明野照葉のレビュー一覧

  • 契約

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     明野照葉らしい作品でした。南欧子は宗教の季刊誌等を手がける編集者。カードローンがあり,不倫をし,ダメな恋愛をしてい34歳。そんな彼女にヘッドハンティングがきて…

     おいしい話には裏がありますね。これはしっかり覚えておかなければならないけれども,人間舞い上がるとそれが認識しずらくなるのをこの本を読んで改めて感じました。「自分は選ばれた人間だ」という考えを持ったことがある人は要注意。それにしても女の執念は怖いけど,今回のは少し理解しにくい部分があったかなと思います。

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    2010年11月24日
  • 四階の女

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     鋭い聴覚を持って生まれた真昼は静かなマンションの四階で翻訳をしながら暮らしている。ある日上の階に新しい入居者が入り,真昼は上の階の住人の物音が気になりだす。しかし上の階の住人は男であるが手を頻繁に洗う以外はあまり音を立てずに生活をする。逆にそれが気になり出し,真昼は彼を殺人者だと感じ取り・・・

     いつもの明野照葉作品よりは面白くなかったです。何か誰にも感情移入出来なくて。ただ結局自分の保身に入る人間の裏側はよく描かれていたと思います。

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    2010年11月13日
  • 冷ややかな肌

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    おもしろくないという訳じゃないし、着眼点はおもしろいと思うのだけど、なんというかすっきりしないのは、キャラが魅力的じゃないからかなあ。

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    2011年09月12日
  • 降臨

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    きっと人間の奥底にはこんな精神が潜んでいるのかもしれない。短編集なのだけど、最初と最後の小説は、同じ人物が登場する。ホラーなのかミステリーなのか。心が読めてしまったり、羨望の女性が、実はとんでもない人物だったり、元彼女の幽霊に悩まされていた男のトラウマだったり。妄想殺人だったり。読み進めていくと奇妙な気持ちになっていく。何かの負の力によって、奥底に潜んでいる負の悪魔が顔をだした、そんな物語だった。負を抱え込んでいる時に読むと、共感できるかもしれない。

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    2010年11月04日
  • 契約

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    南欧子(なおこ)、桃子 小学生時代のいじめ、復讐?
    桃子の傷を負った気持はわかるが、結局はいじめ返していることを正当化しているにすぎない。 しかも大人の知恵を使いいじめ倒すのはかなり陰湿。

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    2010年11月01日
  • 四階の女

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    全体的には面白かったし、着想はなるほどと思う。
    でも前半、特に第一章は展開がありきたりで、のろくて退屈。後半に行くに従い、おもしろくなってきた。
    彼女の作品って、すっきりとした結末がないが、それがいいのかもしれない。

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    2010年10月22日
  • 契約

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    女は怖いねえ。いじめを受けていたり貧しかった過去には同情するが、だからって今更そこまで執拗に復讐するか?と思うと全然同情できなくなりました。読んでいてイライラする。恨みはない、ただ自分を正しく認識してほしいだけ、とか言われても…いや結局のところ憎いんでしょ?と。
    まあ甘い話に食いついてしまった南欧子もたいがい愚かだけれど、さすがにちょっとかわいそう。

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    2010年10月19日
  • 契約

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    高校時代にクラスのマドンナだった女性が転げ落ちるような人生を送って、今は冴えない職場でつまらない人生を送っている。そこに突然、エステで身体を磨いてカルチャースクールで教養を高めてほしいとの転職依頼が来る。新手の詐欺かと疑うが、結局契約を結ぶ。
    しかし、これは彼女を狙った元クラスメートの企みだった。
    20年近い歳月を経て行われるいじめの復讐が狙い。

    解決方法と恨みが中途半端だけど、落ちた女が復活しようともがく姿が痛々しく生々しい。

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    2010年10月17日
  • 契約

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    執念。おそろしい。


    自分自身を正しく知らなければ、正しい判断はできない。正しい人生は歩めない。

    逃げるということは、ただ問題を先送りにするだけで、何の解決にもならない。問題はそのまま未来に残される。

    作中で印象に残った言葉。

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    2010年08月09日
  • 棲家(新装版)

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    恋人のために、新しい部屋を探しはじめた中内希和は、一軒目に紹介された物件を一目見て気に入ってしまう。それは、風変わりな洋館だった。家賃五万円、赤みの強い錆色をした瓦屋根、動植物を象ったレリーフや幾何学模様のモザイクのある外壁、軒先飾りや破風飾り、フレンチウィンドーのテラス...。希和にとって最高の部屋に思えた。さっそく引っ越した希和は恋人を招き、幸せな時間を過ごそうとするのだが―。傑作サスペンス小説、待望の新装版。

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    2010年06月22日
  • 降臨

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    何が正しいのか。何が正常なのか。
    読んでるうちにだんだん分からなくなってきた。
    他の人の負の感情を読めてしまう人、自分が認めたくないものから逃げるために自分に嘘をつく人、頑張りすぎて突然神のお告げがあったと何もしたくなる人…。
    みんな真剣でありながら、自分が異常ではないかとか悩んでいる。
    読んでいると「変」と感じることは多かったが、じゃあ、普通ってなんだろう?と考え始めてしまう本だった。

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    2010年06月12日
  • 四階の女

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    超能力とかそういうのが割と好きなので、面白く読めました。
    この作者は好きで、目にする度に手にとって読みます。設定が引きつけられる。
    ただ、いつもラストに向けて、少し疾走感がなくなるというか、私好みの終わり方ではないな、という感じがします。まあ感じ方はひとそれぞれなので。
    それでもまた新作が出れば買うのだと思います。
    今回のは続編があったらいいなと思いました。

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    2010年05月30日
  • 輪(RINKAI)廻

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    文庫を見つけたら、必ず買っている作者の一人です。
    毎回引きつけられる設定で、面白く読めます。
    子どもの頃から違和感のあった母子との関係。自分の娘への思い。
    真実が分かっていくにつれ、変わっていく心情が切なくて、また迫るものがありました。
    この作者の作品には、いつもどうしようもない悪人が出てきますね。根っからの悪としか思えないような。
    ラストは、うーん。私的にはこ、うなるしかなかったのかな、と、ちょっと、ボリュームが欲しかった感じです。

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    2010年05月30日
  • さえずる舌

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    滅入りますなぁ、これは。

    ものの価値基準にしろ行動基準にしろ、
    善悪の判断っていうのは、
    人によって違うっていうことですよね。

    あくまで社会的な基準や倫理観に即した中での逸脱なら
    問題ないのかとか、
    適応できないのが病気じゃなないなら、
    どう対応するんだとか、
    善人ぶっても結局自分が可愛いのは当たり前なのに、
    何でそこで悩んだり自分を責めたりしなくちゃならんのだとか、
    いろんなことを考えます。

    社会から弾き出されない程度に、
    自分の中でうまく折り合いつけていくしかないってことですかね。

    ☆☆☆3つ

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    2010年04月04日
  • 澪(みお)つくし

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     やや不気味なイメージの著作が多いこの著者の短編集。。。
     「汝の名」などを何度か手にとって見たのだが,長編ばかりで,初めて読むのに,大きく外れてもイヤだなと思って,いままでまだ読まずにきていた。
     今回短編集ということもあって,買ってみた。
     女性らしい筆致の小説。民話やその土地にある言い伝えを下敷きにしたような展開のストーリーが多い。
     怖さはほどほどかな。。。。悪くはない。
     また機会があったら,別作を読んでみてもいいかな。

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    2010年03月09日
  • さえずる舌

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    ああ、いるいるこういう女性。というのを書かせたら上手いなーやっぱり。
    何を読んでも、ある一定以上の質を持っている作家さんだけど、もう一度読みたい!と思うには、何かが足りない。
    登場人物の中に、もう一度この本に引き寄せるだけの魅力がある登場人物がいないせいなのか・・・。
    好きな作家なんだけど、やっぱり「後、一歩!」

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    2010年03月08日
  • 聖域 調査員・森山環

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    実在する「あの団体」がモデルかな。
    そして自分の育ったニュータウンが登場。
    重松さんの「定年ゴジラ」だったり、他の人の作品にも出てきたり、思わぬところで自分の育った土地が良く取り上げられていて、ドキドキする。
    今はもう、その土地を離れて生活しているし、同じように当時の同級生は皆、ニュータウンから巣立ってしまい地元には、誰もいない。
    ニュータウンがゴーストタウンに、二十年もたたないで変身してしまっている。

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    2010年03月08日
  • 澪(みお)つくし

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    とにかく高橋克彦の解説がいちいちウザったい。
    「私ならここで終わりとするが、著者はその先を書く」とかってどうでもいいっつーの。この人、以前から明野照葉を絶賛してるけど、何かわけあり?

    それはさておき、幽霊譚や超自然的要素をからめつつも、人間の心が最も怖い―というモダンホラーでは既にいささか手垢の着いた概念を未だに、しかし明確に描き出すのは、やはり著者の筆力なんだろうなとは思う。

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    2010年03月05日
  • さえずる舌

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    途中まではものすごく面白く読めて、もう寝る間も惜しんで読んだのに…。結末がどうにもがっかり。それで一件落着?ってちょっと安易な感じ。

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    2010年02月28日
  • 澪(みお)つくし

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    現代社会とは無縁と思われる習わしや言い伝え。その禁忌を破ったとき、平穏だったはずの世界が、恐ろしいものへと豹変する―。人の死にまつわる不思議な力を持つ家系に生れた女性の哀しみを描いた、著者のデビュー作「雨女」、その続篇となる表題作など、哀しみと恐怖に溢れる八篇を収録した短篇集。

    随分と民俗学的な短編の数々。
    いろいろ勉強されてる感じ。
    でもどうも中途半端な感じが否めない。
    「雨女」、「澪つくし」は結構面白かった。
    続編があることで、やっとまとまった感じ。
    これ、どこかモデルになってる舞台があるのか?
    それこそ沖縄辺りのどこかにありそう。

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    2010年01月11日