組織運営のお勉強。リーダー依存だとなかなか変われないと思ってしまった。
多元型組織の特徴?権限の委譲
多元型組織の特徴?価値観を重視する文化と心を揺さぶるような存在目的
多元型組織の特徴?多数のステークホルダーの視点を生かす
組織の発達ステージを決める要因は何か?それは、リーダーがどの段階のパラダイムを通して世界を見ているかによる。
私たちがエゴに埋没していると、外的な要因(ほかの人々は何を考えているのか、どのような結果が達成できるのか)によって判断が左右されがちになる。…
進化型では、意思決定の基準が外的なものから内的なものへと移行する。
人生を「自分の本当の姿を明らかにする行程」だととらえれば、自分の限界を現実のものとして冷静に見つめ、目に入るものを心穏やかにとらえることができる。人生とは、自分の中にもともと素養がないものに無理をしてなろうとすることではない。私たちはまた、周囲の人々や状況には何が足りないか、あるいは何が間違っているか、といったことではなく、そこに存在するもの、美しいもの、可能性に注意を向けるようになる。決めつけよりも思いやりと感謝を優先する。心理学者たちは、「欠点を見る」のではなく、「長所を生かす」というパラダイム変化が起こっていると指摘する。
進化型パラダイムでは、判断と寛容という対立を超越できる。進化型以前の段階では、私たちはほかの人々と意見が異なると、「自分たちが正しく、彼らが間違っている」と決めつけて対峙することもある。そうなるととるべき選択肢は、説得する。教えて間違いを正す、解雇するということになる。あるいは寛容という名の下に意見の違いをうまく取り繕って、すべての真実は等しく価値があることを認める。
進化型パラダイムでは、この対立を超越し、決めつけないことでより高次の真実にたどりつける。私たちは自分の信念を点検し、実際にはそれが優れていることを発見するのだが、同時にほかのひとのことも、基本的に等しい価値の人間として受け入れることができる。
本書で取り上げる先駆的な進化型組織の事例研究によって明らかになったのは、以下の三つの突破口だ。
?自主経営―進化型組織は効果的に機能するための鍵を見つけ出した。大組織にあっても、階層やコンセンサスに頼ることなく、仲間との関係性のなかで動くシステムである。
?全体性―職場に行くときには、狭い「専門家」としての自己をまとい、もう一つの自分の顔はドアの外に置いていけ―組織とは、そこで働く人々に常にそういうことを期待する場所だった。そうした組織の中では、男性的な強い意志、決意と力を示し、疑念と弱さを隠すよう求められることが多い。合理性がすべてであり、情緒的、直感的、精神的な部分はまず歓迎されず、場違いだとみなされてしまう。進化型組織は、私たちの精神的な全体性があらためて呼び起こされ、自分をさらけ出して職場に来ようという気にさせるような、一貫した慣行を実践している。
?存在目的―進化型組織はそれ自身の生命と方向感を持っていると見られている。組織のメンバーは、将来を予言し、統制しようとするのではなく、組織が将来どうなりたいのか、どのような目的を達成したいのかに耳を傾け、理解する場に招かれる。
権力をトップに集め、同じ組織に働く仲間を権力者とそれ以外に分けるような組織は、問題を抱えて病んでいく。組織内の権力は、戦って勝ち取る価値のある希少なものと見られている。人はこうした状況に置かれると、いつも人間性の影の部分が浮き彫りになってくる。個人的な野望、政治的駆け引き、不信、恐れ、ねたみといった感情だ。組織の最下層では「あきらめ」と「怒り」の感情が広がりやすくなる。
多元型組織は権力の不平等という問題を、権限移譲、すなわち意思決定を組織ピラミッドの下位の人々に担わせることで解決しようとしている。その結果、他社よりもはるかに高いエンゲージメントを実現している会社も多い。しかし、権限移譲を実現するには、トップにいる者が、自分の権力の一部を譲れるほどに賢明か高潔でなければならない。
…マクレガーによると、経営者は従業員について次の二つのうちどちらかの見方をしているという。
?従業員は本来怠け者で、なるべくなら仕事をサボりたいものだ(X理論)
?労働者は意欲的で、自発的で、自制心を発揮できる(Y理論)
どちらが真実なのだろう?この点についての議論が始まるといつまでたっても終わらないだろう。マクレガーは何度も検証を重ねたうえで、ある重要な見解に達した―どちらも正しいというのである。人々を不信の目で見て(X理論)、あらゆる種類の命令、規則、罰則で従わせると、彼らは制度を出し抜こうとするので、あなたは自分の考え方が正しかったと感じるだろう。信頼をもって接すると(Y理論)、責任感ある態度でその信頼に応えようとするはずだ。すると、自分の立てた前提が有効だったと感じるだろう。これを発達心理学の観点から説明しよう。順応型/達成型の強い組織構造と組織文化をつくり上げると、人々は順応型/達成式の反応をするようになる。進化型色の強い組織にすると、人々もそのようにふるまい始めるのだ。
結局、根本をたどっていくと「彼らが刈り取るのは、蒔いた種から育った物」、つまり自業自得なのである。恐れは恐れを生むし、信頼は信頼を育てるという最も基本的な真理に行き着くというわけだ。
RHDコミュニケーションのメンバーには、次の二つをできるようになることが重要だ。
a「自分自身が常に正しいはずだ」という思い込みをやめ、ほかの人々の現実や考え方に耳を傾け、それらを尊重せよ。
b思考(頭の中で起こっていること)と行動(言ったりしたりすること)とを区別せよ。