あらすじ
【大反響、7万部突破!!】
続々受賞!
「ビジネス書大賞2019」経営者賞
「読者が選ぶビジネス書グランプリ 2019」マネジメント部門
「ITエンジニアに読んでほしい! 技術書・ビジネス書 大賞 2019」ベスト10
「HRアワード 2018」優秀賞
本書を読んでいくと、
「あなたは、どんな組織をつくりたいのか?」
「その実現のために最善を尽くしているか?」
と問われている感覚があった。
でも、一気に色んなことをせずに、まずは目の前の一人に心から向き合うこと。
それが自分にできる唯一の道であり、それに気づかせてくれた『ティール組織』に、心から感謝を。
――岡田武史(株式会社今治.夢スポーツ 代表取締役会長、元サッカー日本代表監督)
10年、20年先の組織のあり方を示す決定版こそが「ティール」
この変化が、様々な業界で既に起きつつあることに、興奮を隠せない!
――入山章栄(早稲田大学ビジネススクール准教授、『世界の経営学者はいま何を考えているのか』著者)
人事の役割を再定義させてくれた一冊。
――島田由香(ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社 取締役 人事総務本部長)
組織の変化は、現実的には一直線ではないはず。
本書を読んで、「自分の会社は現在に至るまで、どう変わったのだろう?」と色の変化をたのしんでみよう。
――小竹貴子(クックパッド株式会社ブランディング・編集本部長)
久しぶりに画期的な組織論の本に出会った。
――堀内勉(多摩大学大学院特任教授、書評サイトHONZレビュアー)
これは間違いなく、今後20年は読みつがれる組織論の古典になる。
――岩佐文夫(元DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー編集長)
「なぜ仕事で疲弊するのか?」
「組織のどこがおかしいのか?」と思ったら
原因を究明するのに最高の教科書。
――吉沢康弘(インクルージョン・ジャパン取締役)
「高い次元の組織」とは何か、という問いに答える刺激的な一冊。
――ロバート・キーガン(ハーバード大学教育大学院教授、『なぜ人と組織は変われないのか』著者)
ポスト資本主義時代における新しい組織モデルのバイブルとして、
21世紀の歴史に刻まれる本になるでしょう。
――佐宗邦威(biotope代表/戦略デザイナー、『21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由』著者)
次の組織モデルは、これだ。
上下関係も、売上目標も、予算もない!?
従来のアプローチの限界を突破し、
圧倒的な成果をあげる組織が世界中で現れている。
膨大な事例研究から導かれた新たな経営手法の秘密とは。
原書発売後またたくまに世界中に広がり、15カ国語・40万部を超えるベストセラーに。新しい時代の経営論として大注目の一冊。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
組織の発達段階
1無色2神秘的マゼンタ3衝動型レッド言わばマフィアややくざ4順応型アンバー警察など公的機関5達成型オレンジ現代企業の多く6多元型グリーン7進化型ティール
別の書籍で、プライベートも共有する事などがあったが、まさにティールはそう言った自発的な組織を言うのだなと感じた。人は命令されてやるより自発的にやる方が明らかに成果に違いがある。自発的な職務を推進していくなら内面を見ていく必要があると言う事なのだ。
これは組織に限らず教育にも活かせると思う。目の前の目標の先を見据えたコンタクトが必要だろう。
Posted by ブクログ
日本型の企業にすぐに当てはめられるかというと諸問題はあると思いますが、比較されがちな官僚組織と異なり、組織内での自立や自制がキーワードとなるティール組織の概要を学べました。
Posted by ブクログ
完全なティール組織を目指さないとしても参考になる考え方が多くある。ティール組織であり、それと同時にグリーン組織であり、同時にアンバー組織でもあるという各組織のいいところがインテグラルされた状態に自部署をしていきたいと思った。結局、それってティールの状態であるということと同じかもしれない?また時間を置いて考えてみたい。
Posted by ブクログ
どの分野の人にでもおすすめできる一冊
自己啓発本ではなく、データを集め、インタビューをし、それをきれいにまとめている
具体的な解決策も載っている
Posted by ブクログ
経営、組織論でもあるが哲学でもあり、サステナビリティでも社会システムの書でもある。
組織を機械のようにみたて、は人を部品として考えて来た過去と決別し、複雑性に対応するエコシステムになれるか。その挑戦に役立つ書籍。
Posted by ブクログ
現在私はごく普通のサラリーマンであるが、この本に書かれてある現在の組織の問題点に見事にぶち当たっており、提案されている新しい組織の形はとても魅力的で、今勤めている会社を新しい組織の形に変えたいと感じた。ただし、新しい組織は社員に階層構造がほぼないため、当然給与にも差がほぼなく、この点が現在の組織を変更して新しい組織に移行するにあたり最も困難なことだと考えられる。したがって、もし今の会社でできることとすれば、周りの人をもっと信頼し、頼り、自らの心を開示し、約束を果たしていくことで、会社の雰囲気を変えていくといった地道な活動になるだろう。そういった視点をもたらしてくれた本書に感謝するとともに、いつかそんな会社を自ら立ち上げたいと思った。
Posted by ブクログ
全く新しいマネジメントを知った。
「こんなチームで仕事したい」と純粋に思った。
ピラミッド型の組織とマネジメントしか経験したことがない私だが、この10年以内には自立型経営組織は絶対に増えると予想。
そのとき遅れないように、むしろその真ん中にいたい。
Posted by ブクログ
ぶ厚い本で読み切るのが大変だったがその分学びが大きかった。完全なティール組織になればそれが理想かと言えばそうでもない気もするし、結局は、自分が組織を通してなすべき使命は何か?本当に達成しがいのあることは何か?ということに収斂される気がする。
以下、印象的な一文
ティール組織では人々は羽を伸ばし、穏やかに、しかし目的地に向かってしっかりと飛んでいるように感じる。正しい文脈と人間関係が築かれていれば、組織を運営するはるかに簡単な方法は本当に存在する。
Posted by ブクログ
589頁にも及ぶ大書。パラダイムシフトのゴールとして、あたらしい「ティール組織」を定義する組織論。自然発生的な集団である無色からはじまって、マゼンダ、レッド、アンバー、オレンジ、グリーン、ティール。7段階の組織構造を7つの色で表し、その組織の特徴を考察する。
Posted by ブクログ
原題は「ReinventingOrganizations(より良い組織の発明)」
人類史上、社会と組織はより複雑になった。
現代社会における組織も、より複雑になってきている。
世界各国の先進的な企業に共通している特色によって、進化型組織はどのように変化しているのかを紐解く良書。実現困難に思われるような内容もあるかも知れないが、まだ私たちが知らないだけだと考えさせられる。
Posted by ブクログ
これからのマネジメントに関するノウハウを学びたい、また旧式の組織管理に違和感を感じている方にオススメ。中規模のチームリーダーがマネジメントを学ぶ、と言う目的で読む本ではなく、企業としての在り方に対する考え方。
マネジメントという枠を越えて生き方としての学びも多い一冊。
「どんな組織もリーダーの発達段階を超えて進化することはできないのだ」
リーダーたる者は常に自己研鑽を繰り返し、自分自身が常に進化していかなければいけない。行動管理する、叱咤激励する、昇進や給与をネタに人を動かす、この様な考えは既に過去の産物になっている。
日本ではテレワークが進み仕事の進め方に多様性を謳っているがその裏では会社側からのパソコンの遠隔シャットダウンやパソコンの起動時間チェック、日報の厳格化等、組織マネジメントとしては退化している様な面もあると言うことにも気がつく。
Posted by ブクログ
以前から読みたかった書籍。大変、興味深かった。
特定の技術や専門分野を持たず、やりがいだけを求めて、これまで仕事をしてきた自分が、このような組織体系に身を置くと、どのように変化するのか、試したい思いがある。
Posted by ブクログ
組織を生命体として例える。生命体の進化は脳が「進化しよう」として進化するのではない。さまざまな部位での受容器官が感知する情報で即座にその部位が変わることによって起こる連続的な、しかも同時多発的な変化の積み上げによって起こるのだということ。組織もそうあるべきである。。この本を読んでそんなことがイメージされた。
何かあれば人は対処するはずだと共に働く人を信じること。自主経営、ホールネス、存在目的。。一度自分たちの組織でも問いたい。
Posted by ブクログ
読み応えがある。
ティール組織の状態がどんな性質を持っているのかは、理解できた。実践というところのハードさも。
人間の根源的な部分の理解が必要。
従業員/法人の経営的な部分というよりは、人間/法人の存在意義に焦点を当てた組織形態。
人間自身の進化の歴史や生態系など、もういっぽ俯瞰した視点を持てると、もっと理解が深まると思った。
Posted by ブクログ
新しい組織形態に関する本。VUCAという言葉はなかったですが、こういう時代に適した組織形態なのだろうか。ティール組織で運営されている企業について書かれた日本語の本が少ないため、掘り下げにくい感じがする。ティール組織の課題をはっきり示している点が好印象。最後は飛躍しているけど、まとめてほしかったかな。再読してさらに魅力を追及したい。
Posted by ブクログ
おそらく過去に衝動型組織が順応型や達成型を見て「そんな理想論的な組織は実現不可能だ!」と思ったであろう。同じように、現在主流の達成型(一部多元型)組織が見て進化型組織は頭では実現不可能に思えつつ心では理想型であるとも思う。ゆえに実現は可能なのだろうと思う。
しかしこのティール型組織、非常に実現と運営が難しい。導入はトップの強いリーダーシップや指針が必要だが導入後は自発性を重んじサポート側に周り、社員同士が個々人らしきを発揮し主体性に委ねる。この手前にNETFLIXの人事に関する本を読んでいたがNETFLIXはティールとグリーンの間かもしれない。業績が良いとき、うまく回っているときはいいが、トラブルや逆流したときにどうするか、必ずしも総和が善ではないことを考えるとまだまだすぐに拡がることは難しそうだ。ティール型組織は絵餅が未来像か、実現すればハイパフォーマンスな組織ができることは間違いないが、もう少し事例と具体例を持って見守っていきたい。
Posted by ブクログ
次世代の組織を紹介する理論書としては最高。
だが、ティール組織をつくれるのは「CEO、取締役だけ」という主張にはガッカリ。
『だから僕たちは、組織を変えていける』や『武器としての組織心理学』も合わせて読んで
理論としてのティール組織を実装するとまではいかずともティール的な要素を取り入れられるようにしていきたい。
Posted by ブクログ
パラダイムシフトにより働き方の考え方が変わってきているが、本当に効果があるのかは歴史が浅くまだ何とも言えない。
レッド型やオレンジ型が長い年月の中で続いて来たのはそれなりの理由もあるわけで、一概に悪いとは思えない。
ティールの目指す方向性の先にどういう未来が導き出せるのか。働く人の幸せを追求することで社会全体が幸せになるのか?まだまだ検証の余地はあるなと思えた。
ただ、変えていかなければならないところは変えていく。そういう想いを抱かせてもらえた。
Posted by ブクログ
人類は有史以来、様々な組織を形成しながら歩みを進めてきた。少人数の血縁関係から始まり、「神秘的な」部族集団、「衝動型」のギャングのような集団、「順応型」の教会や軍隊のような集団、「達成型」の現代多国籍企業、多様性・平等・文化を重視した「多元的」なコミュニティ。そして、現在さらに一歩進んだ組織形態と目されているのが「進化型(ティール)」の生命体型組織である。以下、印象的だった部分を抜粋。
・アインシュタイン「問題は、それが起こったときと同じ意識レベルでは解けない」
・社会的な安定は、仮面をつけ、個人的な性格や欲望や感情から自己を切り離し、社会に受け入れられる自己を獲得することで達成される。
・人生の究極の目的は・・・自分自身の本当の姿を表現し、本当に自分らしい自分になるまで生き、生まれながら持っている才能や使命感を尊重し、人類やこの世界の役に立つことなのだ。
・ホラクラシーの中核的要素の1つは・・・人=役職という融合を切り離すこと・・・「人々は仕事を持つのではなく、多くのきめ細かな役割を果たそうとする」
・働く社員が楽しいと感じるためには、適正な規模が存在する。人が多すぎると縄張り争いが起きる。なすべきことが十分にあれば、だれが何をしているのか気にする人はいなくなる。
・「書かないことで目的は進化する」=あえて明文化しないことで固定的な組織ではなく、流動的に変化できる組織になる。
・ティール組織への突破口は、の自主経営(セルフマネジメント)、全体性(ホールネス)、存在目的(パーパス)の3つ。
・「機械のテンプレートに基づくのではなく、生命と自然の観点からのインスピレーションを求めて組織をつくったとしたらどのような可能性が開けるか」
3つの突破口のうち、特に「全体性(ホールネス)」は大切だと思う。偽りない本当の自分であり続けることは現代社会においてなかなかできないことであると感じる。
自分が持って生まれたものを理解し認めること。それを持って自分に、他者に、社会に何ができるのかを考え、行動すること。その結果得た成果に対して自分からも他者からも包容してもらえる環境を築くこと。
これらのことを理解し実践できる人が集い、築き上げてきたものが「ティール組織」だと思う。
他者を変えることはできないが、影響を与えることはできる。自分が「全体性」を表現し続けることでそのような仲間を得られるような環境を築けたらと思う。
Posted by ブクログ
ページ数も多く読み始めの部分では、
うまく波に乗れるかどうか不安でしたが、
読み進むうちに引き込まれていきました。
実際の企業についてもしっかりと調査をされており、
理論先行(机上の空論)ではなく、実在の企業について
書き記してあるので、とても理解が深まりました。
時代の流れとともに人が変わる。
人が変わると人の集まりである組織も変わる。
管理方法や評価方法も変わる。
当たり前の流れに気付くことができました。
Posted by ブクログ
これまでの常識的なマネジメント、組織論の進化系として自主運営、全体性を肝とする「ティール組織」というものを実例を挙げながら解説している。こういう組織を築く事ができれば、心地よく従業員が働くことができ、高いパフォーマンスを発揮できるなぁーと思うが、既存組織を変革するのはハードルが高く、創業段階からのアプローチが必要であると思った。
Posted by ブクログ
・人はプロセスを適用することで、過去の経験を未来に複製できる。プロセスのおかげで、何かをするのに不可欠な知識はもはや特定の人に依存することなく組織の中に組み込まれ、数世代にわたって伝達される場合もある
・
Posted by ブクログ
セルフマネジメントには凄く共感を覚える。ただし、これを既存の組織にどう実装して自走させるかを考えただけで、気が遠くなり、ティール組織への憧れだけが募っていく。。。
Posted by ブクログ
フラットな組織は誰にとって幸せかを考えながら読んだ。組織を成熟させる時間は必要だろうし、評価と給与制度は難解になるだろう。
数社の日本企業で、中途半端な成果主義や評価制度で働き、ピラミッド型の組織を率いてきたし、今もマネージメントしている。メンバーの時代の方が、窮屈さを感じたこともなかったように思う。
フラットな組織はメンバーに幸せなのだろうか?マネージャーに幸せなのだろうか?お客様は幸せなのだろうか?
Posted by ブクログ
利益の追求より自社の存在意義を優先させた結果素晴らしい成長率を誇っている、というのは一番理想的。そしてそれを達成している組織はたくさんあるという事実。会社を存続させるためには利益も必要だけど、世の中のためになることで、かつ、組織の特性を活かしたもの、世間から必要とされる存在になるには?という観点をもっと考えたいし、そういう組織が増えて欲しい。
Posted by ブクログ
組織運営のお勉強。リーダー依存だとなかなか変われないと思ってしまった。
多元型組織の特徴?権限の委譲
多元型組織の特徴?価値観を重視する文化と心を揺さぶるような存在目的
多元型組織の特徴?多数のステークホルダーの視点を生かす
組織の発達ステージを決める要因は何か?それは、リーダーがどの段階のパラダイムを通して世界を見ているかによる。
私たちがエゴに埋没していると、外的な要因(ほかの人々は何を考えているのか、どのような結果が達成できるのか)によって判断が左右されがちになる。…
進化型では、意思決定の基準が外的なものから内的なものへと移行する。
人生を「自分の本当の姿を明らかにする行程」だととらえれば、自分の限界を現実のものとして冷静に見つめ、目に入るものを心穏やかにとらえることができる。人生とは、自分の中にもともと素養がないものに無理をしてなろうとすることではない。私たちはまた、周囲の人々や状況には何が足りないか、あるいは何が間違っているか、といったことではなく、そこに存在するもの、美しいもの、可能性に注意を向けるようになる。決めつけよりも思いやりと感謝を優先する。心理学者たちは、「欠点を見る」のではなく、「長所を生かす」というパラダイム変化が起こっていると指摘する。
進化型パラダイムでは、判断と寛容という対立を超越できる。進化型以前の段階では、私たちはほかの人々と意見が異なると、「自分たちが正しく、彼らが間違っている」と決めつけて対峙することもある。そうなるととるべき選択肢は、説得する。教えて間違いを正す、解雇するということになる。あるいは寛容という名の下に意見の違いをうまく取り繕って、すべての真実は等しく価値があることを認める。
進化型パラダイムでは、この対立を超越し、決めつけないことでより高次の真実にたどりつける。私たちは自分の信念を点検し、実際にはそれが優れていることを発見するのだが、同時にほかのひとのことも、基本的に等しい価値の人間として受け入れることができる。
本書で取り上げる先駆的な進化型組織の事例研究によって明らかになったのは、以下の三つの突破口だ。
?自主経営―進化型組織は効果的に機能するための鍵を見つけ出した。大組織にあっても、階層やコンセンサスに頼ることなく、仲間との関係性のなかで動くシステムである。
?全体性―職場に行くときには、狭い「専門家」としての自己をまとい、もう一つの自分の顔はドアの外に置いていけ―組織とは、そこで働く人々に常にそういうことを期待する場所だった。そうした組織の中では、男性的な強い意志、決意と力を示し、疑念と弱さを隠すよう求められることが多い。合理性がすべてであり、情緒的、直感的、精神的な部分はまず歓迎されず、場違いだとみなされてしまう。進化型組織は、私たちの精神的な全体性があらためて呼び起こされ、自分をさらけ出して職場に来ようという気にさせるような、一貫した慣行を実践している。
?存在目的―進化型組織はそれ自身の生命と方向感を持っていると見られている。組織のメンバーは、将来を予言し、統制しようとするのではなく、組織が将来どうなりたいのか、どのような目的を達成したいのかに耳を傾け、理解する場に招かれる。
権力をトップに集め、同じ組織に働く仲間を権力者とそれ以外に分けるような組織は、問題を抱えて病んでいく。組織内の権力は、戦って勝ち取る価値のある希少なものと見られている。人はこうした状況に置かれると、いつも人間性の影の部分が浮き彫りになってくる。個人的な野望、政治的駆け引き、不信、恐れ、ねたみといった感情だ。組織の最下層では「あきらめ」と「怒り」の感情が広がりやすくなる。
多元型組織は権力の不平等という問題を、権限移譲、すなわち意思決定を組織ピラミッドの下位の人々に担わせることで解決しようとしている。その結果、他社よりもはるかに高いエンゲージメントを実現している会社も多い。しかし、権限移譲を実現するには、トップにいる者が、自分の権力の一部を譲れるほどに賢明か高潔でなければならない。
…マクレガーによると、経営者は従業員について次の二つのうちどちらかの見方をしているという。
?従業員は本来怠け者で、なるべくなら仕事をサボりたいものだ(X理論)
?労働者は意欲的で、自発的で、自制心を発揮できる(Y理論)
どちらが真実なのだろう?この点についての議論が始まるといつまでたっても終わらないだろう。マクレガーは何度も検証を重ねたうえで、ある重要な見解に達した―どちらも正しいというのである。人々を不信の目で見て(X理論)、あらゆる種類の命令、規則、罰則で従わせると、彼らは制度を出し抜こうとするので、あなたは自分の考え方が正しかったと感じるだろう。信頼をもって接すると(Y理論)、責任感ある態度でその信頼に応えようとするはずだ。すると、自分の立てた前提が有効だったと感じるだろう。これを発達心理学の観点から説明しよう。順応型/達成型の強い組織構造と組織文化をつくり上げると、人々は順応型/達成式の反応をするようになる。進化型色の強い組織にすると、人々もそのようにふるまい始めるのだ。
結局、根本をたどっていくと「彼らが刈り取るのは、蒔いた種から育った物」、つまり自業自得なのである。恐れは恐れを生むし、信頼は信頼を育てるという最も基本的な真理に行き着くというわけだ。
RHDコミュニケーションのメンバーには、次の二つをできるようになることが重要だ。
a「自分自身が常に正しいはずだ」という思い込みをやめ、ほかの人々の現実や考え方に耳を傾け、それらを尊重せよ。
b思考(頭の中で起こっていること)と行動(言ったりしたりすること)とを区別せよ。