宮田律のレビュー一覧
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アメリカ大統領選挙はトランプ氏の勝利で幕を閉じた。それと同時に次のトランプ大統領がどの様な中東政策を行うか注目が集まるところだ。親イスラエルを掲げ、身内にもユダヤ教徒を持つ同氏の言動には常に注目が集まる。それは明らかに中東の和平の幕開けとはかけ離れたものになるのではないだろうか。特に今後トランプ大統領を中心とする閣僚人事には大きな注目があつまるが、前回大統領時代の様な、イスラムに対する超攻撃的布陣ともなれば、現在もなお対立を続ける中東各国の不穏な動きは助長され、少なからず邦人の身の安全にも影響を及ぼしそうである。
この閣僚人事については、前回政権時には軍関係者がずらりと並び、アメリカの政策そのものが、軍需産業と密接に関わっている事を改めて強く意識させる。ご存知の通り、アメリカは武器輸出大国であり、世界の和平が乱れれば乱れる程に国家財政が潤う仕組みを持つ。根っからの商売人であるトランプ氏が、自国の利益のみを優先するなら、表向きは世界平和を口にしながらも、出来る限り争いの多い状態を維持したいのは明確だ。ただし、それは自国の軍隊が敵地に直接赴いて、紛争に身を投じるのではなく、争う一方に対して武器を渡す形で行われる。そこにアメリカ国内の雇用も生まれ、国民は満たされていく。考えたくないがそれが事実だ。アメリカが沖縄に駐屯する事は、中国の対日政策に大きく影響しているが、そのアメリカが沖縄からの撤退をちらつかせれば、日本は単独では自国を守り切る事は出来ないから、費用負担を増やしてでも、アメリカを繋ぎ止めるしか方法は見当たらない。アメリカも本気で中国の太平洋進出を見過ごすわけにはいかないから、そこに日米交渉の肝がある。外交交渉というよりは、もう商談に近いと考えた方が良いだろうが。兎にも角にも、アメリカファースト、偉大なアメリカをもう一度、と叫ぶトランプ氏にとって、自国に不利益にならずに、紛争を中途半端に続かせる事は、アメリカの国益に適っている考え方である。世界地図を見れば、この様なアメリカにとっての商売の場、市場はいくらでもあり、過去の日本が真珠湾攻撃に踏み切った際の「ハルノート」の様に、少し力を入れて、マッチを擦れば、あっという間に炎が噴き出す場所をよく押さえている。アメリカに不法入国する近隣のメキシコおよびカリブ海諸国、中国の台湾に向けられた視線、何よりも異なる宗教を持つアラブ、中東地域。そしてロシアの南下政策を体現するウクライナ戦争。バイデンなら躊躇するロシア国内の攻撃が可能な武器の売却も、トランプの商売感覚からすれば、ただの美味しい市場なのかもしれない。先ずはその閣僚人事に注目していきたい。
本書はそんなトランプ氏の軍事に関わる前回の実績を眺め、新たな政権がどの様なフォーメーションになるか、類推するための一つのヒントになる。自らの商売を理解できる人材か、どの程度軍事面、商売面の実績があるか、過去にどの様な発言をしてきた人間かなど、今後大いに注目していきたい(大量の選挙資金協力をしたイーロンマスクなどは常日頃から、非情な措置も平気でやってのけるから、案外トランプ氏と上手くやれそうだ)。
本書後半では、トランプ氏の手法を過去のナチスドイツになぞらえて、手法を比較して論じる部分がある。当時のドイツは第一次世界大戦における賠償金支払いで経済が窮地に陥り、国民は大きな閉塞感の中、再び強いドイツを目指せる人間を求めた。選ばれたのはご存知の通り、アドルフ•ヒトラーであり、国民の不満はユダヤ人に向けられた。トランプ氏にとっての敵は、相変わらずイスラム系の国々であり、中国である事は言うまでもない。ロシアのプーチン大統領も何をするか、一般的な日本人からすれば未知数な部分も多い。だからこそ、最も注目すべきは、アメリカの対ロシア戦略であり、それが果たしてどの様なものになるかは注目を集める。ロシアも武器輸出大国の一つではあるから、もしかしたら、裏ではアメリカとガッチリ手を組んで、両国の自国とは離れた影響の少ない候補地を共同で探しているかもしれない。新冷戦とは、互いに相手の利益を理解したもの同士の武器輸出促進策の一環として、作用するものなのかもしれない。全くそうした予測•推察が的外れなら嬉しいが、案外部分的にはその様な動きが見られ、後日結果分析した際に、「結局儲かったのはアメリカとロシア」=「現代版ナチスヒトラーとスターリン」といった事が無いように、これはもう祈るしか無い。 -
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タイトルの通りである。アメリカはイスラム国には勝てない。それは大正解とまでは断言しないまでも、今のままのアメリカでは勝つ事はないだろう。いや、勝とうとはしていないという方が正しいのかもしれない。イスラム国をはじめ、イスラム教の社会にはニュース報道の影響力からかテロや戦争を通して触れる事が多い。小さい頃はアフガニスタン紛争を扱う映画をよく観たし、記憶に残るものでも、イラン・イラク戦争、湾岸戦争だけでなく、アメリカがイラクに対して核兵器を始めとする大量破壊兵器の疑惑をかけて、サダム・フセイン政権打倒を目論んだイラク戦争など、戦争映像ばかりが目に浮かぶ。近頃は再びイスラエルがパレスチナのハマスを攻撃している。聞き飽きるくらい紛争やテロが尽きないように思える。イスラム国=ISILはイスラム国家樹立運動を行う、元アルカーイダ系のイスラム過激派テロ組織の事である。アルカイーダと言えば、アメリカ国内で散々テロを起こし、2001年には同日複数機を一斉にハイジャックし、そのまま航空機によるワールドトレードセンター、他数カ所に突入するなど世界を震撼させたアメリカ同時多発テロを引き起こした。ウサマ・ビン・ラディンの顔をニュースで記憶している人も多いだろう。話を戻してISILはその後アメリカが手を回しながら世界中の敵となり、各国からの激しい戦闘行為が展開される中で、バクダーディやアブハッサン・ハシミ、アブ・フセイン・フセイニなど主導者が次々と殺害され、勢力を縮小しながらも、直近2024年3月にはモスクワ郊外のコンサート会場で62名が死亡するテロを起こすなど、未だ存在し続けている。記憶に新しいトランプ氏が大統領になった際には、イスラム国に対する勝利宣言もあり、アメリカの撤収などもあったはずであるが、そのアメリカも2024年時点で戦闘を継続している。
何故彼ら(イスラム国はISとなる)はこうもしぶとく活動を継続できるのか、そして何故アメリカは勝てないのか。本書はその理由について様々な面から分析している。経済面で言えばアメリカ経済を支える軍需産業の存在が、本当は彼らの存在自体が消えてしまうのを望まないのではないか。中東の混乱はアメリカのシェールガスの供給にも影響する。政治的な面で言えば、アメリカ政治で重要なユダヤ人によるロビー活動と組織票の存在。そこから来るイスラエルを支持するしかないアメリカの立場。何より宗教面では相入れる事のないキリスト教、イスラム教、ユダヤ教の存在。それぞれの宗教がエルサレムを聖地としており、国連は認めていないが、トランプ政権時にはイスラエルの首都としてアメリカは認めている。3つの宗教が複雑に絡み合う地域として、古い歴史の中でも何度も奪い奪われ紛争の種となってきた。
様々な理由はあろうが、ただでさえ複雑な中東アラブ諸国の問題が、イスラム国を生きながらえさせる理由になっている事は間違いない。アメリカや平和にとってはイスラム国は悩みの種ではあるが、各国の複雑な利害関係がある限り無くなりはせず、無くす方法も恐らくは無いだろう。それこそアメリカの政治体制が、選挙のあり方から大きく変わるか、巨大なユダヤ資本が何らかの形でアメリカから撤退するか(その方法も可能性も全く今は思いつかないが)、イスラエルがこのまま暴走を続け、世界各国そしてアメリカから見放されるか。何か世界の潮流が劇的に変わらない限り、イスラム国は当分存在し続けるに違いない。勿論地球上には多くの国、人種、宗教、複雑な地形と気候、隅々まで鎖のようにつながった経済があり、一気に劇的に変わることなど、宇宙から謎の侵略者が地球に攻めてこない限り、起こるとは思えない。
だから本書に記載される、アメリカがイスラム国に勝つという事そのものが、そうしたアメリカにとって様々な要因の中で「勝ち」の意味すらよくわからない状態になっているように思う。
そしてその様な状況下で日本は、私たちが何をすべきかについても本書は触れている。複雑な要因と歴史と宗教からは少し離れて俯瞰できる位置にある日本。石油というエネルギー依存のリスクは極大ではあるが、海外に戦闘部隊として自衛隊を送り込まない限りは、平和的に人道的に影響を及ぼせるはずである。本書記載時点では中村医師は未だ存命であった様だが、その後2019年パキスタン系タリバンに活動中のアフガニスタンで殺害され命を奪われてしまった。その様なリスクはありながらも、未だ未だ我々にはできる事が沢山あるし、中村医師の死を無駄にしないためにも考えて行動すべきである。
イスラム教は平和を愛する宗教であり、それはキリスト教もユダヤ教も同じである。何より人が人を殺害して良いはずがない。社会、経済、宗教など様々な違いを乗り越えて分かり合える日がいつか来るだろう。その時には和解という形でアメリカ大統領とISの指導者が肩を並べて写真に映る日が来るかもしれない。 -
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本タイトルや章立て、章の中の見出しなどがとても興味深いものになっていて、とても知りたい、読んでみたいものになっている。
たしかに知らなかったような情報、現地の現場感のある経験談や過去の経費の説明などが多く含まれていて、勉強になった。
が、必ずしも章立ての項目にピッタリあった内容になっているかというとそうでもなく、またテーマごとに切り分けてあるが時間的な順番が前後したり、さまざまなトピックがからまっているので、なかなか全体像がわからない。
2023年のガザの紛争が起きてから執筆されたものだと思うで時間がなかったのかなと思うのだが、大事なことが書かれていると思うので、もう少し全体の構成を工夫すれば、もっと良かったのにと余計なお世話かもしれないが、思った。 -
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互いを理解しなければ真の友情は生まれない。表面上の付き合いはちょっとした勘違いや、誤った情報により簡単に壊れてしまう。我々は多くの情報をニュース報道やインターネット上の(日本語で流れる)記事から入手する。それは要点を絞って上手く纏められる事で、分かりやすく感じる。仕事や学業で疲れた頭でニュースソースの信頼性を疑う事までして脳の疲労をさらに加速させるような事をせず、ただ(何となく)受け入れる状態になっている。それが積み重なると、一つ一つの問題や事象を表面に露出した分かりやすい部分だけを掻い摘んで見るような癖がつく。当たり前だが、ニュースで流れてる映像は大半が物事の結果であり、背景や事情よりも「だからどうした」の結果部分の比率が大きい。そして過激な映像や事象ほどその結果のインパクトは脳裡に深く焼きつく。911の同時多発テロを思い浮かべるとき多くの人はワールドトレードセンターへ突入する飛行機の映像がまず出てくるだろう。「ほら、言わんこっちゃない、イスラエルをアメリカが支援するからこんな事になるんだろう」と犯人が誰であるか、その思想は、きっかけは、結末に至るまでの背景や原因を、時代の変遷と共に流れで追い掛ける人など僅かであろう。結論部分のインパクトばかりが強調され、結局原因部分を忘れてしまうから、同じようなテロ行為が世界各地で繰り返され、その多くは実行犯側への憎悪の助長に繋がっていく。勿論、多くの人々を死に追いやる様なテロ行為は実行犯を擁護する必要性はなく、単なる悪であることは間違いない。問題はそうした事象を起こした犯人の考え方を同じ宗教を信仰する人々にまで拡大して解釈してしまう事だ。この場合イスラム教をまるで一つの大きな括りで危険視するような動きがそれにあたる。一時期、ニュース報道ではイスラム教原理主義をあたかも危険な思想と勘違いするような映像が繰り返し流されたが、危険なのは原理主義では無く、単なる過激派の思想であり、当たり前だが原理主義イコール過激主義ではない。けれども多くの人が勘違いしてしまうのは、流す側の手法と受け手側の単純思考が一致した結果だと感じる。
本書はイスラム世界の現代の潮流と過去からの日本の関わり合い方について、実際の活動者や影響を与えた事情を例示しながら、分かりやすく解説していく。それらが、イスラムの教えのどの部分に該当するかを合わせて記載し、単なる表面上の仲良しこよしでは無く精神的な繋がり合いに起因する事を教えてくれる。そしてそれらが、固い絆でありながら、日本の現代の外交の在り方によっては、徐々に失われて行く危険性を孕んでいる事も同時に伝える。時にアフガンで灌漑活動に従事した故中村医師の様に、誠心誠意尽くしてきた活動家ですら、当時の勢力争いの中で無常に失われて行く。それがまた新たな負の感情のうねりになり、亡くなった中村医師の希望や想いとは全く別の方に向いてしまわないか不安に陥る。だがイスラムと日本の深い関係性を時系列で理解し、その絆の固さを知っているなら、加えて現地の今の状況を政治的に押さえているなら、修復も回復もできると信じることができる。
そうしたイスラムとの一つ一つの繋がりの理解につながる点では、こうした書籍は参考になる。 -
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中東問題は根が深い。真の平和が訪れる兆しは見えない。そこには幾つもの要因があり、本書はそうした中東情勢を8つのキーワードを元に解説して行く。主に中東をイラク周辺とパレスチナを中心とする地域に分け、そこに存在する様々な課題を挙げている。イラク中心の世界ではやはり9.11以降のアメリカの介入の影響を今なお引きずり続けている。アメリカが介入すればするほど、中東の不安定さは増して行くし、ブッシュはアメリカが世界を平和にしたと自負し、対テロ戦争の勝利を声高に叫んだが、世界中のテロ発生件数はその後も増加した。
アメリカは伝統的に他国へ干渉しない孤立主義を採ってきた国ではあるが、第二次対戦後のソ連との冷戦下において、ソ連のアフガニスタン侵攻に対峙する。対ソ連要員として自らが育てた戦闘員がやがては自国を苦しめる事になる。やがて冷戦は終結しアメリカ一強の世界になると、次第に世界の警察として各国の紛争に介入して行く傾向が強くなる。
中東はその様なアメリカの介入がもたらした混乱も一つの要因として、平和で安定的な発展ができてこなかった。現在もなお混乱する社会の背景には貧困・失業・劣悪な社会基盤や環境・政治の腐敗・民主主義の欠如などありとあらゆる問題が存在する。アメリカのイスラム世界への介入は混乱を招くばかりである。
また、それをさらに悪化させているのは人口増加も挙げられる。イスラム社会は伝統的に避妊を善とせず、人工中絶も認ない。さらには子沢山を美徳とするから、イスラムの出生率の高さが職につけない若者を大量に作っている。そうした若者は職に就けずにイスラム過激派の急進的イデオロギーに吸収されて行く。
アメリカがいくら社会構造を変えようと軍事的な活動を続けても、対抗するテロ組織は絶やす事なく人員供給で補完されている状況だ。結果的に血で血を洗う闘争が繰り広げられる。主導者を捕まえたり殺害しても、パキスタンやアフガニスタンから次々と訓練後に送り出されてくるテロ要員。根源を断とうにも、どこからでもやってきて、どこにその中心があるかわからない。こうした状況は闘いによっての平和が遥かに遠い事を表している。よってイスラム社会自体の構造変化、内部の問題解決が必要という議論に戻る。アメリカの様に外圧で実行するのは過去を見ても上手くいかないのは明白だ。となれば、アメリカがこうした地域から治安維持のために駐留させている軍を撤退するところから始めなければならない。リスクも相当で中々踏み切れないのも解るが。またアメリカは中東の民主化については強く望んでいない。テロ対策重視で動いており、民主的にイスラム過激派が勢力を伸ばして、アメリカ寄りの現政権を打倒する様な事態を避けたい。
パレスチナについては中東和平はイスラエルとパレスチナが平和に歩み寄れるかにかかっているといえる。現時点では双方が爆撃や自爆テロで応報する中ではとてもじゃないが達成は難しいだろう。アメリカ経済を牛耳るユダヤの力も絶大だ。
この地域は世界地図を広げても解る様に、民族、宗教、歴史、資源、複雑に重曹的に重なり合う課題が山積みの場所だ。一つ一つ丁寧に問題の糸を解いていかない限り真の安定は訪れない。
ロシアのチェチェン、イスラエルのパレスチナ、インドのカシミール、そしてアメリカのイラクと「対テロ」を錦の御旗に掲げて、自国の思惑に沿った形で力を使えば、その糸を更に複雑に強く絡み合わせることになる。
そして混乱が混乱を呼び、サウジアラビアからビン・ラディンが、エジプトからジハード団のザワヒリが来てアルカーイダを強くする様に、混迷を極めた地は更なる血を呼ぶ温床となっていく。 -
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2014年9月、国連人権高等弁務官事務所は2011年から2014年4月末までにシリア内戦の死亡者数が19万1369人に達したことを発表した。
シリアはアサド親子二代の政権下の時代から混乱していたわけではない。
日本の外務省の「世界の学校を見てみよう」というページには、1997年当時、「シリアのダマスカス市内の学校では、生徒の話題の中心は音楽とファッションで、欧米で流行している服装や髪型が関心を集めています。シリア人は大変親日的で、第二次世界大戦後の日本の経済成長や日本人の勤勉さ、自動車など工業技術の高さが知れ渡っています」とある。
現在、シリアでは、石油・ガス生産施設を含む国土の三分の一がイスラム国の実行支配を受けている。
イスラム国に軍事的に対抗できるのはシリアのアサド政権のみという状態で、米国は、軍事支援をしているサウジアラビアがスンニ派のテロリスト集団の重要な活動資金源になっていることもあり、現在ジレンマに陥っている。
同じように軍事支援をしているイスラエルのミサイルがガザで1400人もの住民を殺害した事件では、米大統領報道官が「到底容認できず、かばいようがない」と厳しく発現したように、外交政策の支離滅裂ぶりを露呈している。
米国のイスラエルに対する資金援助は、イスラエル軍事費の四分の一を構成。
また、米国の議員たちは多額の資金をイスラエルのロビー(圧力団体)から受け取っているため、イスラエルのロビー活動を批判できない。
ではイスラエル社会とは何か?
ユダヤのタルムード(法律と解説の集大成)によれば、「ユダヤ人とは、ユダヤ教の信徒であり、また母親がユダヤ人でなければならない」とある。
この規定によれば、現在イスラエルを構成する人口600万人のうち、300万人がユダヤ人ではなくなる。
主にロシアやウクライナからやってきたユダヤ人でないもの多くが祖父母の一人がユダヤ人だったということで国籍が認められた。
ヨーロッパ出身のユダヤ人(アシュケナージ)の祖先の母系はユダヤ人商業社会に嫁いだヨーロッパのクリスチャンたちが婚姻を契機に改宗した女性たちで、もともとパレスチナで生まれたユダヤ人の子孫ではない。
また、イスラエル総人口の五分の一はアラブ系イスラエル人で、彼らは2030年には人口の三分の一になると推定されている。
ネタニアフ首相がイスラエルを「ユダヤ人国家」であるというのはあきらかにアラブ系市民のことを差別するものである。
現在、パレスチナ人たちの「ゲットー化」はシャロン政権下(2001〜2006)によって推進され、パレスチナ自治政府と交渉しないという姿勢はネタニヤフ政権にも継承されている。
ヒットラーは、『我が闘争』の中でユダヤ人を邪な人種としてとらえ、ナチスの反ユダヤ主義は、ヨーロッパに旧来あった「反セム主義」という人種的な蔑視が融合し、ユダヤ人の放逐による究極の目的「絶滅」をも視野に入れられた。
現在イスラエルのタカ派政権が抱く「大イスラエル主義」はパレスチナ人を放逐することだ。
イスラエルは5000人のパレスチナ人を拘禁中だがそのうち200人近くが未成年なのだ。
ここに、現在のイスラエル問題の歴史的皮肉が浮かび上がる。
レニ・ブレナーは『独裁者たちの時代のシオニズム』(法政大学出版局)を著したが、ナチズムとシオニズムのイデオロギーの類似性を指摘している。
また、本書には日本とユダヤ人との歴史に関しても解説している。
日本は戦前、満州に逃れて来たユダヤを受け入れ、彼らに自治を認めた経緯もある。
また樋口季一郎(1888〜1970)は、日独防共協定が締結された後の1937年に、極東ユダヤ人大会に出席。ナチスドイツのユダヤ政策を批判するかのように「ユダヤ人を追放するならば、まずは彼らに土地を与えるべきだ」と訴え会場のユダヤ人から拍手喝采を受ける。
樋口の計らいで満州国に入ったユダヤ人は、1938年だけでも250万人近くに及んだというから、満州国にあったユダヤ人社会の規模は非常に大きいものだったに違いない。 -
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■イスラム世界
A.イスラム主義の運動は、イスラム教の中心命題である「正義」「平等」に立ち返り、貧富の格差、政治腐敗などの矛盾を改善しようという運動だ。その中で、暴力によってその理想を達成しようとするのが、「イスラム過激派」である。
B.2013 年1 月、アルジェリアのガス・プラントで日本企業関係者がイスラム武装集団の人質となる事件が起こった。この事件の背景には、フランスによるアフリカ北部への軍事介入や長期にわたる同国の植民地支配に対する反発がある。
C.「アラブの春」以降、イスラム過激派の関心は、欧米よりイスラム世界内部の敵に向かいつつある。イスラムでは、対外的な戦争を「ジハード」、イスラム世界の宗派対立を「フィトナ」と呼ぶが、彼らはフィトナの闘争を強化している。 -
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FBでフォローしている宮田さんの投稿は写真が楽しい。文脈にあまり関係ない美女写真もついて来る。イスラム本はもう一冊並行して読んでたがさくっと先にこちらを読み終えた。本人も認めるようにかなりイスラムよりだ。
イスラム、特に中東諸国の日本びいきの感情には歴史的なヨーロッパの介入にある様だ。例えば日露戦争に勝ったこと、敗戦後経済的な復活を遂げたことなど。文化面では「男はつらいよ」や「おしん」も人気が高い。アニメではキャプテン翼は主人公がアラブ人になりキャプテン・マジドになっている。
普通の日本の行動習慣、例えば謙虚さ、清潔さなどなどはイスラムの行動規範にかなっているので日本人は改宗すれば良いイスラムになれるという人もいる。1日5回のお祈りだったり、断食だったりはイスラムの一面では有るが似たような所を探す方が相互理解につながるだろう。
自衛隊のイラク派遣についてはイスラムからの評価は別れているようだ。しかし、現地サマーワでは自衛隊撤退の噂に対して140人が帰らないでデモを実施するなど概ね好評だった。もう一国評価が高かったのがドイツでなんとなく工業製品に対するブランド価値と一致している。しかし、もし戦闘が起こっていたら同じ評価が得られたかを考えると難しいところだ。
例えばアフガニスタンではタリバン政権時の方が治安が良く、カルザイ派の腐敗を指摘する人はODAも無駄になっているという。一方で隣国イランはカルザイ派を支持するなど一筋縄ではいかない。ともかく金の使い道の監査は必要だろう。アメリカのイラン禁輸措置についても宮田氏は日本は独自路線を取るべきとの立場だ。せっかく好かれてるのならアメリカに追従しつつもイスラムとのパイプを残す工夫がいるのだろう。