藤野千夜のレビュー一覧

  • 時穴みみか

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    ☆☆★
    平成の小学6年生大森美々加が昭和49年の小学4年生小岩井さらとして目覚め、半年ほど〝さら〟として生きた物語。

    ここから先はネタバレになります。
    不思議な物語に理由はいらないと思うのだけれど、それにしても美々加がさらとして過ごした半年間の経験が平成の美々加になのん教訓ももたらしてくれてないというのは残念過ぎる。

    わがままで頑固で甘えん坊な美々加が昭和の古き良き時代に翻弄されつつも家族や友人らに支えられ、乗り越えたさきには平成の家族を思いやれる女の子へと成長する物語である。となってくれたのなら、この長い物語にも意味が見出せたのだけれど…昭和でも平成でもただ家族を困らせ混乱させ不安にさせるに止まっている。
    どういうことだ。

    ならば、家族と過ごす最後の貴重な半年間を見ず知らずの美々加に受け渡したさらの想いはいったいどこに着地すればいいというのだろう。
    無念。
    私がさらであったならそう思う。

    最後の最後で初めに戻って、大森美々花が実在することに保健室の先生や美々加が知らないのも不自然すぎた。
    むしろその存在を知っているからこそ「昔、美々加ちゃんと同じ名前の宝ジェンヌがいたんだよー。」という伏線から、もしかして!ってことで小岩井家に赴いてみようという流れであったほうが自然だったかな。

    ストーリーは悪くないのに、いわゆる伏線回収が殆どなくてただ過去に行った。帰ってきた。に留まっている。熊谷さんとの関係は?阿部さんや高島さんは?さらさんに手を合わせてないよ。
    いろいろモヤっとして終わる。

    今年の13冊目

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    2024年05月05日
  • 君のいた日々

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    切なくて穏やかな話。話の流れを理解するのに少し時間がかかってしまった。身近にいる人との時間を大切にしたいと改めて思いました。

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    2024年04月04日
  • 夏の約束

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    うすーいカルピスみたいな本。唯一のアクションシーンは終盤、顔に銅製の片手鍋が直撃するところぐらい。顎を割って入院した知り合いがいる自分にとっては、被害者の入院シーンは実にリアルに情景が浮かんだ。

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    2023年10月09日
  • ナナイロノコイ

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    ミーヨンさんのくらげ

    情景や感情の表現が美しく、文をそのまま想像すると心地よく抽象画を眺めているような気持ちになった。エモくて気怠さがなぜか優しいこの一作は好みです。

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    2023年09月19日
  • 編集ども集まれ!

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    物語かと思って読んだら自伝だった。
    最初同一人物なのかどうか意味が分からず、男なのか女なのか分からず、何か読み抜けした?って。
    この2人はいつ出会うんだろう?って読んでました。
    私よりも10歳以上歳上の話。
    同年代の人が、同じ様な話を書いてくれたら、すごく楽しそう、って思う。
    ちょっと人物がわからない人が、沢山いたので…

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    2023年07月22日
  • ナナイロノコイ

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    恋愛小説、短編集。どれも味がある。
    オトコとオンナって結局は完璧には分かり合えないんじゃないのかな?って思う。

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    2023年07月02日
  • すしそばてんぷら

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    ネタバレ

    目次
    ・お江戸の味
    ・どじょっこたち
    ・酢めしの話
    ・変わらぬ味
    ・藪から蕎麦
    ・ひなまつり
    ・お花見日和
    ・川の景色

    多分初めての藤野千夜。
    人気のある作家の作品なので、楽しみに読んだのだけれど、思ったのと違ったな。

    朝の情報番組でお天気お姉さんをしている寿々は、都下に実家があるけれど通勤に便利という理由で祖母の家で暮らしている。
    隅田川に近い下町で暮らす料理上手の祖母、昔なじみの友達。ふむふむ。
    何度も挑戦しているけれど合格できない気象予報士の仕事。ふむふむ。
    直前まで進んだのに流れてしまった結婚話。ふむふむ。
    社長の勧めに従って始めた「江戸町めぐり」ブログからのBSのお江戸番組のアシスタントに抜擢。ふむふむ。

    ねえ、一体何を書きたい話だったの?

    寿々は周囲の人に恵まれている。
    親戚の口添えで今の事務所に所属し、なんとなく仕事もうまくいっている。
    でも、なんとなく、なのよ。
    お仕事のことを書いているけれど、お仕事小説ではない。

    「江戸町めぐり」のブログにしても、そんなに江戸に詳しいわけではないから、1日に1回更新するのがせいぜいって、どれだけ更新するつもりなん?
    書いてることは江戸時代から続く名店で美味しいものを食べて、ちょっと歴史のエピソード(ネタ元はおばあちゃん)を書くくらいで、よく毎日更新できるな、逆に。

    江戸時代から続く名点があるかと思えば、時代から取り残され寂れていく友だちの酒屋。
    ここで何か有効なアドバイスをするのかと思えば、対策として宝くじを買うくらい。(近代的なビルにするつもりらしい)

    好きな人ができたと言って寿々のもとを去った元婚約者からの未練がましいメール。
    この婚約者が本当に嫌なやつで、寿々が有名になったからよりを戻したがっているのかと思いきや、本当にちょっとした未練だったらしい。

    なんか大きな風呂敷が拡げられましたが、最初から最後まで風呂敷の上のものは変わらず、風呂敷が畳まれることもなく終わったような感じです。
    一冊読み終わってここまで成長と無縁の主人公も珍しいかも。
    素材が良いだけに残念でした。

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    2022年12月02日
  • 彼女の部屋

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    津村記久子に続く女性作家を探す活動の一環。特にイヤな感じのキャラクター造形とか、異次元的ストーリーとかに共通するものを感じる。
    「ハローウィーン」や「父の帰宅」における、微妙にズラした結末が物悲しくて、とても良かった。
    東京っぽい繊細さがあるのかな。3.6

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    2022年09月11日
  • 掌篇歳時記 秋冬

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    12人の作家による秋冬の歳時記にあわせた短編集。はじめましての作家も数人。好みはそれぞれあるけれど、こんな編集でなければ出会わなかったと思う。
    春夏編が先だったと知る。

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    2022年03月06日
  • ナナイロノコイ

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    女性恋愛作家たちのアンソロジー。

    どんな時代も、いくつになっても、恋愛は人を惑わせる。

    「そしてふたたび、私たちのこと」角田光代

    高校生時代からたくさんの恋をして大人になっていく仲良し3人組。

    女性作家の書く恋愛小説には気のおけない女友達の存在が欠かせない。
    時にシビアで、時にやさしく、そしてあっさりと裏切られることもある。

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    2022年03月05日
  • ナナイロノコイ

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    初読みの作家さんもたくさん。
    ミーヨンという人のお話しだけ、途中放棄。あんなに短かったのに。でも読むのが苦痛で諦めた。絵描き女性が自身の絵を購入してくれた男性とドライブに行く話し。会話のテンポが意味わからずギブアップ。

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    2021年08月15日
  • ナナイロノコイ

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    随分とビターな恋愛ばかりでした。
    甘々よりこういうのが好みです。江國さん、角田さん、荒野さんのお話が好きでした。
    無性に、人と会話しながら食事をしたくなりました。このご時世、今は出来ないと思うととても羨ましく思えました。

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    2021年03月17日
  • 掌篇歳時記 秋冬

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    ショートパンツを穿いてサンダル履き、シャーツの前をはだけて、腹を丸出しにして、裾を風にはためかせている奴の姿を見ると、破滅の予感が沸いてくる。Tシャーツに印刷された絵や文字は、どうにも珍妙で道理に反している。自分の内在している思想や感情を表現しているように見えてしまうことが卑怯すぎる。見えてしまうことによって、人は破滅に向かう。Tシャーツ1枚で偉そうに思想を語った気になる。自分の弱いモチーフを服によって増幅させる。これは刺青をちらつかせて人を威圧するのと変わらない。相応の覚悟もないまま雰囲気だけまとって、さも中身があるかのように取り繕う人間には破滅の道があるだけ。破滅が恐ろしくてTシャーツが着られない。
    直木賞、芥川賞など、超一流の作家たちが季節をモチーフにそれぞれが時節の表情を独特のタッチで描ききる。

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    2020年01月18日
  • 願い

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    読みやすいけど特に何も残らない…。
    子供3人も産んで育ててくれた妻に対して、嫁選びに失敗したとか言う男の話は胸糞悪かった。
    ツイ廃のヒモ彼氏にフラれたアラフォー女をみんなで励ます話は好きだったな。女友達っていいなあ。

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    2019年11月15日
  • 夏の約束

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    この作者が織りなす悲しみの雰囲気は、少しだけ癖になりそう。
    ハッキリと書くことなく、ジワリと滲ませる感じ。

    表題作の「夏の約束」について。
    MtFの美容師がひょんなことから入院することになる。
    友人らがお見舞いに行くと、同じ病室の男性から心無い言葉を聞いてしまう。

    "隣のベッドに新しく入った中年男性が、白髪まじりの坊主あたまをなでまわしながら、あんた、おかまちゃんの友だち?とぎすぎすした声で訊いた"

    酷い。あまりの無理解さに頭痛がする。
    それでも、友人らは抗議することなく、当の本人が苦しむ描写も為されない。

    だけど、一人のゲイとして、あえて描かれなかった部分が容易に想像できてしまう。

    この他にも、マルオというゲイの登場人物に為された差別的なアクションがすらすらと書かれる。

    決してドラマチックに書かないことで、こんな差別的な言動は日常茶飯事でありふれたものなのだ、ということがむしろ強調されていた。
    そっか、1999年の作品。時代はまだ寛容への道すがら…。


    同時収録の「主婦と交番」も悪くなかった。
    電車恐怖症の主婦から見た世界は、マイノリティの生き方を感じさせて、夏の約束と同じエッセンスを持っていた。
    話と登場人物がよりシンプルなだけに、こちらの方が読みやすいかもしれない。


    さて、どちらの作品もある種の魅力的な囲気を持ってはいるのだけど、小説として秀でているかと言えば、凡庸さは否めない。ということは付記しておく。
    芥川賞、やっぱりよくわからない。

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    2019年07月21日
  • すしそばてんぷら

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    ネタバレ

    お天気お姉さんとして働く寿々が、江戸に関するブログを書くことになり、下町の昔も今も美味しい江戸にまつわる料理を食べていく様子。

    大好きな茶目っ気たっぷりのおばあちゃんと、幼馴染の酒屋の寛太。

    歴史と昔から食べられている美味しいもの。
    最高の組み合わせだね。

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    2019年04月01日
  • 彼女の部屋

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    短編集なんですが、だいぶ前に読み終えたので内容がまとめられない…(汗)。

    それでも、今でも印象に残ってるのは、【父の帰宅】。
    死人が生き返るという非日常に対する現実的な対応の生々しさ、その後の日常に戻るスマートさが、淡々と描かれているのに、やけに強烈だったなァ。

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    2019年01月17日
  • 願い

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     死にたいのか生きたいのか。死にたいのか生きたいのか。死にたいのか生きたいのか。死にたいのか生きたいのか。生きたいのか死にたいのか。
     心の中で何度も考え、
    「甘ったれんな」
     と小さく口に出して言った。
    (P.212)

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    2018年01月31日
  • ナナイロノコイ

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    韓国映画「愛してる、愛してない」の原作が、
    井上荒野の「帰れない猫」ということで読んでみたくて購入。
    7人の女流作家が集う恋愛アンソロジー。
    どれも読みやすくはあるけれど、
    強烈に印象に残るような話ではなかった。
    電車の中とかでの暇つぶしにはいいかな。

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    2015年10月20日
  • 彼女の部屋

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    ラストがはっきりしないタイプのお話。

    たぶんそこが味なんだけど、
    私はこういう本があんまり得意じゃない。

    想像力が足りない、
    と気づかせてくれる本でした。

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    2014年05月15日