北原尚彦のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
上下巻を読んでの感想です。
モリアーティ教授(シャーロック・ホームズのライバル)の片腕「バッシャー」モラン大佐を主人公にした、いわゆるホームズのパスティーシュ本なんだけど、ホームズと同じ時代を舞台にしている他の作品からも色々とネタを持ってきているから、そのあたりの小説も読んだことがある人なら、思わずニヤリとしてしまう場面がたくさんあるんじゃないかな(ちなみに自分は第2章と第3章でニヤリとしてしまった)。
ただ、序章と第1章の前半はすごく退屈。
あまりにも退屈なので、途中で本をブン投げてしまおうかと思ったことも……
でも、我慢して読み続けていたら急に面白くなってきたから、もし最初だけ読んでもう読むのやめた!っていう人がいたら、第2章から読めばオーケーv(^^)
自分的におすすめなのはコミカルな第3章とハードな第6章。
これを読んだら、またホームズ本編を読みたくなっちゃった。 -
Posted by ブクログ
ホームズの宿敵モリアーティ教授の活躍を描いたモラン大佐の手記、という形のホームズパスティーシュ。
犯罪者に計画や助言を与える教授のもとにはさまざまな事件が持ち込まれるが、依頼人も悪党なので一筋縄ではいかず、モランも翻弄されることになる。
上巻には4つの事件が描かれており、どれも元祖ホームズを知っているほどにニヤリとすること間違いなし。
ホームズに出てくるモリアーティは冷酷無比な悪の権化というイメージだったが、この作品ではけっこうお茶目で笑える。気に入らないやつを破滅させるために、他にもっと簡単で安価な手段がいくらでもあるだろうにものすごく手の込んだ茶番を仕掛けて、自分も小芝居に参加するとか。
モランの手記は(イートン校出身だから?)回りくどい言い回しが多くて、慣れるまでたいそう読みづらかったが、彼の教授に対する複雑な想いがにじみ出ているのがよかった。「冷血な哀愁の狂人」とか言ってるし。
上巻ではホームズは登場しないが、下巻ではやはり滝の話で終わるのかどうか楽しみ。 -
Posted by ブクログ
これほど聖典のネタバレ・改変・オマージュ甚だしいホームズ・パスティーシュをかつて見たことがあったかしら(笑)。※ガイリチ映画除く←
うーん、すごい楽しいの読んじゃったわ〜(笑)。
BBCシャーロックのボズウェル兼ガーディアン兼マミー()であるBBCジョンが、ブログにUPするのをちょっと躊躇う内容ばかりを収めた短編集、という体裁の本作。
とにかく印象強いのが、徹頭徹尾あふれる聖典&BBCへの愛とリスペクトです。
しっかりそれぞれの元ネタを材料にしてるから、こんなに面白いんだろうな。そうじゃなきゃただのブロマンス風味な二次創作になっちゃうもんね。特に表題作とかさ…(笑)。これ、BBCに怒られないかね(笑)。
ジョンが本編よりかなりおマヌケな感じで愛しい(笑)のもご愛嬌ですね〜(^^)
ジョンに比べると、シャーロックのキャラはちょっと物足りなかったかも。聖典ぽい印象もところどころで受けたなー。タイトルや作品名にはジョンの名前が付いてるし、これはジョンにフォーカスしたってことなのかな。
とまれ、BBCシャーロックに親しんでる方には是非お勧めしたい作品です!
ただ、聖典オンリーの方は、かなり違和感感じると思います。普通にスマホとかPCとかブログとか言ってるし(笑)。
あ、大事なこと言い忘れてましたが、BBCは観たけど聖典読んだことなーいな方!
時間はかかりますが、まずは聖典を一通り読んでから今作を読むことを強く強くオススメします!その方が何倍も楽しめるはず〜*\(^o^)/*
全編通して本家のネタバレしまくっていますが、中でもまだらの綱は完全にOUTです(笑)。インパクト強いあのオチを言っちゃってます。今思い出しても綱の真相は笑えるわ〜(^^)
◎ジョンの推理法修行…同居人に倣って「相手の外見を観察し、過去の行動を推理する」推理術を試してみるジョン!
◎ジョン、全裸連盟へ行く…全裸になることが趣味の男が、「全裸連盟」を追い出された原因の究明をシャーロックに依頼した。調査の為に、全裸連盟に文字通り裸一貫で乗り出すジョン!!
◎ジョンと人生のねじれた女…目と鼻の先で忽然と蒸発した妻の行方を追って欲しいーー依頼を受けた2人だったが、やがて真実を突き止めたシャーロックは、自身の相棒を指差した。「君がそもそもの元凶だ、ジョン」どうするどうなる、ジョン!!!
◎ジョンと美人サイクリスト…サイクリング中にストーキングされているーー依頼を受けて美人とサイクリングに並走することになったジョン!!!!
◎ジョン、三恐怖館へ行く…(日本人には
嬉しいトリック)(笑)
◎ジョンとまだらの綱…紐じゃなく綱(察し)。 -
Posted by ブクログ
BBCのドラマ「シャーロック」へのオマージュであるという本作、もちろん、21世紀を舞台とするホームズものパスティーシュだ。
ミステリマガジン上の隔月連載だったというが、ミステリマガジンがこの頃非常に入手しづらく、読むことができなかったので、待望していた新刊ということになる。
内容は期待を裏切らなかった~!
ホームズの「いやらしさ」がたっぷりと満載された短篇集で、その楽しいこと。
ところで、先日たまたま、直接お話をうかがう機会があったのだが、その中で、
「通勤をやめると、運動ができない。本を読む時間もとれない」
というものがあった。本巻のなかにも、勤め口をやめて太ったとか、なんかそんな話題が多いのは、もしかして、作者の体験がダイレクトに反映されてる? -
Posted by ブクログ
ネタバレ題名がこんなんなので『大丈夫か…?』と思ったがなかなか良かった。
ドラマ版のパスティーシュだけど、話のもっていきかたは聖典に似ててどっちも好きな私は面白く読めた。
事件は全体的に聖典のパロなので途中までの展開なんかは似せてるとこが多いが、結末は変えているので読み出した途端最後まで簡単にわかってしまうということはないと思う。
ちょっと無理のある展開もあったけど…。
『ジョン、全裸連盟へ行く』には聖典の確か『三人ガリデブ』に出てくるジョンの心配をするシャーロックという好きなシーンも入ってたし良かった。
全体的にジョンが弄ばれてるというか苦労しててそこも現代版の二人みたいで面白かった。 -
Posted by ブクログ
実は(?)本日引越しでした。世の中、やっぱり何でもその道のプロに任せるのが一番!今日は運送屋さんからガス屋さん、はたまたインテリアデザイナーの方まで「引越し」というテーマでお話ができなかなか楽しい一時を過ごせました。クタクタですけどね・・・。なので今日は引越しに関連付けて「都市」をテーマにした一冊を。
みなさん都市伝説ってご存知ですか?平たく言えば「うわさ」ですが、特に妙に真実味のある奇妙な噂を総称して「都市伝説」と名付けている気がします。良く知られている例として"口さけ女"や"学校の7不思議"なんかがあります。発端はアメリカらしく、まさにそのまま「Urban Legend」。アメリカ発の有名なお話は次の様なものが・・・
ある日、両親がパーティーに出かけ、幼い姉妹二人で一夜を過ごさなければならなかった。姉妹は2段ベッドに寝ており姉が上、妹が下である。両親から「戸締りをしっかりとしなさい」と言われていた姉はその通りに守り、家の窓、ドアすべてに鍵をかけ自分達の部屋へ戻る。妹を寝かそうと思いきや、両親がいないことにはしゃいだ妹はおもちゃを床一面に広げ寝ようとしない。何度も言い聞かせ、ようやく妹をベットに寝かす事ができた。床一面のおもちゃを片づけ、自分も二段ベットの上に上がる。しばらくすると突然姉が「家政婦さんが来た!迎えに行こう!」と言って妹を起こし、外に出ようとする。妹は外に出るなとあれだけ言われたので「嫌だ」と駄々をこねるが、姉は強引に妹を連れて家の外へ飛び出す。そして隣の家まで走り始めた。
隣の家に着き、姉が話したことそれは・・・
「2段ベットと床の間にナイフを持った男が潜んでたんです。妹のおもちゃを片している時、気が付いたんです」。
と、僕が昔仕入れた話はこんなようでした。・・・
ようやく本編、この「都市伝説」をテーマとした9話からなる短編集。口裂け女の話を怪奇的ではなく、ラブロマン的に新たに創作した"わが愛しの口裂け女"。落武者に関する怪談をこれまた別の視点の怖さで描いた"飢えている刀鋩"。学校の怪談の定番を上手く料理した"見るなの本"。死後の不思議な感覚をライトに描いた"名残"、などなど。一瞬「これ都市伝説か?!」と思ってしまうものもありますが、そこは大目に。個人的には、若干苦笑してしまいましたが、ラストシーンが見事な"わが愛しの口裂け女"がお勧め!
KEY WORD>>平成都市伝説
9人の作家が都市伝説をテーマに物語を作成したオムニバス作品。夜のバス停で助けた女性はなぜか大きなマスクをしていた。助けた後も、会う事を重ねていた二人であったが、その女性には不思議な癖があった。その癖を知った主人公は・・・。口裂け女の物語の恐怖を脇に置いて書かれた作品"わが愛しの口裂け女"より。 -
Posted by ブクログ
不滅の名探偵シャーロック・ホームズを生み出したコナン・ドイルの短編集。幻のデビュー作から死亡前に書かれたモノまでなので時代的に幅広い。また解説にある通り新潮文庫の『ドイル傑作選』辺りと重複しない様な選定となっている気の使いようである。サスペンス、仮想戦記、ギャングなどなどジャンルも一様では無い。一貫しているのは読み易い文章である事。これはドイルの天稟もあるだろうが本人がかなり注意していたと推察される。話自体はそんなに傑作とも思えないが御者が色々な事件を語る話はキャラ設定を上手くすればシリーズ化したのではあるまいか。
あとベル博士らしき医師の観察眼の話などはホームズファンなら直ぐに気づかれるであろう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレトンデモなオチや、ぼんやりしたオチが多くて、ホームズを読んでいるときほどの楽しさはなかった。
この中で一番好きなのは『ハンプシャー州の淋しい家』かな。
片田舎に住む老夫婦の元に、どうも金を持っていそうな若者がやってきて一晩泊める話。
因果応報的な話でよかった。
解説を読むとどうもイギリスの民話に似たような話があるらしい。
あとは、『幽霊選び』もコミカルさと心霊現象の恐ろしさみたいなのが合わさってて面白かった。
『真夜中の客』も良かったけど、『ハンプシャー州の淋しい家』に似たような話ではあった。
『やりきれない話』はタイトル通り本当にやりきれない話。
ロシア文学にもありそうな悲惨さ。