賀東招二のレビュー一覧
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ネタバレ前巻でしっかり積み上げたものをまとめる形。宗介の心情に限りなく寄せて描かれた今作は今までに無い魅力を発している。宗介を揺さぶる役目と立ち直らせる役目を担うそれぞれとの会話も王道ながら大変好ましい。かなめのアクションも短編で見える性格も活かしつつ激しく行なわれ、手に汗握る展開と言って良い。基本的にはかなめメインの話だが、しっかりテッサもヒロインとして扱えている構成もまた良い。
何度も蘇ってきた奴の止めを直接目前で行ったことによって読者としてもはっきり確認できたことに、今回からレナードが姿を現すことによって今後の展開への見通しがはっきりする点も優れている。また、ミスリルと別系統のブラックテクノロジ -
Posted by ブクログ
フルメタ長編3巻目。十分面白い1、2巻目を遥かに越える面白さ。
短編にも通じるようなフルメタらしいギャグを上手く交えたはじまり方から、閉鎖空間下での絶体絶命の状況までを綺麗に書ききっている。終盤のLCでの「かなめ」の台詞から先は、文章自体にもスピード感があり、息をつかせぬまま一気にクライマックスまで持っていかれた。テーマ的にも今までは良い方向に作用してきた宗介の真面目さをここにきて悪く作用する話にしているため前作までとは違った魅力もある。
なお、この巻を書く上で賀東先生は軍隊物のアメリカ映画を見直したのかと思わせるような「それっぽい」展開や台詞回しもフルメタの世界観に効果的に作用していると思う -
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Posted by ブクログ
ネタバレ大きな勘違いで話を進める単純な構成なのに面白い「雄弁なポートレイト」など、相変らず宗介をうまく使ったギャグは全体的に安定している。しかし特に良かったのは割とシリアス寄りの「暗闇のペイシェント」。宗介とかなめの微妙な距離感の表現が凄い。なお、この巻を通していつの間にか瑞樹がなかなか憎めない奴になっているのは随分さり気無くやってのけたなと驚く。あんな事件を起こした娘なのに全然違和感がなく滑り込んでいる。
また、書き下ろしの「猫と仔猫のR&R」が素晴らしい。ASの解説を織り交ぜながら普段描かれないテッサとマオの話を展開するのには引き込まれる。とにかくテッサが可愛過ぎる。 -
Posted by ブクログ
新シリーズ到来です。
時代は前回のフルメタルパニックから時がたち2011年の物語となります。
前作と作者が違うということですが話の感じが賀東さんそっくりなのでもしかしたら大黒=賀東かも(笑)
話の内容は前シリーズの傭兵部隊とは違って、インストラクターとして訓練をつける専門の部隊の話でした。もともとあった前回の世界観をうまく使った話の内容に作りこまれており、前シリーズが好きな方はスラスラと読めます。
また前シリーズで活躍したキャラ達の一部も出てくるので、あのキャラがどうなったのかという後日談的なものも楽しめました。
このシリーズは小学生のころからファンなので次巻も楽しみです。 -
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