北原尚彦のレビュー一覧
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ブク友さん達の本棚で見て、こんな面白そうな本があるんだ!とすぐに予約した。
シャーロックホームズをまだ映像で1度も観たことがないので、ホームズとワトソンはどんな家に住んでるのか興味があった。
元々お城や館が好きなので、外観だけでも楽しいのに、部屋の様子までイラストで描かれている。
『まだらの紐』『ぶな屋敷』など好きな作品の内部が見れて嬉しい。
小説を読んで想像していたものが、どれくらい合っていたか答え合わせのような感じで見ても面白い。
イギリスの1度も観たことがない風景を想像するのは無理なので、イラストで見ると小説を読むのが断然楽しくなる。
使用人の部屋の大きさ、馬車小屋、馬小屋など当 -
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シャーロック・ホームズが捜査した事件に登場する建物は、
どのようなものだったのか?ホームズ研究家と建築家が、
タッグを組んで、検証し、考察する。
CASE01 ホームズ&ワトスンの住む「ベイカー街221B」
CASE02 ブライオニー・ロッジ CASE03 ストーク・モーラン屋敷
CASE04 ポンディシェリ荘 CASE05 ぶな屋敷
CASE06 トレヴェリアン医院 CASE07 アビィ屋敷
CASE08 ライサンダー・スターク大佐邸
CASE09 ディオゲネス・クラブ&マートルズ荘
CASE10 ウィステリア荘 CASE11 バスカヴィル館
CASE12 ヨックスリ -
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わたし、いちおう「正典」はすべて読んだのですが、本書を読んでみたらまあみごとに忘れてましたね。一度読んだくらいじゃとても身につかない(身につけるものなのかもわからないけどw)。
そういう意味で本書は、読んだことのない人に配慮してネタバレなしの、とても読みたくなるレビューを全作分収録してあるほか、読んだことがあるけど忘れてしまったわたしのような人間にとっても、その寸止めが効くんですよ(笑)うわー、犯人だれだっけ、読み返さないと! みたいな。
もちろんそれだけでなく、主要キャラ紹介、時代背景と舞台紹介、作者の簡単な紹介、二次創作、映像化作品紹介と、このうすさながらとても手際よく、でも上っ面をな -
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私はコナン・ドイルが書いたホームズ物語(正典:短編56、長編4)が大好きで、正典中にある「語られざる事件」(注2)をテーマにしたオーソドックス(正統派)・パスティーシュ(注1)も大好きです。
そして、本書は良くできた「語られざる事件」のオーソドックス・パスティーシュであり、英訳して逆輸出しても面白いのではないでしょうか。
もちろん、「ドイルならこういうテイストでは書かないだろうなぁ。」と思われる作品もありましたが、そこに作者の北原さんらしさが表れていて、むしろそれが面白かったです。
意外だったのは、収録作品6編中少なくとも4編は他の作家も手がけた「語られざる事件」でありました。そもそも執筆難易 -
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文章の美しさもさることながら手品のように綺麗に足元を掬われる恐怖がたまらんです。すこんと地面がなくなっている。気付くと背骨につめたいものをあてられている。
本来は翻訳家さんなんですかね。イギリスの雰囲気が色濃く感じられてほの暗く美しいです。『眷属』とか特にもう。
後半急ぎ足だったり付け足しっぽいものを感じる部分もありつつ、陰惨な結末や後味の悪さに全てを払拭されてしまう。この気分の悪さが気持ちいい。恐怖小説とはこうあるべき。『貯金箱』(とにかく怖い)と『活人画』(ぬたっとした気持ち悪さ)が特に好きです。『怪人撥条足男』のラストに本気でうおおおおってなった。いや、でも、どれもいい。表題作ももち -
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「北原尚彦」の短篇ミステリ作品集『ジョン、全裸連盟へ行く──John & Sherlock Casebook 1』を読みました。
「アンソニー・ホロヴィッツ」、「グレアム・ムーア」の作品に続き、名探偵「シャーロック・ホームズ」関連の作品です。
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注目のキャラクター小説、同時刊行
コンサルティング探偵「シャーロック・ホームズ」の相棒の医師「ジョン・ワトソン」は、今日も「シャーロック」が依頼人の素性を一瞥で当てるのを小気味よく見ていた。
裸にこだわりのある依頼人は秘密クラブ『全裸連盟』から退会告知を受けた原因を調べてほしいという。
興味をも -
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上下巻を読んでの感想です。
モリアーティ教授(シャーロック・ホームズのライバル)の片腕「バッシャー」モラン大佐を主人公にした、いわゆるホームズのパスティーシュ本なんだけど、ホームズと同じ時代を舞台にしている他の作品からも色々とネタを持ってきているから、そのあたりの小説も読んだことがある人なら、思わずニヤリとしてしまう場面がたくさんあるんじゃないかな(ちなみに自分は第2章と第3章でニヤリとしてしまった)。
ただ、序章と第1章の前半はすごく退屈。
あまりにも退屈なので、途中で本をブン投げてしまおうかと思ったことも……
でも、我慢して読み続けていたら急に面白くなってきたから、もし最初だけ読んでもう読 -
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ホームズの宿敵モリアーティ教授の活躍を描いたモラン大佐の手記、という形のホームズパスティーシュ。
犯罪者に計画や助言を与える教授のもとにはさまざまな事件が持ち込まれるが、依頼人も悪党なので一筋縄ではいかず、モランも翻弄されることになる。
上巻には4つの事件が描かれており、どれも元祖ホームズを知っているほどにニヤリとすること間違いなし。
ホームズに出てくるモリアーティは冷酷無比な悪の権化というイメージだったが、この作品ではけっこうお茶目で笑える。気に入らないやつを破滅させるために、他にもっと簡単で安価な手段がいくらでもあるだろうにものすごく手の込んだ茶番を仕掛けて、自分も小芝居に参加するとか。