山本兼一のレビュー一覧

  • 修羅走る 関ヶ原

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    司馬遼太郎の『関ヶ原』が、そこに至るまでの経緯も著しているのに対し、この作品は関ヶ原の戦いそのものを、それぞれの武将の視点で描いている。
    石田三成から、徳川家康、黒田長政、福島正則、宇喜多秀家、大谷吉継、島左近、等々、名だたる武将ばかりでなく、土肥市太郎、松野重元、明石全登等々、一般にはあまり知られていない武将の活躍も描き、多角的な臨場感溢れる「関ヶ原」となっている。
    著者の、センテンスを短くした気迫あふれた筆運びにより、読み手もその場に恰も居合わすかのような興奮を禁じ得ない。読み終わってからも、闘いの興奮が冷めやらず、その余韻に浸りながら、読書の醍醐味に満足した。

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    2016年03月13日
  • 命もいらず名もいらず 下 明治篇

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    凄まじい生き様。
    まさに侍と呼ぶに相応しい。
    ちょいちょいおかしい行動はあるけど。
    後半は禅、神仏が多くなり解説が多くなる。
    もともとエピソードを集めているのでテンポが悪くなったのが残念。
    歴史上、あまり知られてない偉人。

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    2016年02月13日
  • おれは清麿

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    全1巻。
    「刀剣商ちょうじ屋光三郎シリーズ」にも出てくる
    刀鍛冶・源清麿の生涯。

    著者の真骨頂、職人もので刀鍛冶。
    面白くないはずがない。
    いろいろ不明なところがあるらしい清麿を
    説得力ある物語で再構築した手腕はさすが。

    ただ、なんでだろ、
    ちょっとあっさりした印象。
    というか、
    そもそも清麿が打った代表作ってどれなんだろう。
    刀の素人でも名前を知ってるような
    有名な刀打ってないのかな。
    清麿って名前のメジャーさに比べ、
    刀自体はメジャーじゃないのかな。
    あっさりした印象の根は
    刀自体の印象の少なさな気がしてきた。

    最初に打った刀が、
    清麿本人にとって重要なのはうなずけるが、
    目利き達に

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    2015年05月07日
  • 信長死すべし

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    ネタバレ

    「本能寺の変○○(読めばすぐ分けるけどあえて伏せます)黒幕説」を元にした時代小説。帯には「『利休にたずねよ』を軽々と超えて見せた。」とあるけれど、読んでみてあまり響かなかった。
    「黒幕説」に対して懐疑的なこともあるけれど、それ以上に、信長や光秀をはじめとする登場人物たちの描かれ方が平板すぎて感情移入しにくいし、「この説こそ本当かも」と思わせられるだけの迫力を感じなかった。これまで書かれつくしてきた感もある「本能寺の変」に挑戦したくなるのは、時代小説家としての性かもしれないけれど、もっと大胆に斬り込んでほしかったと思う。

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    2015年05月03日
  • 命もいらず名もいらず 下 明治篇

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    山岡鉄舟の話。幕末は旗本として徳川家に仕え、維新後は明治天皇に侍従(教育係)として仕えていた。撃剣、書道、禅に命をかけて修行を続け、悟りを開くことができたらしい。昔の人はすごいなぁ。

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    2015年11月09日
  • 信長死すべし

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    本能寺の変に至るまでの約一か月間を、当事者たちの視点から章ごとに描かれた作品。有名な歴史の出来事だけにとうに結末も基本的な流れも知っているが、退屈せずに読ませるところは作者のすごさかもしれない。人それぞれの正義があり、信念があるのだと感じた。

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    2015年04月22日
  • 信長死すべし

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    ネタバレ

    この私がこれを読んだ。
    ある意味、自画自賛。
    殿が殺される話ということが分かっている前提の本を読むなんて?!

    何が起こった?!>じぶん!

    えぇと、読みました。

    『火天の城』 を書いた筆者ですからね。これは良かったからね。(これも最後は殿の死で終わるんだけどさ……)

    興味があったので読んでみました。


    率直な意見としては、

    内裏が黒幕だったとしても、サルは絡んでいると思うんだよ? (なのにサルが登場しないって?!)

    でしょうか。

    あ、狸も黒かったです。
    でも、狸は事を起こす度胸を持ち合わせていなかった。ここの狸は長男を切腹させられたことを根に持ってる狸だった。

    金柑も謀反を起こ

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    2015年03月31日
  • 弾正の鷹

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    著者が駆け出しの頃の短編集5話。全て信長暗殺を企てたものだが、ここでの構想が、「白鷹伝」、「火天の城」など、その後、単行本に発展している。面白かったのはタイトル通り、弾正の鷹。この弾正とは松永弾正久秀のことで、とんでもなくブラックな下剋上武将。歴史小説、映画、ドラマ、歴史バラエティで主役になることはまず無さそうだが、今度探してみよう。

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    2015年11月09日
  • 白鷹伝 戦国秘録

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    鷹匠 小林家鷹の話。もともとは浅井長政に仕えるが、信長に滅ぼされたので、無類の鷹好きの信長に仕え、その後、秀吉、家康に仕えた。この時の鷹狩りは軍事演習を兼ねて行われたらしい、鷹匠はもともとは斥候の役目をこなせるほど頭脳は立ったみたい

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    2015年02月10日
  • 赤絵そうめん とびきり屋見立て帖

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    若宗匠、嫌なヤツと思っていたけれど、なんだか私と趣味が合いそうな感じ(--;)可愛いところもあって憎めないヤツになってきた(^^;)幕末の不穏な空気が漂ってきて大丈夫かな?と不安になる終わり方だったけれど、真之介とゆずの目利きと勝負強さで乗り気っていってほしい!まだまだ読み続けていたいけれど、後一冊で終わりなんですね(T-T)

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    2014年10月07日
  • ええもんひとつ とびきり屋見立て帖

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    相変わらず ゆず の目利きは素晴らしい!やっぱり幼い頃から、ええもんに触れていると違うんだなぁ(^^)最近、お茶席に行って道具を一通り紹介してもらったけれどサッパリ…(--;)たまにはええもんに触れないとね(^^;)しかし芹沢鴨はむちゃくちゃだなぁ(゜゜;)それから若宗匠は昔からダメなやつだ(`ヘ´)真之介を選んで正解(^^)/

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    2014年10月06日
  • 千両花嫁 とびきり屋見立て帖

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    奉公先のお嬢さん ゆず と駆け落ちして道具屋「とびきり屋」を開いた真之介。ほのぼの時代小説かと思っていたら、その店にやって来るお客さんが幕末に活躍した偉人ばかりで驚いた(゜゜;) お嬢さま育ちのゆずだけど、かなりの目利きだし、ここ一番の時の気っ風いの良さが素晴らしい!商売の駆け引きでハラハラドキドキする場面も多いけれど、最後には真之介の出自が明らかになったり、ゆずの両親にやっと結納金を受け取ってもらったりと明るい気持ちになった(^^)♪

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    2014年10月06日
  • 千両花嫁 とびきり屋見立て帖

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    ネタバレ

    時は文久3年(1863年)。将軍家茂が上洛を果たした年から話はスタート。まさにあの幕末の混沌が背景。装丁のイラストとは趣を異とする時代設定なれど、話が至ってのんびり調。新撰組、幕末の志士たち、歴史上の人物が、こぞって出てきても、エピソードのアクセント程度というところが気が抜けてる。時代劇ホームドラマ的なお話。気楽に読めるという点では及第点。

    奥さんが第4巻目になる「利休の茶杓」を買ってきてたので、チラと読ませてもらったのが発端。なにやらシリーズモノということが判り、1話から読むほうがよかろうと、「利休の茶杓」は1話目で置いて、まずこの1作目「千両花嫁」から。個々の話に特段関係があるわけではな

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    2014年07月14日
  • 銀の島

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    フランシスコ・ザビエルの日本来航、そして石見銀山を狙うポルトガルの陰謀をテーマにした歴史長編です。
    帯には「戦国史を根底から覆す驚天動地の歴史活劇」と有ります。しかし、出だしの衝撃「シャビエル(ザビエル)神父は嘘つきなれば、その言葉信ずるべからず」に対し、むしろ前半は何処か淡々と歴史の沿って話は進みます。もちろんザビエル神父は(排他的なところはあるにせよ)清廉潔白ですし。そして終盤、何だか急ぐかの様に一気に話が展開します。
    それまで顔は出していたものの、さほど重要そうでもなかった海賊・王直が主要人物として躍り出るのですが、どうもその人物像が何だか納得できないのです。複雑な人物像なのですが、そ

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    2016年05月29日
  • ええもんひとつ とびきり屋見立て帖

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    とびきり屋見立て帖シリーズ第2弾。
    表題の「ええもんひとつ」で、道具を買うコツは安いものを多く買うのではなく、本当にいいものをひとつ買うのだ、と道具屋の主人・真之介が言っているが、本当にその通りだと思った。
    値段の問題ではなく「ええもんひとつ」、大事に使っていければ道具も持ち主も幸せだろうなぁ。

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    2014年05月07日
  • 千両花嫁 とびきり屋見立て帖

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    幕末の京都で道具屋を営む夫婦が主人公。
    商人目線で幕末の志士たちが描かれる。
    有名人たちが数多く登場するが、それが町人目線で描かれていて面白い。
    京都の町人たちの京言葉に癒される。

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    2014年04月28日
  • 千両花嫁 とびきり屋見立て帖

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    山本兼一氏哀悼読書

    奉公していたお店の娘と駆け落ちし骨董屋の主となった夫婦のほのぼの物語。夫婦のやりとりも小気味好く、骨董の目利き、新撰組等歴史上の人物の登場も面白い。

    人の気持ちが一筋縄ではいかないところ等、普通ならこの流れだろと思うところに行かないところが、人生の深さを感じ良い。

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    2014年03月18日
  • 千両花嫁 とびきり屋見立て帖

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    道具やの若夫婦の物語。
    新撰組などが活躍した京都を舞台にしています。
    新撰組びいきさんには、ちょっと視点が面白くない
    設定かもしれません。ほんとに関西的視点だと思います。

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    2014年03月09日
  • 黄金の太刀 刀剣商ちょうじ屋光三郎

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    刀剣商光三郎が事件に巻き込まれ、謎を追っていく作品。筆者の作品は他の作品も細部にわたって描かれているので、この作品も楽しめた。日本刀の知識が無くても、引っ張り込める筆力がある気がする。

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    2014年01月13日
  • 黄金の太刀 刀剣商ちょうじ屋光三郎

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    作者山本兼一氏の他の作品とは異なり、この「刀剣商ちょうじ屋光三郎」シリーズはなにしろ日本刀に造詣深くなる。ストーリーの展開はちょっと物足りない感じもするが、刀鍛冶の作風と鍛造の凄みを感じる。

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    2013年11月25日