江波光則のレビュー一覧

  • デスペラード ブルース

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    1巻丸々使った、長い長いプロローグだった。
    序盤は背景も着地点も読めないけど、3章から面白くなってくる!

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    2021年01月03日
  • ボーパルバニー

    購入済み

    カンフーウィザードリィ

    ウィザードリィのボーパルバニー、つまりは殺人ウサギにバニーガールを引っかけたガワだけか出てくる。

    要するにゲーム要素は本編に一切なし。寧ろこの作品にこの要素を持ってくるのに大分ムチャしている。ある意味でその苦みこそ作者の意図だろうけど。

    物語は全員暴力的な強さを求めていて、その途中で破滅することを最大の幸福と思っているイカれた連中しか出てこない。そうでないヤツらは殺されるか狂うかしているので、微塵も感情移入できる人物がおらず、しかしその暴力の魅力というものへの共感を力任せに抱かされる。
    作中全員狂うことに一貫した芯があり、香港ノワール(ただしチョウ・ユンファの代わりに女版ジャッキ

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    2020年07月01日
  • 屈折する星屑

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    面白かった。生きる意味を見出せない(モラトリアム)気分とか、よく解るし。
    最愛の女を失って七転八倒しているさまも、よく解るし。
    その先に何を求めるのか。”絶望の先に、それでも求めるならば”

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    2020年06月16日
  • ストレンジボイス

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    ライトノベル?というか
    ガガガ文庫ならでは黒黒どろどろ暗黒史観青春小説
    先に『パニッシュメント』を読んだあとだと印象に欠けるか
    キャラクタの個性がごろりころがしてあってくみ上げ不足に感じる

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    2018年12月09日
  • ペイルライダー

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    前作『パニッシュメント』に引き続き
    興味深い筋書きのお話であるところが良いところ
    高校という場でおきる事件というより状況に対し
    ライトノベル風でなく現実味というより小説における登場人物的なキャラクタが
    青春とか教養とかでなく冒険という非日常のひとつとして通過する話
    「非日常」にも現実味を持って起こりうるものとそうでないものとに
    区別され得ることを思い出させてくれるおはなしの面白さである
    文芸という点で昇華されなければ一山いくらで消費消えていく種の
    どこにでもあり小説にはされにくい物語

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    2018年12月08日
  • 密葬 -わたしを離さないで-

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    車に乗っているところのイラスト人物比縮尺がとっても気になる
    がそれはともかく
    暗黒なのかどうか昔すぎて対自分比縮尺があやふやでよくわからないが
    いろいろ悩んでこれからぼちぼちが青春で
    いろいろ疲れて夕暮れ時なのが教養小説だと思うが
    もちろん人生を長いと思うか辛いと思うか面倒と思うか
    何にいつどの程度どう感じてどうするかも
    自身の心境においてはどうとでも成りうるので
    構成だけの問題だとは思う
    作品での表現は啓蒙とか承認欲求だけで表現できないところも当然だ

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    2018年11月12日
  • 我もまたアルカディアにあり

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    ネタバレ

    世界の終末に備え建設された「アルカディアマンション」にまつわる御園一族の物語。各話ごとに時系列・世代が前後し、アルカディアマンションにまつわる謎が回収されてゆく構造になっている。

    理想郷を追い求める日本が社会の均質化を招き、人々はマンションの中で暇潰しのように一生を終える。その世相の最中アル・ジャンナの血族は均質化に抵抗するように暴れまわる。

    理想郷のために破壊するもの、維持し管理するもの、その過程を生きる個々人の人生に画一的な理想郷は無いのだろうなと思う。
    短いながら数世代に渡るスケールで、彼らの生への諦念・情熱を楽しめた。

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    2017年06月21日
  • 我もまたアルカディアにあり

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    虚無主義的ですらない虚無的な終わりがよかった。全体はそれとして、細かい部分でいろいろと気に入るところが多くて楽しい小説だった

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    2016年10月20日
  • ボーパルバニー#2

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    ネタバレ

    呂、ラスネイル、灰人の3陣営とその間を行き来するキャラが入り乱れるドンパチが最終的にああいう形に収束するのはやはり江波光則だなぁと。ラストの爽快感がたまらん。呂小丑やトーラス・ザ・ジャッジ等の前巻の内容も踏まえてるシーンにニヤニヤさせられるし悪党どもの生き急いでる闘いが魅せる魅せる。ラスネイルとグレイの扱いがアレだったのは心残りがあるな。どいつもこいつも命を大事にしないのだけれども、プリーストの(褒めてくれる対象が死んでいようとも)承認欲求のために命を張れるみたいなのが特に、こう、グッときてね。

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    2016年07月09日
  • 我もまたアルカディアにあり

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    理想郷ともいえるコミュニティを中心にした数世代にわたる連作短篇集。語り部が、本人だったり、その孫だったり、あるいは曾祖母だったりと、時間の並びが輻輳して分かりづらさはあるけど、人の繋がりや歴史ってのはそんなものだろう。ポジティブだったりペシミスティックだったりする登場人物達が個性的でかなり面白かった。

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    2016年06月30日
  • 我もまたアルカディアにあり

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    わりと面白かった。
    働かなくて良い世界、働かなくても生きていける、生きることができる世界。
    なんとなく理想のような、でも何も目的もなくなってしまうような、そんな世界でのお話。
    なんとなく、各話の登場人物の関連性が見えつつも、きちんと解説されるわけでもなく、想像任されたのだろうけれど、この書き方なら明確にして欲しかった、と思った。
    150923

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    2015年09月24日
  • ボーパルバニー

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    俺たちのセックスドラッグバイオレンスな江波作品が帰ってきた。
    吐き気のするような方法で黒い金を強奪した6人のならず者たちと事件後数年を経て突如彼らの前に現れたバニーガールの殺し合いを描いた今作。
    「スピットファイア」や「我もまたアルカディアにあり」でもっと読みたいと感じていた江波の書く戦闘シーンがをたくさん読むことができてとても満足感がある。
    物語の進行はターミネーター、ラストサマー、ノーカントリー的な主人公たち絶対殺すマンが追いかけてくる作品であるが、各キャラが己の持ち得る暴力で対抗し、ある者はバニーガールを退け、そしてある者は全力を出した上で敗北したという満足感を得て散っていく様は、作者の

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    2015年09月21日
  • 樹木葬 -死者の代弁者-

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    このシリーズ、鳥葬と密葬はそれほど、という感じだったのだけど、今巻は楽しく読めた。原因を考えたが、陵司が年取って自分や他人との距離の取り方に余裕が見えたのが大きいのだろうか。イラストも最初はポンチ絵とか思っててほんとスンマセンでした!

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    2015年09月14日
  • 我もまたアルカディアにあり

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    作者お得意の皮肉混じりな哲学を随所に散りばめつつSFガジェットも盛り込んで描かれた神話といった読み味。キャラの言動が激しくクッセエ癖にキャラクターたちがかわいくて最後に近づくにつれて泣けてくるし笑えてくるの、江波光則なんだよなぁ……

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    2015年09月13日
  • 鳥葬 -まだ人間じゃない-

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    ネタバレ

    主人公のネットに対する考え方がかなり変わっていて、完結したひねくれさだなと思った。自分が切り貼りされて拡散されるのが嫌っていうのはプライドが高いだけなような気もするけど、やってることがやってることだし仕方ないのかな。終始暗さが一貫してるのが逆によかった。あとあとがきがないラノベは初めて見たかもしれない。

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    2014年01月14日
  • パニッシュメント

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    表紙の感じと帯惹句とは若干ギャップがありますね。
    ”怒涛の恋”を恋愛ものとしての言葉で受け止めれば中身はスクールカーストと宗教でした、となりますわ。
    スクールカースト部分はAURAよりも陰湿な感じが妙にしっくりくるし、それは蓮也といういじめ実体験者の言葉からも感じ取れる。
    そして宗教。こちらについては父親の描写が若干薄く感じたものの、宗教と神様、それに縋る信者の構図をしっかりと捉えている。
    いかにもガガガっぽい作品です。ガガガ初心者の方に「ガガガってこんな感じ」というにはいいのかもしれません。

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    2013年12月13日
  • 鳥葬 -まだ人間じゃない-

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    クソガキだろうがそうじゃなかろうが子供は”まだ人間じゃない”のだが、社会的な扱いがどうであったとしても罪を犯せば何かしら心に楔が撃ち込まれるものだ。
    傷が残らない程度の小さな罪を繰り返すことで子供は少しずつ学んで普通の人間になっていくが、その過程を飛び越えて取り返しのつかないことをしてしまったとき、環境がその子供を普通ではいられなくしてしまう。

    途絶えることのないSNS上の炎上騒ぎも無知ゆえに行われたものもあるだろうし、炎上するそれ自体を英雄的行為と捉えて行ったものもあるだろう。
    そして炎上している現在に後悔することができなくても、それを拡散し記録する仕組みがある以上、いつか過去の自分と向き

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    2013年08月31日
  • ストレンジボイス

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    文化系トークラジオLife 司会のチャーリーオススメ小説
    いじめっ子、いじめられっ子、観察者の三角関係を主に観察者の視点で描く
    それぞれが常軌を逸した性格で、複雑な歪んだ内面表現が中心。
    ハッピーエンドでもバッドエンドでもなく、各々が持つ持ち味は内容がどうあれ人生ずっとそうあるもの、というのが見いだせるメッセージか。

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    2012年07月29日
  • パニッシュメント

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    ネタバレ

    新興宗教を扱ったラノベ。
    主人公をとりまく二人の女の子が、主人公の父が教祖の宗教で苦労している、という話。
    ラブコメ主流の男子向けでは珍しい題材で、しかも難しいテーマ。
    文章が淡々と描かれてて、一般向けっぽいところもあるけど、終盤の怒涛の展開はラノベだった。両方のよさをあわせもった良作かな。
    終始、七瀬の占いや克美の締め上げ方、父親の組織の束ね方、偽善者ぶった先生の指導法、アカの間宮女史のケンカの仕方など、さまざまなかけひきや人間関係のテンションが描かれていて楽しい。
    すごい上手い人なんだと思う。

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    2012年02月23日
  • ペイルライダー

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    孤独に酔う映画フリークの転校生デブが、密告蔓延る管理社会化したクラスの崩壊に挑む話。

    本来ディストピアSFで描かれるような大きな物語を、高校の1クラスという極小単位に圧縮転写した、意欲作。

    ラノベらしく自己陶酔的な主人公が、一貫性をもっていじめを煽る。
    好きなタイプのキャラクターではないが、ラストの潔さには結構なカタルシスを感じる。

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    2012年01月13日