江波光則のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
何もしなくても安全に暮らしていける管理されたシェルターマンション社会の出来事を、色々な時系列で切り取ったような短編集?長編?
各パートの視点キャラクターたちに共通する「泥臭さ」みたいなものが、世界観にがっちり嵌まってて良いなって思った。
マンション住民側は自己実現欲求だったり片思いだったりで思い悩む場面が目立つ一方で、黎明期の人達や外側の人を描いたパートは妙にカラッとしてたりして、その対比も好きだなぁ。リアリティ。
ダラダラ何もしなくても生かされる側の凡人と、損してるって自覚してても働いちゃう変わり者、そんな理想郷のような環境を拒んで反抗する勢力。
自分がこの世界の住人だったらどの立場になりたがるのかな……とか、読後に考えてみるのも楽しい(楽しいか??) -
Posted by ブクログ
トレパネーション。
頭蓋骨に穴を開ける手術。
脳は頭蓋骨に圧迫されている。
穴を開けて血の巡りを良くすると脳が活性化され使われていない潜在能力が引き出される。
人の心の深層に沈んでいる歪みを視覚化。
ヤクザの組長のところは能力による強さがあり爽快だった。
人の闇を取り払うことができるようになり、すごい。神みたいだと思った。
ラジオで秋山黄色さんが「もしトレパネーションの手術を受けて能力を得られるなら蟹が食べられるようになる能力が欲しい」と言っていて、それを聞いて「ホムンクルス」面白そう読みたいと思った。
映画化されているそうで、綾野剛さん。
映画も見てみたい。
1775との会話の時とか、ナナコさんとのシーンとか、中学校に置いて大丈夫なのか?ギリギリかもしれない。
それを確認する意味でも読んでみたかった。
で、みなさんが気になる結果は、
もしかしたら漫画はアウトかも。(漫画は未読だが)
これは小説版なのでエロさはギリギリセーフかもしれない。が、ラストのグロさはアウトかもしれない。
微妙なところ。黒に近いグレーというところ。
漫画原作とは少し内容が違うらしい。
映画はまだ観ていないが、映画版を小説化したらしい。
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購入済み
カンフーウィザードリィ
ウィザードリィのボーパルバニー、つまりは殺人ウサギにバニーガールを引っかけたガワだけか出てくる。
要するにゲーム要素は本編に一切なし。寧ろこの作品にこの要素を持ってくるのに大分ムチャしている。ある意味でその苦みこそ作者の意図だろうけど。
物語は全員暴力的な強さを求めていて、その途中で破滅することを最大の幸福と思っているイカれた連中しか出てこない。そうでないヤツらは殺されるか狂うかしているので、微塵も感情移入できる人物がおらず、しかしその暴力の魅力というものへの共感を力任せに抱かされる。
作中全員狂うことに一貫した芯があり、香港ノワール(ただしチョウ・ユンファの代わりに女版ジャッキー入れた感じ)という題材が好きならば、これもアリと思えることだろう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ世界の終末に備え建設された「アルカディアマンション」にまつわる御園一族の物語。各話ごとに時系列・世代が前後し、アルカディアマンションにまつわる謎が回収されてゆく構造になっている。
理想郷を追い求める日本が社会の均質化を招き、人々はマンションの中で暇潰しのように一生を終える。その世相の最中アル・ジャンナの血族は均質化に抵抗するように暴れまわる。
理想郷のために破壊するもの、維持し管理するもの、その過程を生きる個々人の人生に画一的な理想郷は無いのだろうなと思う。
短いながら数世代に渡るスケールで、彼らの生への諦念・情熱を楽しめた。 -
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俺たちのセックスドラッグバイオレンスな江波作品が帰ってきた。
吐き気のするような方法で黒い金を強奪した6人のならず者たちと事件後数年を経て突如彼らの前に現れたバニーガールの殺し合いを描いた今作。
「スピットファイア」や「我もまたアルカディアにあり」でもっと読みたいと感じていた江波の書く戦闘シーンがをたくさん読むことができてとても満足感がある。
物語の進行はターミネーター、ラストサマー、ノーカントリー的な主人公たち絶対殺すマンが追いかけてくる作品であるが、各キャラが己の持ち得る暴力で対抗し、ある者はバニーガールを退け、そしてある者は全力を出した上で敗北したという満足感を得て散っていく様は、作者のならず者たちへの愛しさのようなものを感じるし超爽快。主人公たちについて、過去の3億強奪時に蹂躙された母娘や通りがかっただけの一般市民たちへの不条理すぎる暴力には本当に不快感しかなくバニーガールにさっさと殺されてくれというヘイトを積み上げつつも、彼らの死に様を悔しいけど良いと思わせる手腕は流石。 -
Posted by ブクログ
クソガキだろうがそうじゃなかろうが子供は”まだ人間じゃない”のだが、社会的な扱いがどうであったとしても罪を犯せば何かしら心に楔が撃ち込まれるものだ。
傷が残らない程度の小さな罪を繰り返すことで子供は少しずつ学んで普通の人間になっていくが、その過程を飛び越えて取り返しのつかないことをしてしまったとき、環境がその子供を普通ではいられなくしてしまう。
途絶えることのないSNS上の炎上騒ぎも無知ゆえに行われたものもあるだろうし、炎上するそれ自体を英雄的行為と捉えて行ったものもあるだろう。
そして炎上している現在に後悔することができなくても、それを拡散し記録する仕組みがある以上、いつか過去の自分と向き合いどうしようもなく嫌悪するときがやってくる。
また罪は複数で共有することで希釈されるが、未来永劫その関係が続くとは限らない。
人間であろうとするなら一時の感情に流されて線を踏み越えないことを戒めとしたい。