や羨望などの複雑な感情もすべてひっくるめた、弟の一番の愛情表現なのだろう。

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