河合薫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
鋭い、この本。河合さん。
衰退途上国ニッポンの原因をしっかり突いている。
しかしどうも自分の言葉に置き換えることができない、、、
いい学校出ていい会社(大企業?)入って
ふつう(平均よりちょっと上)の暮らしができればいい
という価値観が蔓延、ということにも触れていたように思うが、
それだけではなかった。
ジジイゲート、会長ルールにふりまわされる下の者たち
ジジイの思い付きで人生を狂わされる社員たち
トップへの権力集中=日本的マゾヒズム
オーナー会社にはどこでもある話。
そこから逃れるために、
集団のSOC(首尾一貫感覚)を高めることが必要。
そうしないと、ジジイの思い付きに振り回されることになる。
不幸。
そこから脱するために、、
有意味感を強くするための6か条
普通を疑う
仕事はカネのためだと考えない
仕事にやりがいを求めない
年齢を言い訳にしない
信頼されようと思わない
愛をケチらない
この6か条はあまりピンと来ないけど、
まあ頭を柔軟にもつことだな。
世界はひとつだけじゃない。
しかし、、ジジイは退場し、若手に任せるべきなんだろな。
日本の高度経済成長が実現したのは、
戦後、パージで年寄りが一掃されたことが大きいんだと思う。
過去のしがらみなく若手が大胆に新しいことができた。
明治維新後の成長もそういうことかな。
パージだ
プロローグ 「働き損」の国
1章 意欲をなくす若者たち
――初老化する30代と「頑張り損」の社会構造
2章 中高年無理ゲー社会
――狭まるジジイゲートと新・働かないおじさん
3章 なぜ働く意欲をなくしてしまうのか
――階層主義国ニッポンと日本的マゾヒズム
4章 日本的マゾヒズムの呪縛から逃れる
――集団のSOCを高める
5章 脱「働かないニッポン」のためにできること
――有意味感を強くするための6カ条 -
Posted by ブクログ
一番最初に飛び込んでくるニュース
皆が知る「磯野波平」が何歳か…
そう言えば誰かそんな話をしていたと思い出すが
髪が1本でおじいちゃんと感じていたあの波平は
まさかの54才だとある。
自分の年齢と比較して非常にまずいと思った。
そんな昭和の50代の話から、いつの間にか若者からも会社からも煙たがられる50代の典型がつらつらとある。
著者の辿った道のりを追体験しているようでなんともハラハラしたり、ちょっぴり刹那くなったりこりゃいかんと思うのである。
若手にはゴールを見据えて準備をするのが当たり前だろ!と言っている自分が、自分の会社員や自分の人生のゴールを見据えていないことに気づいて愕然とした。
そりゃ失敗に失敗を重ねるわけだ。
理想のゴールに行くにはどんなアイテムと相棒が必要で布陣に送る援軍や投下する駒を…
いつからでも遅くない、大丈夫だからと背中を押されるような著者の投げかけに、やってみようと思えるそんな本だった。 -
Posted by ブクログ
他人と対峙する時に、
仕事の取引で立場上「絶対に自分には逆らわない」
と分かっている時。
通常の生活においても関係性の観点から
「絶対に自分には居丈高」に
なってこないと分かっている時。
そんな時に「上から目線」で取引先、駅員、
店員などに怒鳴る人がいます。
しかも最近増えているような気がします。
そんな人たちがなぜ存在しているのか。なぜ生まれてくるのか。
簡単に言ってしまうと、そういう人たちは「今の自分」しか見ていないから。
どんな人だって最初はペーペーだった時代もあったはずなのに、
そんなことは忘却の彼方で、今の自分と他者との関係性しか見ていないから。
「俺にもそんな頃があったなあ」と思えれば、他者に寛容になれるはず。
下積みを忘れたオヤジに送る一冊です。 -
Posted by ブクログ
■ジジイの定義
変化を嫌い自分の保身だけを考え「会社のため」「君のため」と言いながら「自分のため」に手に入れた既得権益にしがみつく人々。年配の男性とは限らない。女性のジジイもいるし若者にもジジイはいる。そしておそらく誰もがジジイ的なものを心の奥底に秘めている。
・小ジジイ
課長クラスに多いことから「課長文化」を形成する。大した業績も出しておらず"流れ"で昇進した人が多い。好きな言葉は「逆らわない」
・中ジジイ
部長クラスに多いことから「部長文化」を形成する。同期の中でもエリート。この小さな"プライド"を大切にする。好きな言葉は「危険を冒さない」
・大ジジイ
役員・社長クラスに多いことから「社長文化」を形成する。たまたま若い頃の配属先で"優勝な上司"に出会い運よく上り詰めた人が多い。好きな言葉は「既得権益」
■人は「これだ」といったん確信を持ってしまうと,その核心を支持する情報だけを受け入れ確信に反する情報を探すことも受け入れることもできなくなる。この心の動きを「確証バイアス」という。
・自分の意見を支持するものを受け入れ反するものは目に入らない。人は見えているものを見るのではなく見たいものを見る。自分に都合のいいものだけが鮮明に見えるということが証明された
■出世する人の特徴の研究
・大きな組織では几帳面さや責任感は昇進にマイナスに作用する
・部課長までの昇進には「学歴と早い時期の評価」が圧倒的に重要である
・交渉力,運への自信,指導力,昇進意欲などが重要
・忠誠心,明るさは関係ない
■責任感の強さがなぜ昇進にマイナスに作用するのか。理由の一つは正義感。責任感の強い人は正義感も強いため自らの責任に加え他者への責任追及も厳しくなりがち。正義の人は厄介な存在。
・日常業務の中にも多かれ少なかれ嘘や責任逃れが横行しておりそういう人は案外上や周囲から重宝がられる。つまり嘘つき上手は上からの「引き」で出世する可能性が高まる
■ローレンス・J・ピーターのピーター法則によれば「上司が無能なのは人間の現在でも社会を攪乱しようという悪しき意図のせいでも,たまたま起こる事故や失敗のせいでもない。元凶は"環境(=制度)"にある」というもの。
・「有能な上司はアウトプットで部下を評価するのに対し,無能レベルに達してしまった上司は組織の自己都合という尺度で部下を評価する」
■日本の高学歴熟年労働者(40代)が90年代の技術進歩率に負の影響を与えていた。
・IT化の進展により生産現場で蓄積された暗黙のノウハウやスキルがデータベースに置き換えられて共有化された結果40台の高学歴熟年労働者による人的資本が"陳腐化"した
・その「陳腐化」は環境によって進み技術が低下した根本原因は,人員を削減し負荷を大きくした「経営の問題」
・上司から部下,熟練者から初心者に語られる言葉は現場の力を豊かにする大切なリソース
・現場で語られる「ストーリー」の大切さを忘れた経営者が効率化というマジックワードで現場力を低下させた
■組織を変えたきゃ若者,よそ者,馬鹿者の視点を生かせ
■職場で男と女の区別がなくなる比率は「6対4」。男社会で女性が占める割合が40%になって初めて男女の分け隔てが消え個人の資質や能力が正当に評価される
■人間は「他者と関わる」ことで自分の存在意義,存在価値を確立する。その関わり方に性差が存在する。
・男性は他者と一緒に「する(do)」ことによって,女性はその他者と共に「いる(be)」ことで「自分の存在」を確かなものにする傾向が強いことが分かっている
■「人に迷惑をかけたくない」という意識が長時間労働→疲労→家でも仕事→睡眠不足→作業能率の低下によるミス→自己嫌悪→挽回するため長時間労働+家でも仕事→更なる疲労といった矛盾に満ちた行動を可能にする。
■心身に悪影響を生じさせる労働時間を分析していくとボーダーラインは「月残業時間50時間前後」で「帰宅時間22時」ということが分かっている。
■ヒトは想像以上に弱く,想像以上に強い。この二面性が複雑に絡まりあいながら私たちは社会的な動物として環境に適応する。
■近年若者の過労自殺が増加している背景には「組織社会化」即ち「適応の途中なのに一人前の仕事を期待されている」という問題がある。
■「組織社会化」とは「個人が組織内の役割を引き受けるのに必要な社会的知識や技術を獲得するプロセス」で新入社員の組織社会化の最大の課題は「役割の獲得」。会社で確固たる居場所を得て自分がやるべきことを見出し,自分の役割を獲得していくことで新入社員は組織に適応する。このプロセスには最低でも3年。長い場合10年かかるとされる。
・年功序列が当たり前で人員的な余裕もあった時代には組織社会化が自ずと行われていた
・組織社会化には「最初に出会った上司」が強い影響を与える
・プレイングマネジャーが当たり前になり人的余裕も時間的余裕もなくなった現代社会では新人はすぐに「一人前」になることが強要される
■新入社員は「組織に実際に所属する前の自分の期待」と「現実に経験したこととのギャップ」から生じるリアリティショックという状態に陥る。ここから抜け出すのに有効なのが上司による手ほどき。
具体的には,
・その仕事にどんな意味があるのか?
・どういったことが重要でどのように進めればいいのか?
・仕事の具体的な進め方,方向性を示す
といった情報を上司がきちんと伝え,
・職務を遂行する上で障害となりそうな外圧から守る
・的確なフィードバックを行う
など
■特に最近の若時人たちは分からないことを「聞く」のが下手。「そんなことも知らないのか」と言われるから言えないと考えているのでおせっかいなくらい「仕事に役立つ情報」を伝える。
■残念な職場とは「働いているのは人である」という至極当たり前のことを忘れている職場。
■理想の職場とは「人生の邪魔をしない職場」
・人間は「仕事」「家庭」「健康」という三つの幸せのボールを持っていてどのボールが地面に落ちても幸せになれない
・人生を邪魔しない職場では「17時退社が当たり前」であることを共通の目標にしている
・これを当たり前にするには「仕事の意味」を理解し「人が秘める能力を最大限に引き出す職場」を目指さなくてはならない
・職業は人生の背骨である(ニーチェ)
・仕事が無意味であれば人生も無意味なものになる(アウラハム・マズロー)
・働くことは「生きている価値」と「存在意義」をもたらすとても大切な行為
■いったん職を失った人が再び仕事を得た場合,たとえ経済的状況が改善されなくとも精神的健康度が向上する。また,賃金の低い不定期な仕事であっても働いている人は働いていない人より活動的で自立心が高く精神的に安定していることが認められている。
■「働く」という行為には「潜在的影響」と言われる経済的利点以外のものが存在する。「潜在的影響」は自律性,能力発揮の機会,自由裁量,他人との接触,他人を敬う気持ち,身体及び精神的活動,一日の時間配分,生活の安定などでこの「潜在的影響」こそが心を元気にし人に生きる力を与えるリソースである。
・リソース=汎抵抗資源。世の中にあまねく存在するストレッサー(ストレスの原因)の回避,処理に役立ち,リソースを手に入れることでウェルビーイング(個人の権利や自己実現が保証され,身体的,精神的,社会的に良好な状態)が高まる
■ユーサイキアン・マネジメント(マズローの造語)
「個人の成長という観点から見た場合,企業は自律的な欲求充足に加え,共同的な欲求充足をもたらすことが可能であり,この点においていかなる個人的心理療法にも優っている」
・仕事は幸福に生き,生きる力を支える極めて大切なリソースの一つ
■働くことは人生を豊かにするかけがえのない行為。ところが残念な職場では潜在的影響がリソースとして機能していないので単なる「労働」に成り下がっている。
・「労働」は明治維新以後にLabourに対する訳語として考えられた造語
・西欧では労働=Labourは奴隷が行うもので体にむち打ち生産性を上げることだけを目的とした働き方
・労働時間を長くとれば生産量は増える。人を減らせばもっと生産性は向上する。人はコスト。意思と自由を奪われ雇用主が儲けるためだけに働くのが「労働」
■残念な職場と人生を邪魔しない職場の比較
・自律性:意味不明の仕事が多い/仕事に喜びと誇りを持てる
・能力発揮の機会:成長が感じられない/教えと学びがある
・他者との接触:会話がない/会話がある
・他人を敬う気持ち:権力者の力が強い/共感がある
・身体及び精神的活動:年齢や性別で差別する/年齢や性別による差別のない全員野球
・1日の時間配分:残業が当たり前・17時退社が当たり前
・生活の安定:非正規社員が多い/長期雇用が原則
■リソースは「元気になる力」仕事のリソースを手に入れることはSOC(Sense of Coherence)を高める。
・SOCは「人生であまねく存在する困難や危機に対処し,人生を通じて元気でいられるように作用する人間のポジティブな心理的機能」のこと
・わかりやすく言えばだれもが心の奥底に持っている「生きる力」
・SOCは生まれつきの能力ではない
■これまで世界中で行われた実証研究で確かめられたSOCの高い人の傾向
・職務満足感や人生満足感が高い
・仕事上の疲労感が少ない
・欠勤が少ない
・抑鬱や不安が少ない
・バーンアウトを起こしにくい
■人間の健康は「健康(身体的,精神的,社会的)」と「健康破綻」を両極とする1本のレールでつながっている。
■人間の知能は「流動性知能」と「結晶性知能」の二つに分かれる。
・「流動性知能」とは,新しいことを学んだり,新しい環境へ適応したり,情報処理を効率的に行ったりするための問題解決能力で,記憶力や暗記力,集中力など
・「結晶性知能」とは,学校で学んだことや日常生活や仕事などを通じて積まれた知識や経験を生かした応用する能力でいわゆる経験知や判断力
・どちらの能力も「60歳代前半までは大きく低下しない」
■疲れは時間が経てば自然に消えていくものではない。特に心的な疲れを癒すには適度な運動,精神的ゆとり,遊び,おしゃべり,笑い,などのリソースが必要不可欠。
■死ぬ瞬間の五つの後悔(ブロニー・ウェア)
①他人が自分に期待する人生ではなく自分自身に正直な人生を生きる勇気があればよかった
②あれほど働かなければよかった
③自分の気持ちを率直に表現するだけの勇気があればよかった
④もっと友達付き合いをしておくべきだった
⑤もっと幸せな人生を送ればよかった
・「もっとお金を儲ければよかった」と言った人は一人もいなかった