ミラン・クンデラのレビュー一覧
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ネタバレプラハの春に参加していた作者が、(おそらく)自身の経験を元に、その時代の中で愛し合う男女を描いたクンデラの代表的な小説。トマーシュとテレザの深いけど苦しい愛、トマーシュとサビナの良好で軽い愛、フランツとサビナの始まりと破局、他にもトマーシュと元妻、息子等、人間関係が多岐に渡って描かれている。
特にトマーシュとテレザの愛は多面的に描かれていて読み応えがあった。本当に愛しているけど、トマーシュは女漁りをやめられないし、テレザもそれは分かっている。読んでるこっちは「そんな男やめなー?」て思うけど…
一人ひとりの人間の精神の深さ、意外性が緻密に描かれているところは好きなんだけど、比喩が多いしそれが私の -
Posted by ブクログ
プラハの春(1968年)より前の1965年脱稿の作品。「存在の耐えられない軽さ」に続いてクンデラ作品を読んでみた。
身も蓋もない要約をすると、
自分の不用意な手紙がもとで共産党から除名された男が、数年後に、処分の判断をした委員長の妻を復讐のために寝取ったが、委員長はもっと若い愛人とよろしくやっていて復習は空振りに終わりました、
というお話。
ヒロイン的なルツィエさんの過去が突然明かされる場面は衝撃が大きいが本人の内面は殆ど明かされることはない。
終盤に登場するエレナの助手の青年の薬の話(鎮静剤と見せかけて実は下剤で、エレナはそれを知らずに大量服用する)は、全体の暗い色調の中で最も喜劇的な場 -
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20年以上前だったと思うが、池澤夏樹さんが書評で激賞していた記憶がある。いつか読んでみようと忘れずにいたんだから、我ながら呆れる。
プールサイドで友人を待つうちに見かけた初老の女性の仕草。そこからアニュスと名付けた女性、そしてその夫、妹、娘たちの物語が始まる。つけられた名前は記号にしか過ぎず、神の目線を感じるばかりなのが、やがて血肉を伴ってくるような印象。著者や友人アヴェナリウスが邂逅する場面などドキリとする。
小説の前半はゲーテと、彼に付き纏い死後の名声を望む女性ベッティーナとの話にかなりのページが割かれる。批評のようであり、ゴッシップのようであるのは著者らしいと云えるのか。
後半に唐突な