河合薫のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
鋭い、この本。河合さん。
衰退途上国ニッポンの原因をしっかり突いている。
しかしどうも自分の言葉に置き換えることができない、、、
いい学校出ていい会社(大企業?)入って
ふつう(平均よりちょっと上)の暮らしができればいい
という価値観が蔓延、ということにも触れていたように思うが、
それだけではなかった。
ジジイゲート、会長ルールにふりまわされる下の者たち
ジジイの思い付きで人生を狂わされる社員たち
トップへの権力集中=日本的マゾヒズム
オーナー会社にはどこでもある話。
そこから逃れるために、
集団のSOC(首尾一貫感覚)を高めることが必要。
そうしないと、ジジイの思い付きに振り回さ -
Posted by ブクログ
一番最初に飛び込んでくるニュース
皆が知る「磯野波平」が何歳か…
そう言えば誰かそんな話をしていたと思い出すが
髪が1本でおじいちゃんと感じていたあの波平は
まさかの54才だとある。
自分の年齢と比較して非常にまずいと思った。
そんな昭和の50代の話から、いつの間にか若者からも会社からも煙たがられる50代の典型がつらつらとある。
著者の辿った道のりを追体験しているようでなんともハラハラしたり、ちょっぴり刹那くなったりこりゃいかんと思うのである。
若手にはゴールを見据えて準備をするのが当たり前だろ!と言っている自分が、自分の会社員や自分の人生のゴールを見据えていないことに気づいて愕然とし -
Posted by ブクログ
他人と対峙する時に、
仕事の取引で立場上「絶対に自分には逆らわない」
と分かっている時。
通常の生活においても関係性の観点から
「絶対に自分には居丈高」に
なってこないと分かっている時。
そんな時に「上から目線」で取引先、駅員、
店員などに怒鳴る人がいます。
しかも最近増えているような気がします。
そんな人たちがなぜ存在しているのか。なぜ生まれてくるのか。
簡単に言ってしまうと、そういう人たちは「今の自分」しか見ていないから。
どんな人だって最初はペーペーだった時代もあったはずなのに、
そんなことは忘却の彼方で、今の自分と他者との関係性しか見ていないから。
「俺にもそんな頃があったなあ」 -
Posted by ブクログ
■ジジイの定義
変化を嫌い自分の保身だけを考え「会社のため」「君のため」と言いながら「自分のため」に手に入れた既得権益にしがみつく人々。年配の男性とは限らない。女性のジジイもいるし若者にもジジイはいる。そしておそらく誰もがジジイ的なものを心の奥底に秘めている。
・小ジジイ
課長クラスに多いことから「課長文化」を形成する。大した業績も出しておらず"流れ"で昇進した人が多い。好きな言葉は「逆らわない」
・中ジジイ
部長クラスに多いことから「部長文化」を形成する。同期の中でもエリート。この小さな"プライド"を大切にする。好きな言葉は「危険を冒さない」
・ -
Posted by ブクログ
初めて読む著者の本なので、タイトルから軽妙な社会論かと思いきや、いたって真面目に昭和からコロナ、令和に至るこの数十年の社会の変遷と問題点を考察した本だった。データ分析を元に、いかに社会の分断がすすみ、格差が拡大し、生きづらい国になっているかを概観している。特に真新しい論考はないのだが、分かりやすく解説してあるので、昨今の混沌とした政治情勢につながっている諸問題が再認識される。生産性という単一のモノサシで測るのをやめて、「人を豊かにするのは無駄な会話であり、無駄な時間であり、無駄な空間である」ことを心に留めて、「いつだって人を救うのは『人』だ」の精神で真に豊かな社会になっていけたらいいのに。