宮田律のレビュー一覧
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9.11のテロ以降、特にイスラームへの嫌悪感が高まったアメリカだが、文化や建築、音楽など様々な多岐にわたる分野においてイスラームから多大な影響を受けている歴史があり、著名人の中にはイスラームのルーツを持っている人やモハメドアリのように改宗する人も珍しくなく、まさにイスラームに支えられ、イスラームなしでは語れない国といっても過言ではない。イスラエルによるパレスチナ・ガザ地区への侵攻が始まってから1年以上経った現在も、アメリカ政府はイスラエル支援を続けているが、市民レベルではパレスチナ支持の人々が増えているそう。結局、どの宗教が良いとか悪いとかではなく、宗教を政治に利用することがテロや戦争の根本原
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イスラムに負けた米国
著:宮田 律
朝日新書 054
アメリカの正義と、イスラムの大義
なぜ超大国アメリカはイスラムで失敗し続けているのか
アメリカにとってのイスラム政策とは
ユダヤ系ロビー
キリスト教右派
石油企業
軍事産業
これって、現代の十字軍ではないかと思ってしまいます。
石油という財を手に入れるため、聖地を手に入れるため、アメリカが
民主化=アメリカに都合の良い制度化を図っているが第一感です。
気になったのは、次です
■アメリカとムスリム
・イスラム世界では、過激派テロを封じ込めれば封じ込めるほど、アメリカに対する敵意や憎しみがまして、かえって若い世代のムスリムを過 -
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紀元前より、オリエントでは、アケメネス朝のサトラップによる支配、シルクロードや砂漠での交易による文化の融合や共存システムの確立、イスラームの誕生、オスマン帝国のミッレト制、というように、繰り返す戦争の中で、必ず「寛容」というひとつの答えを導き出し、民族や国家、宗教の垣根を越えた文明を生み育んできた。
しかし、欧米の国家システムや価値観の流入によって新たな対立軸が作られ、現在その寛容の精神はもはや見いだせなくなった。
歴史というものは人間が作るものであり、作らずにおくことも、書き直すことも可能だ。(サイード)
自らの利益だけを追求するのでは無く、忘れ去られた「寛容」の精神を振り返り、それに則 -
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同じパキスタンでうまれ、対テロ戦争に巻き込まれ負傷した二人の少女、しかしその二人のその後はあまりにも大きな違いが…
かたやノーベル平和賞受賞、かたやアメリカ議会公聴会で講演、しかし出席した議員はたったの5人…
なぜか?それはナビラさんと祖母を襲撃したのがアメリカCIAのドローンだったからだ。
オバマ前大統領は、アメリカの学校で銃撃事件が起きた時涙を流していたが、その裏では400回以上のドローンによる攻撃で子どもを含む一般市民が千人も犠牲になっていた。
ナビラさんもマララさんも訴えは同じ。戦争に大金を使うなら、それを教育に使うべきという事。
まずはこの本を子どもたちへ紹介、勧めたいと思う。小学 -
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中東・イスラム地域の通史だが、特にオスマン帝国の末期以降は詳しく書かれている。
ゾロアスター教は、紀元前1000年頃、イラン高原東北部(あるいはカザフスタン)で生まれた。最初に天と水が、そして世界は水の上に創造された。創造主であり全能の神アフラ・マズダーと、それと対立する破壊霊アンラ・マンユが存在する善悪二元論。善悪の判断は各自に委ねられるが、最終的には神によって裁かれる。背景にはメソポタミアの混乱があったと考えられ、多彩な民族、宗教が衝突する争いを、善行という最低限の価値観のみを掲げることによって安定に導くことに気づいたのだろう。これが、その後のアケメネス朝の寛容の精神を生み出した。
善 -
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日本はアジアで嫌われている。そう思っている人がこの本を読んだならば驚くだろう。
多くのイスラム国家が尊敬してやまない国、日本。
この本は、なぜそれほどまでにして中東諸国は日本に好意的なのか、その秘密を探ったものであり、イスラム教に詳しい著者ならではの視点も斬新だ。
原爆を落とされながらも、戦後の焼け野原から復興した日本に対する尊敬のまなざし。
キャプテン翼やおしんなど古くから日本のアニメや漫画、ドラマが人気だった意外な事実。
キティちゃんやジャニーズ、少年ジャンプにいたるまで最近のイスラム諸国の若者の間では日本人気は一段と上昇しているようだ。
また日本の礼儀正しさや真面目さ、勤勉、おもて