P.F.ドラッカーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
チェンジリーダーの条件
ドラッカーの入門書は読んだことがあったが、実際に読んでみるのは初めてであった。
自分自身、今年の前半は自分の所属する部活の運営面に携わることが多く、以前入門書を読んだ時よりもヴィヴィッドにイメージすることが出来た。ドラッカーがいうには、組織はそれが生み出したもの、それが外部に与えた影響によってはじめて認知できる。影響を受けることや影響を与えることなど、徹底的に外部を意識した姿勢は共感できる。バレーボールなど、球技のパスの良し悪しの評価は徹底的に受け手が決めるものであるという自分のポリシーに通ずるものがある。以下、書評ではなく、(自分のために書いた)要約である。2600文字とレポートがかけそうなくらい書いてしまった。。。。
マネジメントが果たすべき三つの役割は使命を果たす、働く人を活かす、社会的責任を果たすである。働く人を活かすためには、仕事を人に合わせなければならない。仕事の棚卸は大変でこそあるがそれだけではいけない。棚卸し、分けた仕事を働く人に再適合させなければならない。これが出来なければ意味がない。
そして、マネジメントが事業を成功させるためには、事業を定義する必要がある。そして、「事業とはなにか」を問うとき、それは「顧客は誰か」という問いと同義である。なぜなら、企業の目的は顧客の創造であるからである。顧客の創造にはマーケティングとイノベーションが必要であり、顧客を知ることがマーケティングであり、顧客に新たな価値を提示することがイノベーションである。マーケティングとイノベーションによる顧客の創造が事業の使命である。
マネジメントは目標を具体化しなければならない。目標とは事業の基本戦略であり、行動のための動機づけ、基準であり、基準は資源の集中に必要である。
事業を定義するためには、3つの前提を考えなければならない。第一は外部環境としての市場(組織が何によって対価を得るか)である。そして、第二に自らの目的と使命(組織が何を意味ある成果とみなすか)、第三に自らの強みと弱み(リーダーシップを発揮するためにはいかなる分野で抜きんでなければならないか)である。
定義は4つの条件を満たさなければならない。第一に、環境、使命、強みについての前提が現実に適合しなければならない。第二に事業の定義に関する三つの前提は互いに整合性を持たなければならない。第三に事業の定義は組織に周知徹底しなければならない。定義は規律であり、行動指針であり、慣習となる。第四に事業の定義は絶えず検証していかなければならない。自己変革の能力を定義には組み込まなければならない。
定義は必ず陳腐化するため、組織的・構造的に検証しなおさなければならない。陳腐化を防ぐためには、常に外部を見なければならない。変化の兆候はまず外部に現れる。定義を感が押さなければならないときは、目標が達成されたとき、予期せぬ成功があったとき、予期せぬ失敗があったときである。大事なことは常に問題意識を持ち続けることである。
自分の属する組織(体育会の部活)に良くあてはまるものは成功しているNPOの分析であった。これは金言の集まりである。
給料のでないNPOをマネジメントするのに必要なことは、使命をもつことである。使命をもつためには、外部に目を向ける。一流のNPOは組織が成功しているかを確認するために外の世界に目を向ける。いかなる変化を外に起こすことを成果とするかを明らかにし、そこに焦点を合わせなければならない。使命の定義が外を向いていることは、使命が陳腐化せず革新的なアイデアを生むことと関連している。成功している多くのNPOは理事会がうまく機能している。理事会は、事前に設定された基準に照らし合わせ、自らの仕事ぶりを評価してくれる機関である。理事会は多くの場合、パトロンであり、部活でいえば、OBOG会がそれにあたると考える。理事会はCEOと構造的に対立する。なぜなら、すでに言ったように資金力において実権を握っていること、そして理事会自体がそのNPOに長年勤め、仕事に詳しいことである。(OBOG会と全く一緒)必要な認識は、CEO(主将・主務)と理事会(OBOG会)は共通の目的を持ち、異なる役割を持つ仲間であるということだ。そして、CEOと理事会それぞれの役割を明らかにすることはCEOの責任である。理事会を有効なものにするためには、その仕事をCEOの側から組織化することである。(これがなかなか難しそう)次は、内部のマネジメントである。NPOの人々は、無給であるために満足を求める。組織が彼らを引き付け、とどまらせるには彼らの能力や知識を活用しなければならない。意義ある成果を与える機会を提供しなければならない。そのためには、古参スタッフ(先輩)が彼ら新人と面接し、強みや適切な仕事を分析し、責任を与えなければならない。そして、新人には目標を達成するために一緒に働く助言者や監督者をつけるべきである。(チーム制・責任者―実務者制)彼らが求めているものは第一に活動の源泉となる明確な使命であり、第二に訓練であり、第三に責任である。特に、自らが目標を検討し、設定する責任を与えられることである。マネジメントはこの三つを与えなければならない。やりがいある職場環境を作るためには、使命を明らかにし、人材を的確に配置し、継続して学習をほどこし、目標によるマネジメントを行い、要求水準を高くし、責任をそれに見合うものにし、自らの仕事ぶりと成果に責任を持たせることである。
もう一つ、重要であるように考えたところは、目標と自己管理によるマネジメントである。成員は明確な目標を持つ必要があり、それらの目標は自らの部門が生み出すべき成果を明らかにしなければならない。他の部門を助けるために、自ら自らの部門が期待されている貢献を明らかにしなければならない。そして、自らの目標を達成する上で、他の部門からいかなる貢献を期待できるかを明らかにしなければならない。一人一人の目標は長期と短期の観点から明らかにすることが必要であり、事業上の定量化できる目標と共に定量化できない目標も含むことが必要である。目標は好みである、組織のニーズから始めるべきであり、「自らになにが求められ、それがなぜであるか」と「自らの成果は何によって評価されるか」を知り、理解しなければならない。マネジメントは共通の目的への方向付けだけでなく、間違った方向付けをしないかを常に検査しなければならない。
以上 -
Posted by ブクログ
ドラッカーのすごさが詰まった本だと思う。
ドラッカーと聞くと、大抵の人は「ああ、マネジメントを開発した人でしょ」「ビジネス書の大家だよね」と言った返事が返ってくる。とんでもない。
ドラッカーは「人が幸せに生きるためにはどうすればいいのか?」を常に考えながら、人や社会全体を鋭い視点で洞察し続けた人だ。
これからの社会を見通したうえで「これから我々人類は、何を考え、どのように生きていくのがよいのか」を考えた結果として生み出したのが、マネジメントやイノベーションと言った概念達なのだ。この順番を決して間違えてはいけない。
第二次正解大戦前にナチスに真摯に対峙し、ナチスの本質の見抜いたこと。戦後アメリカにわたり、これからの人々の幸せのために「組織」の質を上げることが不可欠であると見抜いたこと。「組織」とは営利組織だけではなく、21世紀はむしろNPOが人々の幸せに貢献する時代になると予言したこと。
上記はすべてビジネスの枠に囚われていては決してできないことだろう。人類全体を包括する視点で物事を考えてこそ、初めてできることだと思う。 -
Posted by ブクログ
ドラッカーのイノベーション論の集大成として知られる本書は1985年に出版されたものだが、30年以上経ってから読んでも学ぶべきところが多い。クレイトン・クリステンセンの「破壊的イノベーション論」、ジェフリー・ムーアの「キャズム理論」もその原型となる考え方は本書で既に述べられている。
名著と謳われ、既に古典となりつつある本書ではあるが、第1部「イノベーションの方法」に論じられている「イノベーションの7つの機会」については、いまだに重要性を認識していない企業が多いのではないだろうか。7つの機会のうち誰もが注目する「新しい知識の出現」についてはドラッカーは最もリスクが高いと指摘し、誰もが見過ごしがちな「予期せぬこと」を積極的に活用せよと説く。もし、ドラッカーの指摘を忠実に実践していれば、苦境に陥らずに済んだ企業も多かったに違いない。
第2、3部で論じられている「企業家精神」、「企業家戦略」にも現代の経営理論の原点となった考え方が散りばめられており、経営理論に精通した人にとっても、初学者にとっても有益だろう。
昨今のイノベーションブーム(?)の影響を受けたせいか、2015年に本書のエッセンシャル版も出版されている。こちらは内容を確認していないが、本書よりもページ数がやや少ない程度のようなので、個人的には本書の方をお勧めしたい。 -
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新進気鋭のコンサルタントでもなく、カリスマ経営者でもなく、「学者」であるドラッカーが語るイノベーションは、はっきり言って全くワクワク感がありません。
本人も言っている通り、それまでどこか神秘的な、ひらめきというか、偶然の産物のように語られていたイノベーションを、マネジメントの目的として理論化してしまったわけですから、堅くて堅くて当然ワクワク感はありません。
しかし世の経営者の多くがこの本(1985年出版のほう)を座右の書としていることから分かるように、イノベーションを神秘的な事柄からマネジメントという現実の産物に引き下ろしたドラッカーの取り組みは、たくさんの経営者を奮い立たせたことでしょう。
イノベーションの7つの機会として、ドラッカーはリスクが少なく実現可能性の高いものから優先順位をつけて語ります。最初に出てくる機会のまあなんと地味なこと。反対に新たな技術や発明に基づく一見華々しいイノベーションには、多大な時間や戦略、マネジメントを必要とすると、優先順位のお尻に持ってきて、警告します。
本書の中では、既存企業や公共機関、ベンチャーにとっても必要な心構えが説かれているのですが、書かれた内容から、つい最近著された本のように錯覚します。これが今から30年も前、インターネットも無かった1985年に書かれたことが驚きです。90年代末のネットバブルやえせイノベーション流行りの現代を見事に予見した内容で、ドラッカーが預言者と言われる所以や、時代がドラッカーに追いついたと言われる理由がよーく分かります。
彼によって書かれている一つひとつの条件は、決して難しいことではありません。ただそれを意識して普段から準備しているかどうかの違いだと思いました。彼の語る多くの企業が見過ごしている事柄を敏感に拾い上げ、より多くの顧客、新しい市場を創造し、働く人の「居場所」を確保したいものです。 -
Posted by ブクログ
タイトルには「非営利組織」とあるものの、内容については一般的な営利組織においても有用な事が多かったと感じた。
そもそも営利か非営利かということは、人間が行う組織活動の目的ではなく、あくまでも要素の一つに過ぎないということなのだろう。
いわゆる地域団体やNPO、自治体組織等をイメージして読み進めたが、規模の大小は問わず複数の人間が集まって形成される組織というものについて、改めて考えるきっかけとなった。
また個人的ではあるが、私の勤務するインフラ業界は事業形態としてバリューチェーンが長大になるため、その企業にとっての営利活動が見えにくい内部のセクションが多くある。そのようなセクションには、むしろ非営利組織に近いマネジメントが有効になるのだろうとも感じた。その点でも読み進めた価値があった本だと思う。 -
Posted by ブクログ
2002年のドラッカーによる未来予測だが2014年の今まさに現実になってきている面やまだこれからのものがあり参考になる。
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明日のトップが果たすべき五つの課題
1)15年後には、コーポレートガバナンスが今日とは大きく違うものになる
財務金融の機関投資家に短期と長期、継続と変化、改善と創造のバランスをとることを理解してもらう必要がある
2)外の世界で起こることを理解しなければならない
ところが情報が手に入っていない。せいぜいが実例集である
3)明日のCEOたるものは、いつ命令し、いつパートナーとなるかを知らなければならない
命令や管理の時代は終わった
4)CEOが真剣に取り組まなければならない課題が、知識労働の生産性の向上である
知識労働では、何をするか、何をしていなければならないかが問題である
5)CEOたる者は、みながともに生産的に働けるようにすることを考えなければならない。
自らの組織が成果となすべきものを定めなければならないということである。
明日のリーダーシップはカリスマ性によってはもたらされない。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ(人の変化に気をつけること?)……アメリカ:1920年代、少子化(出生率2.2)1940年代~出生率1.8→3.6へ。1961ー1975(出生率3.7→1.8)、1980年代後半~1990年代前半ベビーブーム。人口構造の変化をネクストソサエティにおいてもっとも重要な要因であるだけでなくもっとも予測しがたく管理しやすい要因である。
(雇用の変貌、女性の活躍?)……もともと人類の歴史において、女性の役割と男性の役割は同等だった。教職が男女双方の仕事になったのは1850年前後のことであり、アメリカで看護学校の学生の4割が男となったのは、ようやく2000年のことである。
(トップマネジメントはどんな風に変わる?)……組織としての個の確立。価値、使命、ビジョンの確立。トップマネジメントが組織そのものである、他のものは、すべてアウトソーシングの対象となりうる。
(社会の一体性を回復するには?)……われわれはいまのところ願うことしかできない。われわれは、いかにそれをなすべきかを知らない。あらゆる組織が、それぞれの機能への絞り込みを厳しく保ちつつも、社会全体のために協同し、各々の政治機関と協力する意思と能力を新たにしていくことである。