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今のヨーロッパの文化における基礎の一つは、イスラムの学術的成果や農業技術、工芸、食事文化などにルーツをもちます。ヨーロッパの中世から近代までの発展は、イスラム文明の文化・社会的影響や遺産抜きではあり得ませんでした。(「はじめに」より)中東とヨーロッパかはいかに交わり、溶け合い、互いに寛容の心をもって共存を実現してきたのか。現代社会を正しく理解するために、意外な史実を学び、知る。
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Posted by ブクログ
Netflixの「魔法のランプにお願い」を観ていたら精霊であるジーニーがシャイターンと言われていて、これはサタンのことだとわかり、そのあたりの宗教的な交錯に興味を持った。もともとユダヤ教、キリスト教、イスラム教は同じ神を信仰していて、ただその信じ方が違うだけだということにロマンを感じていたけど、イス...続きを読むラムとヨーロッパがどう関わってきたかについては知識がまったくなかったことに気づいた。現代ではイスラムとヨーロッパは対立しているように見えるし、過去にどのような交流があったのかを知りたいと思った。 この本には、イスラムの文化がヨーロッパを凌駕していた時代があったことや、ヨーロッパのいわゆる暗黒時代(そんな時代があったことすら知らなかった)にローマの叡智が伝承されていなかったところをイスラムの学者たちが翻訳し、注釈を加えてヨーロッパに逆輸入したことがルネサンスにつながったこと、イベリア半島やシチリア島がイスラムに支配されていた歴史を持ち、いまも語彙にアラビア語由来の単語が多く残っていることなどが書かれている。イスラムの文献や知識がそうしてヨーロッパに伝わり、古代の叡智が受け継がれていったという話はどれも新鮮で、世界史に詳しくない自分にも大きなロマンを感じさせる内容だった。 この構図って日本と大陸・半島の関係にも似ているなと思いながら読んだ。日本もかつて大陸や朝鮮半島から多くの文化や知恵を得て成長し、その後は歴史の流れの中で逆に大陸に進出する側になった。こうした逆転現象のようなものは、大きな歴史のうねりの中では常に起きるものなんだろうなと思うし、他の地域や文化の間でも似たようなことがあったのだろうと推察する。 ただ、この本では著者の思いが少し強すぎて、「過去は良かった、過去は寛容だった、今は間違えている」といった指摘を繰り返しすぎている印象を受けた。確かにイスラムによるユダヤ教やキリスト教への寛容さには学ぶべき点があると思うが、そこには支配者と被支配者という関係があり、真の平等ではなかったのではないかとも感じた。現代の政治的・宗教的対立は、単純に過去を思い出せば解決できるようなものでもないだろうとも思う。ただ、対立関係に見えるものの中にも過去には多様な交流があったことを知れたのは大きい。 また、新書なので当然だが、章立てが整理されておらず、時代や地域が次々と移り変わっていく構成はやや読みにくかった。もう少し構造が整理されていれば、雑学の域を超えて体系的に理解できたと思うが、新書というフォーマットでは仕方がないのかもしれない。 イスラムとヨーロッパの関係というと、十字軍による侵攻などから常にヨーロッパが優位に立っていた印象を持っていたが、実際にはそう単純ではなく、イスラム文化がヨーロッパの形成に深く関わっていたことを知れたのはとてもおもしろかった。
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