【感想・ネタバレ】アメリカのイスラーム観のレビュー

あらすじ

イスラーム世界の根強い反米感情の原因となる、アメリカのイスラームへの認識を説くとともに、イスラーム文化との交流を紹介する。

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Posted by ブクログ

9.11のテロ以降、特にイスラームへの嫌悪感が高まったアメリカだが、文化や建築、音楽など様々な多岐にわたる分野においてイスラームから多大な影響を受けている歴史があり、著名人の中にはイスラームのルーツを持っている人やモハメドアリのように改宗する人も珍しくなく、まさにイスラームに支えられ、イスラームなしでは語れない国といっても過言ではない。イスラエルによるパレスチナ・ガザ地区への侵攻が始まってから1年以上経った現在も、アメリカ政府はイスラエル支援を続けているが、市民レベルではパレスチナ支持の人々が増えているそう。結局、どの宗教が良いとか悪いとかではなく、宗教を政治に利用することがテロや戦争の根本原因だと思う。

これまでイスラエル=ユダヤ人・ユダヤ教徒の国と単純に思っていたが、パレスチナ侵攻を続けるネタニヤフ政権に嫌気がさし、イスラエルを脱出するイスラエル人が増えているということを本書で初めて知った。ユダヤの信仰を本当に大切にしている人たちにとってイスラエル政府のやり方は教義に反しており、ユダヤ教を自称するネタニヤフ政権に迷惑しているのではないかと思う。そして、反政府的な人々が国を去ることで、イスラエルはさらに右翼的な思想の人間(シオニスト)ばかりになっているのではないだろうか。これまでにユダヤ人がされてきたことをパレスチナの人々に対して躊躇なく行えるのは、シオニストが宗教を政治的に利用している証拠だと思う。反イスラエル=反ユダヤ主義とすぐ主張するイスラエルの被害者ムーブにはうんざりする。

不勉強で恥ずかしいが、アメリカとの関係を気にしてあからさまなイスラエル批判をしない国も多い中、歴史的な背景や国際法を守らないアメリカへの反発から、南米諸国の多くがイスラエルを非難し、パレスチナ支持を明確に表明しているということも本書で知ることとなった。また、現イギリス国王のチャールズ3世がイスラーム研究を支援しており、自身もイスラームに理解があるということも本書で初めて知った。正直スキャンダルの印象ばかりがついていたが、いかに自分が無知であるか、メディアの情報が偏っているかを思い知らされた。情報は自ら掴みにいかなければと反省。

最後に、直近のアメリカ大統領選挙ではドナルド・トランプの再選が決定した。アラブ系住民の多い地域は反トランプと書いてあったが、今回の選挙ではカウンティレベルで見てもトランプの圧勝だったそう。この結果を彼らはどう見てるのか、トランプの再選が今後の中東情勢にどう影響してくるのか注目したい。

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2024年11月16日

Posted by ブクログ

面白い。イスラムがアメリカ文化を豊かにしてきたか、イスラムをバックグラウンドに持つ若者の活躍、それに恩恵を受けて共存こそが平和と繁栄に繋がることに気づきイスラエルのパレスチナ侵攻に反対する人々、の繫がりがよくわかった。国同士では利害の一致で動くので人として正しいことをしているのかが判断の基準になる。次のアメリカ大統領はどう動くのか楽しみ。

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2024年08月31日

Posted by ブクログ

書店でタイトル目に入り、読んでみた。

アメリカを主に、イスラームとこれまでどのように関わってきたのか、なぜテロを起こすような感情が湧き起こるのか、読むのは少々大変だったが整理することができたと思う。

音楽や建築など、文化的な面からアメリカにイスラーム社会がいかに大きな影響を与えるかという視点は、他の本であまり見たことなかったのでとても興味深く読んだ。

本編でも出てくるが、アフガニスタンへの対応などを見ていると、アメリカが助けてくれるという過度な依存はし過ぎない方が良いと感じる(某野党は分かってないだろうが)。

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2024年05月23日

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