藤野千夜のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
学校に馴染めず長いこと休んでいる16歳の花と、祖母のゆり。
時間はたっぷりある2人は様々な団地に出かけ、そこで美味しいものを食べるという楽しみを見つけた。
そこに花の従兄弟たちが混じったり、ゆりのお友だちが混じったり。
花がどうして不登校になったのか‥‥などは詳しく書かれていないし、登場人物達も聞こうとはしません。あるがままの花を受け止めています。
そして、花も将来のことに不安を感じていながらも、好きなことや、反対に絶対にやりたくないことははっきりしているし、どんどん外にも出ていくし、案外しっかりしているんじゃないかな、と思います。
一方、ゆりの方はというと、数年前に連れ合いを亡くしたばかりで、これからの人生をどう過ごしていこうかと考えているところ。
花、ゆり、花の両親、読む人によって感情移入するのはそれぞれかもしれません。
なんだか楽しげな計画の途中で話は終わったので、その先もぜひ続編で知りたいです。
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Posted by ブクログ
もったいないなと思った。
花は、高校生活になじめなかった。どうして、その違和感の正体を見つめようとしなかったのだろう。何に拒否反応を示したのかは、突き詰めた方がいい。これからもその違和感たちには出会う可能性は高いのだから。そして、相容れないものを知るということは、自分がほんとうに求めているものを知るきっかけともなりうる。何の疑問も持たず高校生活になじめる者(私もそうであった)には、なかなか辿り着けない境地なのに。
花の周りはとても優しい人に溢れている。でもその優しい手から差し出されたものに包まれて、成長のチャンスを逃してしまいそうなのがどうにも口惜しい。これは、物語の冒頭で、ゆりが仕事をしてみたいといった時と同じ構図なのではないか。無理するなと言ってその場所に留まらせている。これって優しさなのだろうか?
花が高校生活で傷つき、損なわれたのであれば、回復の時間は必要だ。けれどもどうやらそうでもなさそうだ。損なわれる前に回避したのだろう。
例えば花が、高校やアルバイトなどの職場、あるいは日々の暮らしの中に彼女なりの主戦場があり、趣味としてのおばあちゃんとの団地巡りだとしたら、素直に「小さな幸せ」を素敵だと思えたことだろう。けれども、この状況では花の人生が、他者によって差し出された「小さな幸せ」に閉じ込められるような気がしてしまう。
花は違和感に気付いたのだ。それこそゆっくりでいいから、幸せは自分でつかみ取って欲しい。 -
Posted by ブクログ
大好きだった『団地のふたり』。第三弾かしら?と期待して読んでみた。
大好きな二人は出てこないけれど、おばあちゃんと孫が首都圏の団地をめぐります。『団地のふたり』の二人ともどこかですれ違っているかも。
花ちゃん天くん星ちゃん3人とも、おばあちゃんと仲良しで4人のやりとりがとても微笑ましい。おばあちゃんに頼まれごとをして、内容を聞く前に第一声から「いいよ」と答える天くんが漢だなぁ。タイ料理はおばあちゃんの口に合わないんじゃないかと心配する様子も優しさが溢れていてほっこりしてしまう。
メモ(みんな実在する団地お店なのかしら?)
豊洲四丁目団地(すきやばし次郎)
希望ヶ丘団地(BANGKOK KITHENDELI)
鶴川団地(浅野屋)
私も団地めぐりがしたくなりました。
昭和の建物は大好物です。
どこかの団地に『ばあちゃんカフェ』があるかしら?
20250726 -
Posted by ブクログ
高校に馴染めずにずっと休んでいる花に祖母が、昔住んでいた団地に行ってみたいと言いだし…。
祖母の昔の記憶を辿り、団地周辺を歩きながら懐かしさや新しい店の発見に驚いたりしつつ、ランチを楽しむ。
昔の団地が、今もこんなふうに生きてるって嬉しいと祖母が言ったことから花は、次はこの団地に…というふうにいくつかの団地を巡りながら祖母とランチを楽しむ。
花とゆり(祖母)のお互いを思いやる優しさに温かくなりながら美味しいランチを楽しむのは、みていても心が和み憧れる。
花は、休学していた高校を辞めたのだが、これからあとのことはゆっくり考えていくのだろうか…
おばあちゃんも何も言わずに見守ってくれてる感じが良い。
もしかして、2人で団地カフェでもするのかな⁇と思わなくもない。
おばあちゃん、今日はどこに行く?と言って孫がランチに誘ってくれる、そんな日が来ればきっと嬉しいだろう。
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Posted by ブクログ
サブタイトルや章題に「妻」がつけられた今回は、英子との暮らしや思い出が多めに語られる。そのせいか、家族について考えるきっかけになった。
つくづく家族とは不思議なものである。血が繋がっていようがいまいが、別々の人間であることは違いない。それなのに、当たり前のように同じ家で暮らし、寝食を共にするのである。疎んじたり、憎んだり、情が湧いたり、愛おしく思ったり、相手の事をよく知っているつもりがやっぱりわからなかったり。
そんな家族のやり取りとくれば、じっとりしたお話になりそうだが、そこは良くも悪くも子どもたちにも自由にさせていた新平なので、からりとしている。駄目っぷりも愛情もぎゅっと詰まりながらもおもしろおかしく読み進められ、落語みたいだなと思った。