【感想・ネタバレ】我もまたアルカディアにありのレビュー

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Posted by ブクログ 2016年04月12日

これはわりと好きだ。SFなのに(?)読みやすい。
某書店のSFフェアで買ったのだったか。ポップから作品への思いがあふれていて、書いた文庫担当の人と友達になりたい笑
「世界の終末に備える」と嘯く輩たちが建てるアルカディアマンション。そこでは一切の労働をしなくてもよい。一見楽園のようなその場所で、描かれ...続きを読むる男女の物語。4つの中編と幕間劇で構成されている。幕間劇の方が僕は好きで、そこでは世界がどう構成されていくかを描く。
どの中編も実は恋愛小説で、その辺も個人的には好きだった。滅びゆく世界で変わらない愛ってね。

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Posted by ブクログ 2015年07月29日

めちゃめちゃ面白くて一気に読みました!これは聖書がベースです。世界の終わりが近付いている世界。世界を終わらせようとしている世界。配置されているもの全てに意味があってめちゃめちゃよかった!オッドアイの御園一族。御園は神に捧げる作物を作る畑。御園洛音とアルバドル・フーリーは実の兄妹で夫婦。アダムとイブ…...続きを読むなのか。リリスかも。最初の二人からはじまってオッドアイの一族が方舟のなかで外でどんな風に交わっていくかが何百年にも渡って書かれている。なんて広大なんだろう。面白すぎた。久々にスゴく好きなSF作品にあたった。日本にもこんな面白い作品書くSF作家いたんやなーと。哲学的でもある。ワタシは作品には隠れてても見えててもいいから、哲学がないとダメだと思ってるから。これは自分の勝手な言い分ですが。

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Posted by ブクログ 2022年05月11日

何もしなくても安全に暮らしていける管理されたシェルターマンション社会の出来事を、色々な時系列で切り取ったような短編集?長編?
各パートの視点キャラクターたちに共通する「泥臭さ」みたいなものが、世界観にがっちり嵌まってて良いなって思った。
マンション住民側は自己実現欲求だったり片思いだったりで思い悩む...続きを読む場面が目立つ一方で、黎明期の人達や外側の人を描いたパートは妙にカラッとしてたりして、その対比も好きだなぁ。リアリティ。

ダラダラ何もしなくても生かされる側の凡人と、損してるって自覚してても働いちゃう変わり者、そんな理想郷のような環境を拒んで反抗する勢力。
自分がこの世界の住人だったらどの立場になりたがるのかな……とか、読後に考えてみるのも楽しい(楽しいか??)

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2017年06月21日

世界の終末に備え建設された「アルカディアマンション」にまつわる御園一族の物語。各話ごとに時系列・世代が前後し、アルカディアマンションにまつわる謎が回収されてゆく構造になっている。

理想郷を追い求める日本が社会の均質化を招き、人々はマンションの中で暇潰しのように一生を終える。その世相の最中アル・ジャ...続きを読むンナの血族は均質化に抵抗するように暴れまわる。

理想郷のために破壊するもの、維持し管理するもの、その過程を生きる個々人の人生に画一的な理想郷は無いのだろうなと思う。
短いながら数世代に渡るスケールで、彼らの生への諦念・情熱を楽しめた。

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Posted by ブクログ 2016年10月20日

虚無主義的ですらない虚無的な終わりがよかった。全体はそれとして、細かい部分でいろいろと気に入るところが多くて楽しい小説だった

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Posted by ブクログ 2016年06月30日

理想郷ともいえるコミュニティを中心にした数世代にわたる連作短篇集。語り部が、本人だったり、その孫だったり、あるいは曾祖母だったりと、時間の並びが輻輳して分かりづらさはあるけど、人の繋がりや歴史ってのはそんなものだろう。ポジティブだったりペシミスティックだったりする登場人物達が個性的でかなり面白かった...続きを読む

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Posted by ブクログ 2015年09月24日

わりと面白かった。
働かなくて良い世界、働かなくても生きていける、生きることができる世界。
なんとなく理想のような、でも何も目的もなくなってしまうような、そんな世界でのお話。
なんとなく、各話の登場人物の関連性が見えつつも、きちんと解説されるわけでもなく、想像任されたのだろうけれど、この書き方なら明...続きを読む確にして欲しかった、と思った。
150923

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Posted by ブクログ 2015年09月13日

作者お得意の皮肉混じりな哲学を随所に散りばめつつSFガジェットも盛り込んで描かれた神話といった読み味。キャラの言動が激しくクッセエ癖にキャラクターたちがかわいくて最後に近づくにつれて泣けてくるし笑えてくるの、江波光則なんだよなぁ……

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Posted by ブクログ 2018年08月18日

正直、めちゃくちゃ評価に困る1冊。世界の終末に備えたシェルター的存在のマンションに引きこもった人間たちを主軸に置いたストーリーから、ノアの箱舟的な要素を強く感じる。マンションの中では労働も必要なく、ただ娯楽を消費しさえすれば良いという設定も偽りのユートピア感があって良い。

ただし、自分はそこまで惹...続きを読むかれなかった…。ひょっとしたら物語に隠されたメタファーに気づけないと楽しめないタイプの本かもしれない。

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Posted by ブクログ 2018年07月29日

SF。ディストピア。終末。
連作短編集のような、長編のような。
アルカディア・マンション内の描写は、J・G・バラード『ハイ・ライズ』っぽい印象を受けた。
イマイチだなと思いながら読んでいたが、最終話「ディス・ランド・イズ・ユア・ランド」の結末と、エピローグ的な5章の読後感が良く、評価アップ。

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Posted by ブクログ 2017年02月20日

面白かったです。御園一族は一体何人いて、この人は何代目なんだろう…というところは混乱しましたが。ここまで世界が壊れても、意外と人間は滅びないのかもしれないと思わされます。でも何もしないでただ娯楽を消費する人生はわたしは無理だな…例えそれが底辺であっても。それともこんな世界になったら適応するのかな…も...続きを読むやもや考えました。世界の終末に備える。ラストの一行がとても好きでした。

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Posted by ブクログ 2017年01月18日

終始哲学めいた独白が続き、いまいち世界に浸れませんでした。しかし、これは今まで探していた理想の小説の一つになりそうです。
結局理想郷なんて人それぞれで、自分が納得するかどうかで決まるものだと思いました。

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Posted by ブクログ 2015年12月21日

タイトルは絵画。

アルカディア=理想郷。
アルカディアにも死の存在はある。死は必然、といったところか。

世界観は違和感なく受け入れられたが時代が前後するので読み終わるまで疑問が尽きなかったりする。短編集かと思ったけど、長編SFラブストーリーだった。

個人的にはクローズド・タイムは良かった。御園...続きを読む珊瑚への憧れと、憧れから来る焦燥・渇望が狂おしいほど感じられて、文章が生き生きしてた。
他の話は少し主人公に諦観が滲みすぎてて物足りなく感じた。

衣食足りて礼節を知る。が、衣食足りるだけでは満たされないのが人間。

個人の理想郷の実現と社会の安定を最大化できたとすればこんな世界になるのかなとも思うけど、ぞっとする。

やはり人間には衝動が必要で、個人の理想郷を追求すると他者のそれとは相容れることはないのだろうなぁ。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2015年11月04日

生活保護者を集めたマンションから始まり、ベーシックインカム、生活すべてを提供するシェルター、成長や肉体改造を制御が可能になった未来。
生きていくだけならオートモードでいけるが、それぞれの満足を求める話。

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Posted by ブクログ 2015年09月26日

諸々の環境汚染で国民ほぼ全員が国営のシェルターマンションに引きこもりになった日本で生きる、とある一族のクロニクル。
連作短編を読み進むと、次第にマンションの成り立ちがわかってきて面白くなった。働く必要もなくなった世界は、果たして理想郷と言えるのかな。その辺りの設定は興味深かったけど、キャラクターには...続きを読むイマイチ乗り切れず。つかみどころというか、自分の中の評価に難しい一冊だった。

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Posted by ブクログ 2015年08月09日

作者のライトノベル作品が好きなこと、早川文庫であることとあらすじから購入。夢中になって読み進めた訳ではないのに、いつの間にその世界に入り込んでいる。不思議な虚無感と諦念がある。

国民の大多数が生活保護を受給しニートとなり、窓のない外に出ることもない8畳の個室で衣食住に不自由なく生活している。外は大...続きを読む気汚染で満ちており、生身で出掛けるとリアルに寿命が縮む。生体チップを体内に埋め込むことが当たり前になっており、自分の寿命でさえ秒単位で確認できる。目指す将来の夢に対し心身の成長の指向性をもたせるなど、興味深いガジェットも登場する。

文明が崩壊したわけではなく、かといって目的意識のあるディストピアでもなく、ただただ弱者保護をしていたら巨大なニート産業が生まれていたところから、他の世界にはない独特の雰囲気をもつ。14才の女の子が、親元から離れて一人暮らしをし、義務教育も受けず一日中ネットをして暮らしていける。時間を潰す。死ぬまでの時間を潰す。そういった生々しい、何とはなしに嫌悪感を抱くような感情。

文明崩壊的なディストピアさを感じるのに、人情を感じないのは、あまりにも自由であるから。生きるも死ぬも自由。衣食住は保障され、何の不自由もない。ネットはただで見れて食事もただで食べれて、寝る場所もお小遣いも支給される。

人は、退屈には耐えられない生き物だ。何もしなくて良いとなると暇を持て余してぶらぶらする。一定の割合で無償で働き始める人がいる。
不自由は自由だということ。不自由だからこそ生きていける。何をしてもいいは何もしなくていいと同義、何をしても意味がないとも言える。不自由な身体という道具を駆使して、不自由に求められたことをやるから意味があるのかもしれない。

最終的にこの物語が何を言いたかったのかよく分からなかった。章ごとの繋がりも不明だし前後関係もよく分からない

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Posted by ブクログ 2015年07月18日

シェルターであり、何もしなくても生きることができる保証がされているアルカディアマンションの中で繰り広げられる短編集。
それぞれの話の時間と人物は違うが、「血縁」という関連がある。

内容的には人間の負の部分の話が多いものの、軽快に語られるのでさらりと入ってくる。
同じ内容の自分語りが繰り返されること...続きを読むも多いが、逆に人間くささが表現されている気がする。

理想郷、天国、楽園とは。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2015年07月12日

「クロージング・タイム」★★★
「ペインキラー」★★★★
「ラヴィン・ユー」★★★
「ディス・ランド・イズ・ユア・ランド」★★★

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