藤野千夜のレビュー一覧
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サブタイトルや章題に「妻」がつけられた今回は、英子との暮らしや思い出が多めに語られる。そのせいか、家族について考えるきっかけになった。
つくづく家族とは不思議なものである。血が繋がっていようがいまいが、別々の人間であることは違いない。それなのに、当たり前のように同じ家で暮らし、寝食を共にするのである。疎んじたり、憎んだり、情が湧いたり、愛おしく思ったり、相手の事をよく知っているつもりがやっぱりわからなかったり。
そんな家族のやり取りとくれば、じっとりしたお話になりそうだが、そこは良くも悪くも子どもたちにも自由にさせていた新平なので、からりとしている。駄目っぷりも愛情もぎゅっと詰まりながらもおも -
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未来のできごとは予知できないし、不測の事態に備えるのもキリがないし限界がある。そんな中、ゆるぎない備えがあるわけでもないのに、不安にさいなまれることもなくゆるりと暮らしている。
頼ったり、頼られたりする人が身近にいるということが、安心となるのかもしれない。
そう思えるほど、友人との間柄が大変にうらやましい。ご近所さんとのお付き合いも含め、距離感が絶妙なのである。頼り、頼られというものの共依存ではない。付かず離れず、寄り添いつつも深入りしない。本書そのものがその絶妙な距離感で描かれている。なにやら訳ありのようだが、それについて詳細は語られない。いろいろあったりもしたけど、今はこんな感じでのんびり -
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朝起きて運動をし軽い朝食を口にして、ルーティンをこなして喫茶店で美味しいものを食べ、気になる建築を見て回る、それがじい散歩。しかもかつては自分の事務所だった秘密基地まで持っている。
ただ老後の道楽というには少し変わった家庭環境で、息子3人は90近い両親に対する将来を考えていない、妻はいよいよ認知症の気が現れた。それでもあんまり悲壮感を感じないのは、このじいさんが自分のことは自分でやる、誰にも期待しない、楽しみは自分で見つける、健康のこともそれなりに考えているから。あとは次男(長女ともいう)が両親の愚痴やら何やらに程度に付き合ってくれていてさっぱりとした性格だから、読み手はそこまで気負わずにいら -
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私にとっては懐かしさを感じる作品でした。
いつ元の世界に帰れるかと不安にもなるけど、タイムスリップしたのが、家族仲良しで愛情たっぷりの温かい岩井家で良かったと思う。
長くいれば、居場所もできて情もわく。
ブラウン管のTV、黒電話、汲み取り式トイレ、ノストラダムスの大予言、こっくりさん、とあちこちに昭和を感じます。
穏やかな展開で、元の世界に帰れるかどうかはあまり気にならず、小学生女子の昭和暮らしを遠くから眺めている気分でした。
「優しさと温もりに包まれた、ノスタルジックな冒険譚」文庫本裏の言葉に納得。
個人的にちょっと物足りない気もするけど、女の子の冒険の日々をゆるく楽しみました。 -
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☆☆★
平成の小学6年生大森美々加が昭和49年の小学4年生小岩井さらとして目覚め、半年ほど〝さら〟として生きた物語。
ここから先はネタバレになります。
不思議な物語に理由はいらないと思うのだけれど、それにしても美々加がさらとして過ごした半年間の経験が平成の美々加になのん教訓ももたらしてくれてないというのは残念過ぎる。
わがままで頑固で甘えん坊な美々加が昭和の古き良き時代に翻弄されつつも家族や友人らに支えられ、乗り越えたさきには平成の家族を思いやれる女の子へと成長する物語である。となってくれたのなら、この長い物語にも意味が見出せたのだけれど…昭和でも平成でもただ家族を困らせ混乱させ不安にさせ -
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状況としては、ドロドロなのに、飄々としている新平さんに、こちらが脱力。しかし、最期まで面倒見てもらえた妻の英子さん、よかったね。
夫婦は、先に亡くなった方が幸せかも。
と書いてから、小見出しすべてが「妻の・・・」で始まっていることに気づいた。
若い頃はさんざん好き勝手やってた新平さん、いまだスケベ心は消えないが、妻への愛は老いてなお、って感じ。
うちの義父(92歳)も数年前まで同じ器械(脚広げるヤツ)でガシャガシャ運動していたが、昨年ついに施設に入所。でも新平さんは、まだまだ元気に息子(一人は自称娘だけど)たちの「親やってる」のがすごい。
80‐50問題どころか、90にして問題状態にはなってな