宮田律のレビュー一覧

  • 中東イスラーム民族史 競合するアラブ、イラン、トルコ

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    中東イスラーム社会の中心的なプレイヤである3民族の歴史を概説する。近代以前のイスラーム王朝の変遷については、どの本を読んでもうんざりさせられるが、それはこの本も同じ。やむを得ないのだと思う。この本の特長は、イスラーム成立以降のアラブ・イラン・トルコ各民族間の一筋縄ではいかない関係を地道に丁寧にたどり、現在の中東の国際関係を理解する素養を身につけさせてくれることだろう。本書刊行後に起きた"アラブの春”以降の動きについても、著者の解説を聞きたいところだ。

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    2013年07月22日
  • 物語 イランの歴史 誇り高きペルシアの系譜

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    正直、イランのことも全然知らなければ、イスラム世界の知識も皆無。ただ中公の物語シリーズだから、ってことで読むことにした作品。案の定というか、全然覚えられなかったし、下手したら歴史の流れさえほとんどつかめなかったってのが事実。でも、他にも中東世界に関する書籍を読んでみようってきっかけにはなったと思えるし、ふとしたときにまた読み直すのも良いかも。食わず嫌いはダメすよね。

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    2013年05月07日
  • 激変! 中東情勢丸わかり

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    ネタバレ

    おなかいっぱい。中東各国が抱えている問題・動向が、いかに中東他国・外国および外国資本・イスラム・歴史と複雑に絡んでいるかよくわかる。
    情報量が多く、知らなかったことだらけ。。。

    結局、
    ・いま中東は激動の最中にあって、
    ・民主化ドミノがおこっていて、
    ・どの国も経済問題=貧困(格差)/失業/インフレを抱えていて、
    ・それは一部の人間による、政治の腐敗と抑圧が原因とされていて、
    ・実はそこには欧米の影響が多分にあって、
    ・こうした腐敗や欧米化に、宗教的要素が加わって、
    ・イスラムの名のもとに、国を再建しようという動きがあって、
    ・それにはインターネットが広く使われていて、
    ・民主化運動が続いて

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    2013年04月28日
  • アメリカ・イラン開戦前夜

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    いきなり読むとちょっとすんなり頭に入ってこなかったので、少し積読にしていましたが、読み始めると丁寧な書き方が好印象です。

    読み終わった所、イランの歴史や国内情勢・政治・経済に対して基本的なところから押さえてあるので、米国&スラエルとの確執がすんなりと理解できます。

    同じ著者の物語 イランの歴史も読んでみたいと思います。

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    2012年10月14日
  • 日本人が知っておきたい 「中東アラブ25ヵ国」のすべて

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    知っているようでわからないほかの国々。
    その中でアラブ諸国はニュースでは出てくるものの,石油と紛争の国ってイメージが。
    なぜそうなのか?と思うが,宗教上の聖地が数多くあったりイスラム教に従っているだけの部分もあるなど,今まで知らなかったことが書いてあり,これからアラブを見る時,ちょっと違って見えそうな感じがしました。

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    2012年09月25日
  • 中東イスラーム民族史 競合するアラブ、イラン、トルコ

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    ネタバレ

    [ 内容 ]
    アラブ・イスラームの正統な後継を自任し、イラク戦争後の新秩序を模索するイラク、サーサーン朝以来の繊細華麗な文化を誇り、核開発を巡って西欧諸国との対立を深めるイラン、多様性を内包し、EU加盟を目指してヨーロッパとアジアの境界を問うトルコ―。
    イスラームを共通の基盤としつつ、競合と協調を繰り返してきた三民族の歴史を辿り、米、欧、露、イスラエルを巻き込んで展開される地域のダイナミズムを描く。

    [ 目次 ]
    序章 中東三民族の特徴
    第1章 イスラームを誕生させたアラブ
    第2章 イスラーム世界に多大な影響を与えたイラン文明
    第3章 欧米支配とイラン民族主義の台頭
    第4章 トルコ民族の興亡

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    2011年04月06日
  • アメリカ・イラン開戦前夜

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    二次大戦以降のイランの歴史、アメリカとの関係、アメリカの対イラン政策をまとめている。
    ややイラン寄りな印象はあるが、イラン問題の歴史的経緯をとりあえず把握するのに良い本。

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    2010年12月27日
  • アメリカ・イラン開戦前夜

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    アメリカのイラン包括制裁法についての記載・背景を調べるため購読。
    アメリカ議会はユダヤ資本にコントロールされているという。
    イランの政治も問題だが、アメリカの政治も負けず劣らず問題じゃないのか?
    アメリカって嫌な国だね。

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    2010年10月10日
  • 中東イスラーム民族史 競合するアラブ、イラン、トルコ

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    たまに「既に分かってる人」向けの文章があって分かりづらい時があるのが難だが、とりあえず中東の知識を詰め込むのに気軽に手に取れる一冊かも。

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    2009年10月07日
  • 中東イスラーム民族史 競合するアラブ、イラン、トルコ

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    以前『物語イランの歴史』でも紹介した宮田律先生の著書です。この本では西アジアを構成する主要3民族、アラブ、イラン、トルコの各民族についてその歴史と現在の国際関係を記しています。内容の前半は、それぞれ3民族の前近代史について比較的詳しく、民族に焦点を当てながら解説しており、とくにイラン史などは先の『物語イランの歴史』より充実していると思えます。後半はそれぞれ各民族のナショナリズムや宗派を縦軸に、各国との利害関係を横軸に近現代の国際関係を論じておりますが、ここはさすがに先生の専門分野ですから、かなり詳しく、入り組んだ国際関係を一つ一つ繙きながら解説しています。この本を読んでみると、前近代はあれだけ

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    2009年10月04日
  • イスラエルの自滅~剣によって立つ者、必ず剣によって倒される~

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    国際的孤立し、国内的にも疲弊しつつあるイスラエルという観点でこれまでの経緯と現状、未来への展望をまとめてある。

    頭の整理にはなったものの、おそらくイスラエルが自滅することは当面ないだろうな〜と悲観的な自分に気づく。

    そんなに長くは持たないだろうという話は、北朝鮮、ロシア、中国について、ずっと聴いてきたなと思うので。今日の世界におけるレジスタンスの困難性について改めて考えてみたいと思った。

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    2025年02月06日
  • トランプが戦争を起こす日~悪夢は中東から始まる~

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    アメリカ大統領選挙はトランプ氏の勝利で幕を閉じた。それと同時に次のトランプ大統領がどの様な中東政策を行うか注目が集まるところだ。親イスラエルを掲げ、身内にもユダヤ教徒を持つ同氏の言動には常に注目が集まる。それは明らかに中東の和平の幕開けとはかけ離れたものになるのではないだろうか。特に今後トランプ大統領を中心とする閣僚人事には大きな注目があつまるが、前回大統領時代の様な、イスラムに対する超攻撃的布陣ともなれば、現在もなお対立を続ける中東各国の不穏な動きは助長され、少なからず邦人の身の安全にも影響を及ぼしそうである。
    この閣僚人事については、前回政権時には軍関係者がずらりと並び、アメリカの政策その

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    2024年11月09日
  • アメリカはイスラム国に勝てない

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    タイトルの通りである。アメリカはイスラム国には勝てない。それは大正解とまでは断言しないまでも、今のままのアメリカでは勝つ事はないだろう。いや、勝とうとはしていないという方が正しいのかもしれない。イスラム国をはじめ、イスラム教の社会にはニュース報道の影響力からかテロや戦争を通して触れる事が多い。小さい頃はアフガニスタン紛争を扱う映画をよく観たし、記憶に残るものでも、イラン・イラク戦争、湾岸戦争だけでなく、アメリカがイラクに対して核兵器を始めとする大量破壊兵器の疑惑をかけて、サダム・フセイン政権打倒を目論んだイラク戦争など、戦争映像ばかりが目に浮かぶ。近頃は再びイスラエルがパレスチナのハマスを攻撃

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    2024年09月23日
  • ガザ紛争の正体

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    本タイトルや章立て、章の中の見出しなどがとても興味深いものになっていて、とても知りたい、読んでみたいものになっている。

    たしかに知らなかったような情報、現地の現場感のある経験談や過去の経費の説明などが多く含まれていて、勉強になった。

    が、必ずしも章立ての項目にピッタリあった内容になっているかというとそうでもなく、またテーマごとに切り分けてあるが時間的な順番が前後したり、さまざまなトピックがからまっているので、なかなか全体像がわからない。

    2023年のガザの紛争が起きてから執筆されたものだと思うで時間がなかったのかなと思うのだが、大事なことが書かれていると思うので、もう少し全体の構成を工夫

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    2024年06月19日
  • アメリカのイスラーム観

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    書店でタイトル目に入り、読んでみた。

    アメリカを主に、イスラームとこれまでどのように関わってきたのか、なぜテロを起こすような感情が湧き起こるのか、読むのは少々大変だったが整理することができたと思う。

    音楽や建築など、文化的な面からアメリカにイスラーム社会がいかに大きな影響を与えるかという視点は、他の本であまり見たことなかったのでとても興味深く読んだ。

    本編でも出てくるが、アフガニスタンへの対応などを見ていると、アメリカが助けてくれるという過度な依存はし過ぎない方が良いと感じる(某野党は分かってないだろうが)。

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    2024年05月23日
  • イスラム唯一の希望の国 日本

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    互いを理解しなければ真の友情は生まれない。表面上の付き合いはちょっとした勘違いや、誤った情報により簡単に壊れてしまう。我々は多くの情報をニュース報道やインターネット上の(日本語で流れる)記事から入手する。それは要点を絞って上手く纏められる事で、分かりやすく感じる。仕事や学業で疲れた頭でニュースソースの信頼性を疑う事までして脳の疲労をさらに加速させるような事をせず、ただ(何となく)受け入れる状態になっている。それが積み重なると、一つ一つの問題や事象を表面に露出した分かりやすい部分だけを掻い摘んで見るような癖がつく。当たり前だが、ニュースで流れてる映像は大半が物事の結果であり、背景や事情よりも「だ

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    2024年05月12日
  • 武器ではなく命の水をおくりたい 中村哲医師の生き方

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    中村医師の活動の解説と平和について

    日本はアメリカの属国と言われるような状況で、親米国以外からの日本の評価を伺えて勉強になる。
    ただ、映画「荒野に希望の灯をともす」を観て中村医師の言葉や生き様に触れようとした自分にとっては、もっと生き方について書かれていることを期待してしまった。

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    2024年04月28日
  • 中東がわかる8つのキーワード

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    中東問題は根が深い。真の平和が訪れる兆しは見えない。そこには幾つもの要因があり、本書はそうした中東情勢を8つのキーワードを元に解説して行く。主に中東をイラク周辺とパレスチナを中心とする地域に分け、そこに存在する様々な課題を挙げている。イラク中心の世界ではやはり9.11以降のアメリカの介入の影響を今なお引きずり続けている。アメリカが介入すればするほど、中東の不安定さは増して行くし、ブッシュはアメリカが世界を平和にしたと自負し、対テロ戦争の勝利を声高に叫んだが、世界中のテロ発生件数はその後も増加した。
    アメリカは伝統的に他国へ干渉しない孤立主義を採ってきた国ではあるが、第二次対戦後のソ連との冷戦下

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    2023年07月17日
  • 武器ではなく命の水をおくりたい 中村哲医師の生き方

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    小~中学生を対象にしたであろう平易な文章で、故・中村哲医師の功績と現代の政治への憂いが書かれている。中村さんの活動について詳しいことは全く知らなかったので、とても勉強になった。また、アフガニスタンがどうしてこのような状況になったのかについての歴史的背景が、分かりやすく説明されているのも良かった。私も人のために生きるということがしたい…。

    ただし、女性の人権問題への言及がほぼない(この論点を問題視していない)のと、現代の政治についての語りが長めなので、★マイナス。あなたの意見に興味はなくて、中村さんの功績だけでいいのよ。

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    2023年03月31日
  • ナビラとマララ 「対テロ戦争」に巻き込まれた二人の少女

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    テロに巻き込まれた少女たち。アフガニスタンの状況は、正確な情報をえたりきちんと理解することは難しいかもしれませんが、刻一刻と世界の情勢が変わりつつあります。
    まずは知ることから始めませんか。

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    2021年08月24日