江波光則のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
201112
前作、パニッシュメントには、ラノベのふりして「信じる」ことへの根源的な問いのようなものが感じられた。
なので若干期待外れではあったが、それでも、熱量はすごい。
「俺は太っていて、背は高くない。腫れぼったい顔に不機嫌そうな目、手入れもしていない天然パーマの汚い髪」 てなルックスの主人公。
トラブルを撒き散らして、いるだけで周囲が壊れていく有害な外来種が転校して来た先は、
教師が大学への推薦枠を餌に生徒への密告を推奨し、相互監視しあうクラス。
平穏な、真っ当なクラスを取り戻そうとする鷹音。
享一は、鷹音の存在により、これまでとは違う意に反した形で壊していく。
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Posted by ブクログ
Podcast『文化系トークラジオ Life』にて、「信じる論理、信じさせる倫理」というテーマの時に紹介されていた小説。父親が新興宗教の教祖である主人公と、その宗教がきっかけて家庭崩壊を起こした幼なじみと、その新興宗教に心酔するクラスメート。「信じる・信じさせる」ということは、えらくオオゴトなんじゃなかろうか…と思わされた作品だった。僕は結婚してから三ヶ月が経つけれど、これも相手に将来を信じてもらってのことなわけで。すごいな、これって。「信じてもらう」ということは本当にうれしいことだけれど、無責任にしていいことじゃないなとも感じた、そんなおはなし。
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ネタバレ 購入済み
トンデモさと不釣り合いな繋げ方
前作のイカレた連中がさらに狂った化け物に追われるシンプルさがあった。
今回はその化け物を中心にして三つ巴の陣営が入り乱れるのだが、それを一本にまとめる複雑ながら細かい展開が成されていく。
正直、その脚本に唸らされるというより、キャラが脚本に振り回されるように感じた。例えば今作では終始色の濃い活躍をする爺のキャラの秘密は、サラサラと流されるように暴露されるのに、その直後展開の中心となる情報として機能するようになるなど、キャラの心情の動きについていけなかった。
最終的には気になるところで終わっているにも関わらず、(これは作者が悪いわけではないが)今作は打ち切りの形となっているようなの