P.F.ドラッカーのレビュー一覧
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日本の競争力を回復するため、イノベーションの必要性が官民あげて叫ばれている。とくにIoT、AIを活用した業界を破壊するイノベーションが米国を中心に生まれていることから、彼らの手法に学べとデザイン思考、リーンスタートアップなどが大流行である。
このような流行は2010年ごろからだろうか。
だが20年以上前に、あのドラッカーがイノベーションについて記したのが本書である。
イノベーションを体系的に行う手段として次のような内容が説明されている。
・まず人口、経済、技術など7つの機会を分析する
だがイノベーションは理論的な分析であるとともに知覚的な認識であるとして、
・実際に外に出て、見て、問い、聞く
という左脳と右脳の両方を使うことを強調し、実行する際には
・焦点を絞り単純な構造にする
なぜならば新しいことは何が起こるのか分からないので単純でないと修正がきかないからだ。
表現は違うが、本質的には現代で言われていることと同じではないか。
本書はさらに、イノベーションのための組織、評価基準、ベンチャーの扱いなど多岐にわたって鋭い論考が述べられ、既存企業がイノベーションをうまく利用するための指針となる。
新しい本もよいが、この古典から学べることの方が多いと感じる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレこのブログを見ている方、特にビジネススクールに通っている方に質問。
「起業が成功するための、一番の要素は何か?」答えは「創業者を含めた、社員の体力」である。
したがって、振替伝票を500枚切っただけで、翌日14時間も睡眠を取った大野なんぞ、ベンチャーなんか絶対に無理である。
サイバーエージェントの藤田社長は創業時、一週間で110時間働くことを自らに課したそうだし、子会社の社長に若手を抜擢する理由として、「不可能な事でも、体力で可能にすることがよくあるからだそうだ。」
楽天のCEO三木谷氏もその点は重々承知で、楽天市場に出店を募る時、頑張っていることを新規開拓先に見せつける為に、予めスーツ姿で筋トレをして、汗だくで商談をしたとのことだ。
私も某大学から「大野~ウチのビジネススクールにも、ビジネスオタクの生徒がいて、ビジネススクールを出たら、起業出来ると思っている奴がいるんだ。一度講釈を垂れてくんないかな~」と非公式のオファーがあった。
私はそれにこう答えて、話は流れた。「本物のビジネスをしたかったら、ガチ難しいTOEFLとGMATを受けて、アメリカ行って寝る暇も惜しんで勉強してこい」と。
ちょっと、前置きが長くなったが稲森さんも起業時から徹夜、徹夜の連続である。
「京セラは京都の会社だから、同じ京都の日本電産みたいなノリちゃうん?」と言われる方もおられるであろうが、トップが仕事に頑張ると部下の士気も挙がるのである。
本書では稲森さんの代名詞である「アメーバ経営」云々については、述べてない。
しかし、'稲森和夫 'の本質が分かる本である。
京セラ創業、第二電電設立、京都商工会議所会頭就任等、余すところなく稲森さんの歴史が幼少時代から語られている。
残念ながら、JAL再生については、少し前の書籍ということで入っていない。
しかし、現役の経営者で実績からいって、五本の指に入るであろう稲森氏の足跡を辿るには、十分な本である。
一読をお薦めします。 -
Posted by ブクログ
いかなるミッションが有効でいかなるミッションが無効化。そしてミッションは何か。ミッションの価値は文章の美しさではなく、正しい行動をもたらすことにある。
なすべきもののうちうまくいっているものをさらにうまく行う。
大学が都市問題の解決に取り組んだ。(無能ぶりを晒しただけ、大学の価値観は政治的な問題に不向きだった、政治力学を理解できなかった)
病院が保健教育に取り組んだ。予防は不得意だった。得意なのは発症した病気を処置することだけだった。
1機会・ニーズを知るべき
2自らの手にする人的資源、資金、そしてなにより能力によって世の中をかえ、自らの基準となり得るものは何かを考えなくてはならない。自らの基準となり得るためには優れた仕事を行うことができなければならない。成果に新たな次元を持ち込むことができなくてはならない。
3何を大事に思うかを考えなくてはならない。つまりミッションは非人格たり得ない。私はコミットメントなしにうまくいった例を知らない。
問うべきは3点
1「機会は何か」「ニーズはなにか」
2「我々向きの機会はなにか」「我々ならば良い仕事ができるか」「我々は卓越しているか」「我々の強みにあっているか」
3「心底価値を感じているか」
万事がうまくいかなくなるきっかけは失敗した時ではなく、成功している時の慢心。
変化は脅威でなくチャンス。
大学や大学院の多くは、高学歴者の継続教育が贅沢でも単なる収入源でもPRでもないことを知っている。継続教育は今日の知識社会の中では中核的機能である。それらの大学や大学院はすでに医師、技術者、経営者を学生として迎え入れるべく教授陣を整備している。(これがイノベーションの道具になる)
新しいことをする部署は独立した部門として組織されなければならない。日常の問題解決に優先されないように。しかし無縁にしてはならない。(相互作用を維持する)
イノベーションを成功させるには戦略が必要。新しいものを世に生かすための戦略。それは機会を体現する人を見つけること(ロールモデル?)理解力があり、新しいものを歓迎し、意欲があり、地位も影響力もある人物が絡むことが必要。するとだれもそこには何かがあると思う。
重要なこと、新しいものにはそれに惚れ込んだ人間のコミットが必要だ。本気の人はパートタイムではやってくれない。
リーダーは独裁者ではない。強力なリーダーは規範となるべき人。組織内の人たち、特に若い人たちが真似するに値する人を選ぶ。(この人の真似をさせたい、と子供に対して思えるような人をリーダにすべき。そしてそういう人が成功する場所に居るべき)
非営利組織は一つのステークホルダーを満足させるだけでよい、という贅沢はゆるされない。上場企業は株主の満足が優先。しかしNPOには関係者が多く存在する(とくに政治、公共)
NPOのリーダーたるもの、なみの仕事ぶりで満足するわけにはいかない。大義にコミットしているからして並外れた仕事ぶりを要求される。組織の役割について大きなビジョンをもち自らではなく、自らの役割について考えることができなければならない。自らを重視するリーダーは自らを殺し、組織を殺す。
リーダーとなったら一年で成果を上げなくてはならない。組織のミッションと価値観に沿った役割(3こ)をはたさなければならない。
1役割がリーダー自身と適合しなければならない。喜劇俳優がハムレットを演じることはできない。
2なされるべき課題と適合しなければならない
3寄せられる期待と適合しなければならない
リーダーが使うことができるもの(組織内の人材、彼らにかす要求)
何を要求すべきかは分析、知覚あるいはその双方によって知ることができる。
仕事の重要性にくらべれば、自分など取るに足りないことを認識する必要。(客観性、分離感)自らを仕事の下に置かなくてはならない。仕事はリーダー自身よりも重要であって、リーダーとは別個のもの。自分がいなくなったとにも組織が崩れないようにまでするのが仕事。
チャーチルの強みはどこまでも後進の政治家を育て、後押ししたこと。人の強みに脅かされることのない真のリーダー。これに対し、ローズヴェルトは自立の兆しを見せるものは全て切り捨てた。成果に焦点を当てること。
リーダーの仕事。個別の問題と全体の問題、短期的問題と長期的な問題など二つのバランスをとること。
全体に気をとられすぎると、助けを待つ孤独な若者という個の人間としての存在を忘れてしまう。
難しいのは集中と多様化のバランス。最大の成果は集中することによってのみ得られる。ただそこにはリスクが伴う。間違ったことに集中したままでいるリスクがある。あるいは大事なことを忘れるリスク。想像力の発揮に必要な遊びの部分を失うリスクがある。あらゆる仕事が陳腐化する。したがって多様な視点を確保しておかなければいけない。
さらに重要なバランス(難しい)は慎重さと迅速さのバランス。すなわちタイミング。分別と中庸が必要。早とちりなら3ヶ月と思っているものを5ヶ月、のんびりなら「いそげ」?
リーダーがしてはいけないこと
1人の意見を聞かない
決定する前には人に相談。成果を上げるため、自分をわかってもらうためには時間を使わなくてはならない。
2組織内の個性を恐れること
汎用な者にかしづかれるより、自分を押しのけようとする有能な者に取り囲まれる方がリスクは小さい
後継者を一人で選んではならない。自分のコピーを選ばない。
3手柄を独り占めすること、部下を悪く言うこと
ー人口構造の変化を先取り(少子高齢、人口減少による移民流入)
ー人の可能性を引き出す(人がすでに持っているものを引き出す、目標達成と同時に人を育てる組織であれ)可能性と現実を結びつける
そこで働くメリットがあるような組織であれ(機会の提供、とくに自己実現)
多くを要求すると仕事の質も人間力も向上する
大事なことは失敗しても第2、第3のチャンスを与えること、そして多くを要求する場合には先生役を用意すること(恩師)
人を育てている人を見つけて認める、褒める。
リーダーの評価軸はカリスマ性ではない。変化にどう対応できるか、もめ事にどう対応できるか、関係者のニーズにどう応えられるか、そして継承。
われわれは繰り返しミッションを見直していく必要が有る。人口構造が変化したが故に、あるいは成果を上げなくなったものを廃棄しなければならない。さらには目標を達成したが故にミッションそのものを見直していく必要が有る。
典型例:義務教育のあり方
目標を達成したが故に何を期待すべきかを再考しなければいけない。今日も止められているのは10人中9人がいけなかった頃のものとはちがう。
ミッションの見直しにあたっては、外の世界からスタートすることが決定的に重要。組織内からスタートして資源の投資先を考えていたのでは、資源の浪費にしかならない。機会、つまりニーズを知るには外を見なければならない。
ミッションは長期目標からスタートしなければならない。
ジョン・ダン「永遠なるものへは、明日への一歩からスタートしてはならない。それは一歩の積み重ねではない」長期目標をたてて、逆に辿って「今何をすべきか」を考えるべき。短期行動は長期の目標につながるか、寄り道につながるか、目的を見失っていないかを考えなければならない。
リーダーは私人ではなく、何かを代表する存在。
非営利組織のマーケティングは構想段階から組み込んでおくべき。非営利組織は目に見えないものを提供する。
(結果というのは「いじめ」や「不登校」の減少かな、成果の定義が重要そう。)
寄付金集めに追われていては存在意義が危うくなる。
成果の定義(セグメント毎に成果の定義は分けた方がいいかも。
例えば学校で言えば不登校、いじめの数値化、精神科系の病院の通院頻度、入院患者数、会社で言えば成果がどれほど上がるかというところか)
NPOはひとを変えるためのチェンジエージェント。
その成果はひとの変化、すなわち行動、環境、ビジョン、健康、希望、そして能力と可能性の変化となって現れる。
ーひとが自己実現できるような組織、もしくはチェンジメーカーとして受け手の自己実現を手助け
ーそしてなにより評価軸をセグメント毎にいかに設定するか。である
大義は「自分の問題をなるべく自分の力で解決できるような力をつけさせるような教育」いわば自立、そして情報編集力。を日本全体に広める。
組織が腐っている時、自分が所を得ていない時、あるいは成果が認められない時にはやめることが正しい道。出世は大した問題ではない。重要なことは公正であり、公平であること。さもなければ、やがて自らを二流の存在としてみる。
学ぶべきことがなくなると、人間の大きさが一挙に小さくなる。
日常化した毎日が心地よくなった時こそ、違った行動を行うよう自らを駆り立てる必要がある。「燃え尽きた」は大抵飽きただけ。
仕事から学び続けるには、自分の期待に成果をフィードバックさせなければならない。重要な活動は何かを知らなくてはいけない。
知識、勤労、にもかかわらず成果をあげるひととそうでないひとの差。才能ではない。
「習慣的姿勢と基礎的な方法」を身につけているかどうか。
成果を上げるために
1行うべきことをきめる
優先すべきこと、集中すべきことをきめる。そして自分の強みを知ること。
上司を真似ることではなく、自らが持っているものを知り、それを使って成果を上げること。
強み?理論型かな。
自らの成長につながる最も効果的な方法は自らの予期せぬ成功を見つけ、その予期せぬ成功を追求すること。
(一般理論の構築、地道な情報収集、哲学的思考能力かな。あとは相互作用の感度が高いとこ。販売をするとよく売れるのはそこかも。それから自分を消す技術=客観的視点。リフレキシビリティ。
女性や知識人は非営利の方が向いてるかも。 -
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はじめて読むドラッカーシリーズの社会編であるが、初めて読んだ時は理解が及ばず、書評が書けなかった。その後、ドラッカー本をあれこれと読んできたので、改めて今回、読み直してみた。
以前と比べるとかなり理解できるようになったが、それでもPart3の「模索する政治」は難しい。しかし、現代社会を理解するうえで最も重要なのは、この章ではないかと思う。特に第1章では理性主義のリベラリズムに対して次のように述べている。「理論については過激、行動は遅疑逡巡、反対するときは強硬、権力を握れば無力、机上に置いては正しく、政治的には無能である」…。まるでどこかの政党のことを言っているようだ。
歴史は繰り返すという。複雑な現代社会を理解するためにもドラッカーのように空間的にも、時間的にも広い視座をもつ人の言説は参考になる。まだ理解が不十分な点が多いので、折を見て読み返してみたい。 -
Posted by ブクログ
ドラッカーの少し古い2002年くらいの一冊。まだIT革命がのちにどうなるかって状況の中で予言のように書かれた部分もあるので、今読むとその先の未来と照らし合わせながら読むことができておもしろかったです。これだけ世の中を俯瞰して自分は捉えることができているかなと振り返ってみると、やっぱ視野の狭さは否めないな。。森が見えてないなと思わされました。ミクロとマクロ、両方の視点をしっかり読みやすく書いてくれていて、いつもドラッカーがどうやって情報を整理していたのか気になりました。中身はまだ道半ばのことが多いけど、ある程度は予測の範疇かなと。トレンドを認識しながら、自分の進む道も考えていきたいなと思います。
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Posted by ブクログ
最近再びハマっているドラッカー本。
イノベーションとマネジメントについて学ぶならってことで、
ドラッカー本を手に取りました。
相変わらず難しい内容が書いてあり、
全てを理解しきれていないとは思いますが、
当たり前ではあるが実践できていないこと、
イノベーションを実現するにあたって考えないといけないこと
を体系的に学ぶことが出来ます。
事例について多くページを割いているところも良かった。
ただ、難しい内容で事例が多いと眠くなってしまいます。。
「優れたマネジメントは、どこにいっても優れている」
と言われるようなマネジメントが出来るようになりたい。
【勉強になったこと】
・マネジメントが報酬を支払われているのは、
判断力に対してである。
マネジメントは、自らの過誤を認め受け入れる能力に
対しても報酬を支払われている。
・予期せぬ失敗に直面したときは、検討・分析の前に
まずは現場がどうなっているかを見聞きすることが重要。
何がどうなっているかも分からず検討・分析するのでは
全くもって意味が無い。
・ニーズに基づくイノベーションを実現する前提
①完結したプロセスについてのものである
②欠落した部分や欠陥が一箇所だけある
③目的が明確である
④目的達成に必要なものが明確である
⑤もっとよい方法があるはずとの認識が浸透している
特に⑤が無いと顧客に受け入れてもらえない。
・必要な知識のすべてが用意されない限り、
知識によるイノベーションは時期尚早であり、
失敗は必然である。
・知識によるイノベーションを実現しようとするときは、
失敗したときに分析することが効果的である。
分析することによって、欠落している知識を理解する。
・イノベーション3つの「べからず」
凝りすぎない、多角化しない、未来のために行わない
・イノベーションを成功させる3つの条件
集中する、強みを基盤とする、経済や社会を変える
・イノベーションに成功する者は保守的である。
かつ、機会志向である。
・企業家精神を組織内で当たり前のものにするには、
イノベーションの機会に気づく仕組みを作ることが大切。
例えば、報告書には問題・課題だけではなく、
期待や計画を上回った内容についても報告させる。
予期せぬ成功は、イノベーションの機会兆候である。
・優れたマネジメントとは、どこへ行っても優れた
マネジメントである。もちろん仕事の内容ややり方は違う。
だが、考え方や分析の仕方は同じである。
・ベンチャーが成功する4つの原則
①市場に焦点を合わせること
②財務上の見通し、特にキャッシュフローと資金について
計画をもつこと
③トップマネジメントのチームをそれが実際に必要となる
ずっと前から用意しておくこと
④創業者たる企業家自身が自らの役割、責任、位置づけ
について決断すること
特に④が難しいかもしれない。自分が起こした企業でも、
自分が必要ないと感じた場合は身を引く決断を迫られる
という意味だから。
・組織に共通する重要な活動は、
人のマネジメントと資金のマネジメント
・みんなを満足させる=誰も満足させられない
ということ。機能特化が好まれる。