ミラン・クンデラのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
タイトルがとても好きで手に取った作品。
おもしろかった。
哲学的で考えさせられる美しい文章が何度も出てきて、いくつものフレーズをメモしながら読んだ。
人生は一度きりであるから、どの決断や選択が正しいかを、比較検討したり実験したりして、証明することはできない。
本当にその通りだと思った。
生きることは常に後悔や振り返りの連続で、自分の選択や自分に起こってしまった物事について、どうしたらよかったかを考えるばかりだ。
だけど、その選択を他のものと比較してよかった/悪かったなどと言うことは本当はできないし、しなくてよいのだと思えた。
「お互いに愛し合っているということは、過ちが二人や、二人の話し -
Posted by ブクログ
ネタバレ好きな女の子の気を引こうと軽率な冗談を書いたために人生が狂ってしまった男の話。1950年代から60年代のチェコが舞台で、当時の歴史を踏まえた上で読むとチェコの歴史と主人公の姿がダブる。タイトルは主人公が書いた手紙を指すとともに、人々を翻弄する歴史も指している。
かつては冗談では済まされなかった手紙も自由を求める機運が高まる時代なら見逃される。しかし犠牲になった人生はやり直せない。誰もその償いをしてはくれない。ただ忘却されるのみ。かつては許されなかったことも時代が変われば問題視されない。価値観の変化、それが歴史の冗談だ。
登場人物たちの行動がことごとくその意図を裏切られる展開はコメディのよう -
Posted by ブクログ
以前一度読むのを挫折していて、数年経って改めて読んだらとても面白かった。
わかりにくい比喩や慣れない言い回しに、なかなかテンポ良く読み進めることができなかったが、新しい考えを与えてくれるパートがいくつもあった。
ただ1度では理解しきれず、何度読んでも意味が分からなくて飛ばしてしまった箇所もあるので、また改めてじっくり読み返したいと思う。
タイトルの意味について腑に落ちた箇所
「サビナに落ちてきたのは重荷ではなく、存在の耐えられない軽さであった。
これまではそれぞれの裏切りの瞬間が裏切りという新しい冒険に通ずる新しい道を開いたので、彼女を興奮と喜びで満たしてきた。しかし、その道がいつか -
Posted by ブクログ
非常に面白くて、この本に出会えてよかったと思う!言い回し、表現が面白く、時代も場所も違う物語だった。語り口がコロコロと変わるのも面白い。もちろん理解できない部分もたくさんあった。ぜひもう一度読みたい!!!
印象的な言葉を書き写しておく↓
人生はたった一度限りだ。それゆえわれわれのどの決断が正しかったのか、どの決断が誤っていたのかを確認することはけっしてできない。
歴史も、個人の人生と似たようなものである。
ただ一度なら、全然ないことと同じである。歴史も個人の人生と同じように軽い、明日はもう存在しない舞い上がる埃のような、羽のように軽い、耐えがたく軽いものなのである。
(試行錯誤ができず、意 -
Posted by ブクログ
愛と性は別であると考えて、短期間に複数人の女性と交際を繰り返すトマーシュ。浮気と本気の線引きがあり、彼なりの優先順位がある。トマーシュの強さとテレザの弱さのアンバランスの描写が、読んでいて苦しかった。
生き方の異なる2人が居れば、弱い方が耐えられない気持ちになるのは自然なことだと思う。
親しい人から、自分は替えがきく存在なんだと感じた瞬間に私は冷める。だからテレザに共感はできず私はサビナに憧れる。自分を大事にしてくれる人を見つけ、自分の居場所を自分の力で見つけて生きたい。
男女の性の価値観の違い。それによって生じる問題が政治的抑圧を背景に展開されていて物語に惹き込まれた。序盤以降は読みやすかっ -
Posted by ブクログ
著者のミラン・クンデラが巧妙なのは、同じ人間の中に「重さ」と「軽さ」を同居させていること。
トマーシュは政治的信念については妥協しない重厚さを持ちながら、恋愛においては徹底的に軽やかだった。
彼の性的な「軽さ」は、一人ひとりの女性との関係に深い意味や責任を求めない。でも、それは彼なりの一貫性でもある。
興味深いのは、彼がテレザとの関係においてだけは「重さ」を感じていたこと。テレザは彼にとって唯一、軽やかに扱えない存在だった。
つまり、トマーシュは自分なりの価値基準を持っていた。政治的信念は重く、性的関係は軽く。そのバランスが彼という人間の核心だったことだ。そして、その矛盾を抱えた姿に、どこか -
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まさに自由奔放
時間は真っ直ぐ進まなく、現実/虚構の区別も曖昧。
けれども、それぞれの「エピソード」が、複数の主題と結びついていき、壮大な人生の小説となる。
■「不滅」「顔」「イメージ」
2020年代現在、当時よりもより一層、(一般市民の)私たちにとって身近に潜むテーマなのではないか。
私たちは片手一つに収まる電脳世界の中で、ほぼ四六時中イメージの生成に勤しんでいるし、さらにそれを不滅の世界にいとも簡単に残せてしまう。
そして、あまりにも多い顔たち……。
■アニュスが意図もせず、死によって他者の中にあるイメージを強く刺戟したことを考えると、
きっと私たちは不滅にならざるを得ないのだと思う。 -
Posted by ブクログ
恋人への一通の絵葉書に宛てた冗談に狂わせられた人生について時代(世代か?)の価値に翻弄されながら、時にはかつて愛した女性への自身のノスタルジアから翻弄され、時には自分を追い込んだ相手への復讐を選ぶ主人公ルドーヴィク。
愛した女性ルツィエについては実体性や物質性、具体性を失って伝説や神話に自分の中で変わっていくからこそ忘れられない程の痛み、そして自身の鏡となっていることに気付く。
自信を狂わせたゼマーネクについては、彼への復讐へとその妻と不義理を交わしたが、目の前に現れたゼマーネクは既に年若い女性と密な仲になっており、復讐は果たせない。そんな中ルードヴィクは二重に間違った信念として信じた罪に対す -
Posted by ブクログ
ネタバレクンデラは、「存在の耐えられない軽さ」を読んで、こんな小説があるのかと驚かされ、「不滅」を読んで、僕の中で永遠になった。
中身はあまり思い出せないけども、不滅のような現代的でありかつ完璧な作品が有り得るのかというのは、大きな驚きであった。
でも、そのせいでそれ以外の作品で幻滅することをおそれ、見る機会を失っていた。
がために数年の間をあけてしまい、もはや不滅の内容といえば、冒頭のプールサイドの情景くらいしか思い出せないほど時間が経ってるけど、ときには小説も読みたい、と思って手をつけた。
途中、かなりまだるっこしい、それが自分が歳とってせっかちになってる(若さのせっかちに比べて、中年のせっ